川を渡らないと行けない神社!?静岡市の名勝「木枯森」

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川を渡らないと行けない神社!?静岡市の名勝「木枯森」

川を渡らないと行けない神社!?静岡市の名勝「木枯森」

更新日:2016/08/09 16:54

小林 里穂のプロフィール写真 小林 里穂 翻訳家、トラベルライター

静岡県は静岡市。安倍川の支流である藁科川のその中州に、静岡県指定の名勝として知られる「木枯森(こがらしのもり)」がある。直径わずか100mのこの小さな森の面白いところは、この中にひっそりと佇む神社があること。八幡神社と呼ばれるその神社は川を渡らないととたどり着くことができない。この小さな神社を守るように存在する「木枯森」。今回は、歌枕として数々の歌に登場してきたこの森の魅力をたっぷりお伝えします!

藁科川の中州にある小さな森

藁科川の中州にある小さな森

写真:小林 里穂

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「木枯森」があるのは静岡県静岡市葵区。静岡市の大河川である安倍川の支流、藁科川の中州に位置しています。直径はわずか100m。この森は数分もあれば軽く1周することができるほど、こじんまりとしています。両隣を流れる藁科川では週末になると川遊びする人たちで賑わっていますが、この森の中へと入る人はあまりいません。

「木枯森」は、かつては駿河を代表する歌枕として、様々な歌で詠まれていました。代表的なものは清少納言の枕草子。「森はこがらしの森」と詠われています。

この森の中には小さな神社があり、もともと八幡神が祀られていましたが、参拝が困難な場所にあるため、現在では羽鳥八幡神社へそのご神体が移されています。毎年9月頃になると、ご神体をここ木枯森へと戻す本家帰りが行われ、緑豊かな景色の中で神輿が木枯森へと向かう風景は、ここ葵区の夏の風物詩となっています。

川を渡らないと行けない「木枯森」

川を渡らないと行けない「木枯森」

写真:小林 里穂

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かつては木枯森の両サイドにある土手から、木枯森へと延びる橋が架けられていましたが、度重なる災害によって橋は崩れ、今では川を渡らないと木枯森へたどり着くことができません。しかし陸地から離れた川の中洲にあるからこそ、孤立した木枯森は、神秘的なオーラを放っています。

木枯森への渡り方としては、静岡市葵区側の土手を下って行くのがおすすめ。土手は、木枯森を見下ろすことができる「牧ノ谷橋」とつながっていて、川遊びに来た人たちの車が止まっているため迷うことなく行けるはずです。土手を下り、川岸に着いたら、靴を脱いでいざ木枯森へと目指しましょう。

前日までの雨量によって川の高さは変わりますが、葵区側の土手から木枯森まで渡る間では、水の高さは深いところで膝よりすこし上のあたりまで。水着を着なくてもなんとか渡ることができますが、安全のためしっかりサンダルを履いて渡るのをおすすめします。水は透き通っていて、小さな魚が泳いでいるのも確認できます。暑い日には、清々しい気分にさせてくれますよ。

古い石段を登って、いざ山頂にある「八幡神社」へ

古い石段を登って、いざ山頂にある「八幡神社」へ

写真:小林 里穂

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「八幡神社」があるのは、木枯森の山頂。古い石段が用意されているため、一段一段気をつけながら登ってみましょう。木枯森のふもとには、川遊びを楽しむ人たちがいますが、八幡神社へと向かう人はごく少数。誰もいない中、贅沢な気持ちで石段を登ることができるのです。一体どんな神社なのか、どんな空間が広がっているのか――山頂の景色を想像しながら、一段一段登ってみてくださいね。

石段があるのは牧ノ谷橋が見える東側。石段へと続くかすかな通り道があり、石段のふもとには「木枯森」について書かれた看板があります。石段を登る前に読んでみると、よりその場所を楽しむことができるはずです。

小さな森に守られている、「八幡神社」

小さな森に守られている、「八幡神社」

写真:小林 里穂

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古い石段を登り山頂に着くと、そこにあるのはなんの飾り気もない小さな神社。「八幡神社」と呼ばれるその神社には、かつて八幡神が祀られていましたが、参拝が困難な場所にあるため、現在そのご神体は羽鳥八幡神社に祀られています。

毎年夏になると、そのご神体が神輿に担がれ、木枯森にある八幡神社へと帰るお祭りが行われるのです。普段ひとけのない木枯森にたくさんの人が集まり、木枯森にとっては一年で一番賑やかな日を迎えることになります。神輿に担がれて、かつていた場所に帰る八幡神。緑豊かな景色の中で行われるこのお祭りは、歴史を知る地元民にとって、大変意味のあるお祭りです。

木枯森のさらに奥、藁科川の下流には、静岡の大自然が広がる

木枯森のさらに奥、藁科川の下流には、静岡の大自然が広がる

写真:小林 里穂

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静岡の緑豊かな大自然に囲まれている木枯森。藁科川のさらに下流へと目をやると、美しい山々が連なっています。透明な綺麗な川に、緑豊かな山に、広々とした空。例えそこが生まれ故郷でなかったとしても、家に帰ってきたときのような、ほっとした安らぎを感じることができるはずです。

夏には、たくさんの人が川遊びを楽しんでいて、のどかな雰囲気を感じ取れます。涼しい夕方には土手に腰を下ろして、しばらく自然の音に耳を済ませてみるのはいかがでしょうか。涼しい風を感じながら、綺麗な夕焼けを見ていると、とっても豊かな気持ちになれるはずですよ。

川を渡らないと行けない「木枯森」

静岡の大自然に見守られる中、川の中洲にぽつんと佇む「木枯森」。直径わずか100mほどの小さなこの森の中には、「八幡神社」と呼ばれる神社があり、誰にも邪魔されない中ひっそりと佇んでいます。綺麗で透き通った川を渡って、やっとたどり着くその場所。川を渡って行くその過程は、まるで身を清める儀式のようで、手水場の代わりを担ってくれているように感じます。川の水はとにかく綺麗で、緑豊かな自然の風景が心を落ち着かせてくれるはずです。いつもとは少し違った旅先に、「木枯森」をチョイスしてみてはいかがでしょうか。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2016/08/07 訪問

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