写真:和山 光一
地図を見る糠平国道(東大雪の道)の最大の目玉は、北海道でベスト5に入るであろう「三国峠」です。車で走れる峠としては北海道で一番の高所1139mにあり、かつてこの場所が十勝国、北見国、石狩国の境界であったことが「三国」の名の由来です。1971年三国トンネルが完成し、道北・道央への扉が開かれ、1994年には通年開通となり、四季を通した三股の自然が堪能できるようになったのです。
三国峠といえば、写真でとりあげている針広混交林の大樹海が広がる風景です。主役といえる赤い橋「松見大橋」は、高さ30m・長さ330mで、途切れることのない樹海の中を貫く圧巻の建造物です。眺めるもよし、もちろん爽快に走り抜けるもよしです。
しかしながら、実はこの三国峠の絶景は三国峠展望台からではなく、松見大橋の上にかかる「緑深橋」あたりから見える景色なのです。車を停められる場所は少なく交通の妨げにならないように注意が必要です。眼前に見渡せる東大雪の広大な樹海と一本の橋の道は圧巻の一語に尽き、特に紅葉時期(9月中旬)の燃えるような三股盆地の眺望は特に素晴らしく見る者の心を震わせる絶景です。
写真:和山 光一
地図を見る三国峠の頂上、三国峠展望台の脇にひっそりと佇む「三国峠Cafe」があります。Scenic(景観の良い)とByway(寄り道)を組み合わせた言葉シーニックバイウェイ北海道に認定されている十勝平野・山麓ルートにあるシーニックカフェのひとつです。木のぬくもりを感じるテーブル席2卓とカウンター4席の可愛らしい小さいログハウス風のお店で、一部煉瓦造りで暖炉もあります。こだわりの自家焙煎・ハンドドリップのコーヒー500円やソフトクリーム300円が美味しいと評判です。
こだわりのコーヒーのラインナップは、ブレンドの「木もれび(中煎り)」「陽だまり(中深煎り)」「森の香(深煎り)」の3種、深煎りでも飲みやすく、角のないまろやかなコーヒーが味わえます。アイスデザートでおすすめなのが、アツアツの深煎りエスプレッソを冷たいソフトクリームにかけて食べる「アッフォガード・アル・カッフェ600円」です。ソフトクリームの甘さがエスプレッソの苦みで引きしまって美味しいですよ。
ドライブ途中の小休止で寄ったつもりが、ついつい居心地の良さでゆっくり過ごしがちになりますが、とても小さいお店ですので長居には気をつけましょう。
写真:和山 光一
地図を見る三股山荘は、大雪山のパノラマの真ん中に立つログハウスの喫茶店。店内には十勝三股の歴史を伝える写真や資料、十勝三股駅を再現したジオラマが飾られています。ここは1950年代、大雪山の豊かな森林資源で栄え、森林伐採を仕事とする人たちで賑わった所です。帯広から70Km以上も入った山奥に旧国鉄時代士幌線の終着駅「十勝三股駅」が設置され、木材を搬出するたくさんの貨物列車が運転されていました。
ランチメニューは5種類で、定番メニューの畑のランチ、牧場のビーフライスにカレーライス、そして十勝ピラフや豆とひき肉のミートスパゲティです。おすすめは牛ひき肉と長いもを練り込んだパテを和風味の丼にした「牧場のビーフライス」。スープとサラダがついて1050円です。言うならばハンバーグが乗った丼なのですが、ロコモコと違って薄味のさっぱりとした丼です。丼のご飯の上に海苔が敷かれ、その上にビーフが覆いかくすようにのっています。ご飯とよく絡み、一番上にのっているアサツキのおかげでさっぱりといただけます。
写真:和山 光一
地図を見る層雲峡は広大な大雪山国立公園の中にあり、大雪山の噴火によって噴出した火山灰などが堆積して固まった「溶結凝灰岩」といわれる岩が石狩川によって浸食されてできた峡谷。縦に割れ目が入って岩壁が柱状になった「柱状節理」と呼ばれる高さ150mの岩壁の険しい峡谷が、全長24Kmにわたり続く雄大な自然の絶景が楽しめるということで北海道屈指の人気を誇る観光地です。アイヌ語で「ソウウンベツ(滝の多い川)」と呼ばれていたことから詩人の大町桂月が1921年にこの名をつけました。
層雲峡を代表する絶景スポットが日本の滝100選に選ばれている「流星の滝・銀河の滝」です。売店などもある「流星・銀河の滝休憩舎(滝ミンタラ)」がある駐車場から眺めるのが定番で、石狩川を挟んで間近から観賞できます。印象の異なる2本の滝が、山水画のような柱状節理の岩肌に水が美しく流れ落ちています。流星の滝は約90mの断崖から一気にとどろき落ちる豪快な滝、銀河の滝は約120mの断崖から、キラキラと銀の糸を引いて流れる優雅な滝で、その対象的な姿から「男滝・女滝」とも呼ばれます。
滝ミンタラの真ん中から山道の遊歩道を約20分上がった高台にある双瀑台と呼ばれる展望台からは、2本の滝を同時に見ることができます。急な坂のため、靴はスニーカーがいいですよ。
写真:和山 光一
地図を見る大雪湖を過ぎ新大函トンネルを抜けてすぐに駐車場へと続く道があります。層雲峡で最も美しい渓谷美といわれるのが渓谷上流部にある人気の景勝スポット「大函」です。函とはアイヌ語で「シュオプ」といい、「両側の崖が立っている地形」を指します。まさに川の両岸が切り立った断崖に囲まれ、大きな函の中に閉じ込められたような感じがするところからこの名がつけられました。まるで屏風のように幅が広い柱状節理の岩が連なる峡谷をすぐそばから観賞できるので大自然がつくり出した造形美が楽しめます。
大雪山国立公園は、北海道の中央部に広がる日本最大の山岳公園です。大雪山は、北海道の最高峰「旭岳」を主峰とする山群で、北海道の屋根と称されています。国立公園は大きく、表大雪エリア、十勝岳連峰エリア、東大雪エリアに分けることができます。
国道273号が走る東大雪エリアは、ニペソツ山、ウペペサンケ山、石狩岳などの東大雪の山々と深い森、然別湖や糠平湖、十勝三股カルデラなど独自の魅力を持つ山深い一帯です。糠平湖西岸沿いの旧国鉄士幌線の線路跡には、コンクリート製アーチ橋がいまも多数残り、北海道遺産に指定されています。特に季節によって糠平湖の水位が変わることによってその姿が見え隠れする幻の橋「タウシュベツ川橋梁」は必見です。(6月頃から推移があがり、8月には水没し、そして1月には雪と氷のなかで再び姿を現します。)
東大雪には温泉の楽しみもあります。東大雪エリア最大の利用拠点である「ぬかびら温泉郷」や然別温泉、トムラウシ温泉、幌加温泉といったいずれも森林に囲まれた静かな温泉、そして表大雪との接点でもある道央最大の温泉地「層雲峡温泉」があります。温泉地を拠点に
カムイワンタラ-神々の遊ぶ庭を堪能してみて下さい。
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(2024/10/14更新)
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