ロケ地も豊富!寅さんの故郷・東京「葛飾柴又」の見どころ

ロケ地も豊富!寅さんの故郷・東京「葛飾柴又」の見どころ

更新日:2019/12/23 14:03

葛飾柴又のイメージといえば、「寅さんの故郷」「帝釈天」「お土産店が充実」「都心から1時間以内の観光地」といったところでしょう。でもそれだけではありません。帝釈天や庭園・記念館・門前参道の商店街の裏側には知られざる魅力が満載。映画のワンシーンと一緒に現在と比較してみる面白さもあります。葛飾柴又に住んで25年、住民でなければ分からない見所をたくさんご紹介します。

故郷を離れる「寅さん」、振返った先には見送るさくらが!

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京成電鉄金町線柴又駅を降りて改札口を抜けると、そこには「寅さん」の銅像があります。「帝釈様」か「とらや」を想って振返っているのでしょうか、観光客の方も住んでいる住民も、なぜかほっとする銅像です。でも中には、寅さんまたダメだったのか、誰に失恋したのかと気になる人もいるようです。そんな柴又駅に馴染んでいる銅像の風景です。2017年には寅さん像の近くに妹さくらの銅像が設置されました。失恋して柴又駅からどこかへ旅立つ寅さんを見送るさくら、柴又に新名所が増えました。

葛飾柴又は、古くは8世紀の正倉院戸籍書にもその地名(嶋俣里)が出てくる由緒ある門前町です。経栄山題経寺といっても何のことか分かりませんよね。柴又帝釈天の正式な山号寺号です。でも地元ではみんなが昔から「帝釈様」と言います。

故郷を離れる「寅さん」、振返った先には見送るさくらが!
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駅から帝釈天に向かう参道沿いに観光案内所があります。様々なパンフレット類も置いてあるので、これがあると散策にとても便利です。

代表的な観光コースと門前参道商店街のお土産

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柴又の代表的な観光コースは、駅を降りてこの門前町を冷やかしてから帝釈様に参拝して、境内をぐるっと周った後に、日本庭園として専門誌で高い評価を受けている山本亭に立ち寄るというコースです。

そしてその隣の寅さん記念館と、山田洋次ミュージアムに入場して、最後に参道沿いのお土産屋さんで何かを買って帰るというのが定番でしょう。参道沿いのお土産屋さんは多種多様な店がたくさんありますが、柴又名物は草団子とお煎餅です。

昔はお煎餅屋さんのお店の裏側や屋上で生地を天日干ししていました。そのせいか焼く際にひび割れするお煎餅が多く出てしまいました。そのこわれた煎餅をお店の裏口に周ると、少年達にだけ10円で袋に一杯入れてくれました。裏口にはそんな暖かさがありました。でも今はお煎餅の生地の作り方や焼き方の技術が進み、壊れたお煎餅は少なくなってしまいました。

しかし、現在も老舗の名店が幾つもあり、熟練した職人の方が未だに手作りしているお煎餅の店もあります。バラ1枚当り50〜100円しますが、一枚一枚手造りの店もあるので納得の値段です。

映画やTVでお馴染み、「経栄山題経寺二天門」は帝釈様の入口

映画やTVでお馴染み、「経栄山題経寺二天門」は帝釈様の入口
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正面に見える門は二天門と云います。増長天と広目天という二天を安置してあるところから、そう呼ばれます。また富士山とも縁があり、帝釈様には観音菩薩坐像が鎮座していますが、元々は富士山頂の東賽ノ河原にあったと云われています。

正面の大きなお堂で拝む人が大勢いますが、ここは帝釈天堂といい本堂とは違いますが、御利益に違いはありません。また誰でもお堂に上がることが出来ますが、邃渓園(すいけいえん)と呼ばれる庭園などは有料地域となっています。

その庭園と帝釈堂と本堂を結ぶきれいに磨き上げられた廊下は、昔近所の子供たちの遊び場で、靴下を履いて助走してスゥーと滑ることが楽しみでした。映画の中で御前様が”最近寅も大人になった”と褒めているそばで、寅さんが同じ様に滑っているシーンがあります。

山本亭と寅さん記念館と山田洋次ミュージアムは御隣り同士

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帝釈様での参拝と見学を終えたら、海外でも日本庭園として評価の高い「山本亭」、そしてお馴染み「寅さん記念館」と「山田洋次ミュージアム」に立ち寄ってみましょう。

山本亭は今は寅さん記念館になった旧山本工場(カメラ部品製造)の社長自宅で、邸内には土蔵や防空壕、入口の長屋門は和洋折衷の「擬洋風建築」の趣があり、小振りな名庭園の縁側に座るとホッとする場所です。

寅さん記念館は、映画に因んだ様々な展示物や下町風情が楽しめる場所。入口の天井にいる寅さんは必見です。山田洋次ミュージアムも映画がお好きな方なら見逃してなりません。

寅さん記念館の上に登る階段とエレベーターがあります。上に登ると視界がパッと広がり、江戸川と河川敷の芝生の緑が眼に飛び込んできます。

木々に隠れて「矢切の渡し」、手前の広場は昔ゴルフ場だった!

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写真正面のこんもりとした木々の処が「矢切の渡し」です。葛飾柴又観光処となっていますが、正式には松戸が出発点です。なぜなら船頭の杉浦さんという方は、松戸市在住の方です。また、矢切の渡しの手前の広場になっている処は、昔ゴルフ場でした。

寅さんファンなら映画の第一作目のオープニングで、矢切の渡しに乗って柴又に帰ってきた寅さんが、今にもカップに入りそうなゴルフボールを拾い上げて、打ったプレーヤーに返すシーンを憶えていらっしゃるでしょう。それがこんもりとした木々の手前にあった、一番ホールのグリーンでした。

まだまだご案内したい観光処が目白押し!

柴又は川魚料理の名店がたくさんあります。河川敷のそばにある川甚は、寅さんの映画で妹のさくらと博が結婚式を挙げた料亭。川千家は門前通り帝釈様近くの名料理店、ゑびす屋は駅近くにある老舗です。

柴又七福神めぐりも人気があり、毎年お正月にはたくさんの人が御朱印を求めて地図を頼りにあちらこちらを歩きまわっています。矢切の渡しを松戸に渡り、川下方向に散歩していくと「野菊の墓」の観光スポットもあります。

駅近くの八幡神社の歴史は古く、6世紀後半に築造された前方後円墳?と思われる古墳があった場所で、帽子をかぶった寅さんそっくりの埴輪が出土して有名になりました。

他にも名所旧跡が目白押し、でも皆さんご自身で下町柴又をぶらっと歩くことをお勧めします。きっと皆さんの印象に残る懐かしい映画のワンシーンの舞台に出会ったり、皆さんの故郷に似た風景にたくさん出会う事が出来ると思います。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2016/08/08 訪問

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