北アルプスがもっと身近に!富山側から百名山の山々へ!

北アルプスがもっと身近に!富山側から百名山の山々へ!

更新日:2016/08/09 15:06

夏山シーズンに賑わう北アルプス。長野県側から上高地や立山に入ったことのある方も多いと思います。今回は、2015年の北陸新幹線の開通に伴い東京から2時間足らずで「富山駅」に行けるようになったことを踏まえまして、富山駅からアクセスの良い登山口「折立」から入る北アルプスの中でも薬師岳や黒部五郎岳、鷲羽岳及び水晶岳といった日本百名山に選ばれている名峰を中心にご案内いたします。

北陸新幹線開業でより身近になった富山県側からのアプローチ

北陸新幹線開業でより身近になった富山県側からのアプローチ
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北アルプスは中部山岳国立公園として毎年多くの登山者が訪れる人気のエリアです。長野県、岐阜県、新潟県、富山県の四県にまたがる広大なエリアですが、各登山口までの交通機関が発達し、山中にも多くの山小屋が存在するため、初心者もアプローチがしやすい山域といえます。

特に北陸新幹線の開通でぐっと身近になった富山駅(東京から2時間程度)からは有名な立山方面だけでなく、薬師岳や黒部五郎岳といった名峰へのアプローチが容易な「折立」にもバス(あるいは電車+バス)が出ています。今まで前夜泊や夜行バスでないと接続が難しかった折立への交通機関ですが、それが解消されたのは登山好きの方には朗報といえるでしょう。

ちなみに別の記事(下部メモ参照)で表銀座コース(中房温泉から大天井岳を経て槍ヶ岳に至るルート)について述べましたが、折立から黒部五郎岳、双六岳を経由して槍ヶ岳に至るルートも通称「西銀座ダイヤモンドコース」と呼ばれる縦走路の花形です。危険箇所も少なくコースも明瞭ですので、今年縦走にチャレンジされる方にもお奨めのエリアです。ただし写真のように熊もアクティブな時期ですので、熊鈴やホイッスルを携帯しましょう。

もっとも近い百名山は霊峰「薬師岳」

もっとも近い百名山は霊峰「薬師岳」
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折立から最も近い百名山は霊山としても名高い薬師岳(2,926m)です。折立から登ること4.5〜5時間で太郎平小屋に着きます。そこからさらに2時間の薬師岳山荘に一泊して、山頂を目指しましょう(山荘から往復約2時間)。古くから薬師如来が信仰される名峰です(写真は太郎平小屋付近から眺める薬師岳です)。なお太郎平小屋は後述する黒部五郎岳方面や雲ノ平方面への分岐点にあるだけでなく夏山シーズン中には診療所も開設されるような大型の山小屋のため、何かと安心な存在ですね。

カールの美しい「黒部五郎岳」

カールの美しい「黒部五郎岳」
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黒部五郎岳(標高2,840m)は山頂の東側に広がるカール(圏谷)が美しい百名山です。上述の太郎平小屋から5時間程度かかりますので、小屋に一泊してから目指すことになります。黒部五郎という人物に由来があるわけではなく、岩が「ゴロゴロ」している黒部村にある山なので黒部五郎岳という、適当すぎる理由でネーミングされた山ですが、見て納得のゴロゴロ具合!?でした。

山頂から折立に戻らず、鷲羽岳方面に向かう場合は、山頂から1.5時間程度下ったところにある黒部五郎小舎に宿泊するのが便利でしょう。

行きでも帰りでもOK。絶対通りたい「雲ノ平」

行きでも帰りでもOK。絶対通りたい「雲ノ平」
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雲ノ平。素敵な名前ですね。次節で紹介する水晶岳や鷲羽岳に登る場合に、往路でも復路でも良いのでぜひ通っていただきたいのがこの雲ノ平です。その名の通り、平らな高台になっておりアラスカ庭園、ギリシャ庭園、アルプス庭園など面白いネーミングがされた天然の箱庭が点在する隠れた名所です。

太郎平小屋から6時間程度の歩行が必要な深部にありますが、途中に薬師沢小屋があり、また雲ノ平の真ん中にも雲ノ平山荘がありますので、これらを利用して訪れましょう。写真は雲ノ平山荘周辺の遠景です。

遠く黒部湖まで見渡せる「水晶岳(別名:黒岳)」&「鷲羽岳」

遠く黒部湖まで見渡せる「水晶岳(別名:黒岳)」&「鷲羽岳」
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雲ノ平からさらに6時間、最深部!?ともいえる立ち寄りにくい百名山がこの水晶岳(標高2,986m)です。逆に考えれば、この機会に訪れなければ一生登らないかもしれません。その山頂からは遮るものが何も無く360度の大展望で北アルプスの山々が見渡せます(写真奥に見える湖は黒部湖です)。なお山頂へ至る途中に水晶小屋がありますのでコースタイムによっては利用することになると思います。

この水晶岳よりも少しばかりアクセスが良いのが同じく百名山の標高2,924mの鷲羽岳(わしばだけ)です。雲ノ平からのアクセスは所要5時間とあまり変わりませんが、前述の黒部五郎岳方面から縦走して行きますと黒部五郎小舎から三股山荘経由で4時間程度といくぶん楽!?になります。

しかし、こういった登山口から遠い場所にも営業小屋が多いのは本当に有難いですね。今回は紹介しきれませんが、こういった山小屋も北アルプスをさらに魅力的にしている要因でしょうね。

アクセスと注意点

<アクセス>
基点の「折立」には富山駅からバスが運行されています。バスは早朝発、夕方戻りと運行時間が限られていますので注意してください。そのほかに電車やバスの乗り継ぎもあります。

<注意点>
今回紹介したエリアは登山道が明瞭で危険箇所の少ないコースで構成されています。ただしどの登山の場合でもそうですが、急激な天候の変化により行動不能に陥らないよう、夏山のシーズンとはいえ雨具や防寒具をきちんと持っていきましょう。万一に備え地図は必携です。登山届けも忘れずに出発点の登山口で提出しておきましょう。加えて忘れがちなのが水場の場所です。事前に地図などで場所を確認しておきましょう。

コース上には山小屋が多く点在しますので悪天候時は無理せず、近くの山小屋に停泊するなど柔軟な対応を心がけてください。日程を組む際は一日7〜8時間の歩行を最大値として近隣の山小屋を探すとコースが組みやすくなります。小屋周辺の野営場でテント泊をお考えの方は、風の強い場所などでは気温が下がり夏でも零下になる場合もありますので、防寒には注意してくださいね。

では気をつけていってらっしゃいませ〜

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/09/07−2014/09/10 訪問

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