緑豊かな東京・町田市「小山田緑地」で里山の動植物を探そう

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緑豊かな東京・町田市「小山田緑地」で里山の動植物を探そう

緑豊かな東京・町田市「小山田緑地」で里山の動植物を探そう

更新日:2016/08/21 20:08

鷹野 圭のプロフィール写真 鷹野 圭 首都圏自然ライター

多摩エリアから三浦半島にかけて連なる緑地帯、多摩・三浦丘陵。その北端付近に位置する小山田緑地は、深い雑木林と広い田畑、潤いに満ちた水辺を有する、総合里山公園ともいうべき自然豊かなスポットです。東京都の一角ながら都会の喧騒から離れ、四季を通じのどかな雰囲気の流れるこの緑地には、今や首都圏ではなかなか見られなくなった小動物や山野草が生息しています。緑地を散策しながら、里山の“命”の姿を見つめましょう。

40ヘクタール以上におよぶ「陰」と「陽」の広大な緑地

40ヘクタール以上におよぶ「陰」と「陽」の広大な緑地

写真:鷹野 圭

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小山田緑地は開園面積443,192.58平方m。計画地はこの3倍以上にもおよび、今後さらなる広がりが予定されています。冒頭にも書きました通り雑木林が中心となっているこの公園ですが、写真のように背丈の低い草原や、スポーツを楽しめる芝生広場(健康遊具もあります)などもあり、緑のバリエーションが豊富です。

薄暗くしっとりとした雰囲気のある雑木林と違い、草原は日当たりがよく見通しが利き、ピクニックなどにはうってつけです。まさに、陰と陽の両方の緑空間が広がる公園。そして、それぞれの環境には、それぞれの環境を好む生きものたちが暮らしています。山野草はその差が特に顕著。散策がてら、咲いている花の種類や形などを見比べてみるとなかなか面白いですよ。

園内に散りばめられた水場を巡り歩いてみよう!

園内に散りばめられた水場を巡り歩いてみよう!

写真:鷹野 圭

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小山田緑地には6つの池があります。
うち4つ、溜池・下池・上池・小山田の池は園内南東部の雑木林の中に固まっており、鬱蒼とした緑の中に静かな池沼が広がっています。結果的に広い水場となっているためか、獲物を求めてカワセミが現れることもしばしば。「チー」という鳴き声が聞こえたら、近くの枝などをチェックしてみましょう。

残る2つの池はそれぞれかなり離れた分園の中にあるので、サービスセンターで地図をもらい、随時確認しながら目指しましょう。写真はトンボ池。北西の大久保分園の中にあります。シオカラトンボやコシアキトンボなど、その名の通りトンボの数が多いほか、ミソハギという水場を好む植物が群生しており、夏場にはピンク色の長い穂のような形の花が咲いて非常に美しいです。

もう1つの池は、北端に位置するアサザ池。こちらも名前の通りアサザという水生植物が生えており、夏場には水面にレースのついた可愛らしい黄色い花を咲かせます。これら分園の2つの池は比較的開放的で日が当たりやすく、それゆえか昆虫や野鳥などの数も豊富です。畔の草地や樹木、足元など、色々な所に気を配ると、思わぬ“出合い”があるかもしれません。

林床に生える山野草たち。春〜秋にかけて目まぐるしく変化!

林床に生える山野草たち。春〜秋にかけて目まぐるしく変化!

写真:鷹野 圭

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森林を歩いていると、ほのかに日の差す半日陰の林床部に、様々な野の花が咲いているのを見かけます。写真は夏を代表する日陰の山野草 ギボウシ。その名の通り帽子のような形の花が連なって咲き、背丈も高いので薄暗い林の中では結構よく目立ちます。最近では園芸植物としても人気なので、街中でも栽培されたものを見るかもしれませんが、ここに生えているものはほぼ自生の模様です。

ほか、春であればイチリンソウやニリンソウ、そしてチゴユリなどの群生が人気。秋に入ればホトトギスやオミナエシなどが優しく緑地を彩ります。季節によって花の種類がガラリと変わりますので、春・夏・秋とそれぞれ訪ねてその差を比較してみるといいでしょう。

サービスセンターに寄ったら、建物脇の斜面も要チェック!

サービスセンターに寄ったら、建物脇の斜面も要チェック!

写真:鷹野 圭

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広い小山田緑地を散策するには、まず動植物の情報や地図が不可欠! 本園の北口付近にあるサービスセンターで季節の生きもの情報や案内図が入手できますので、初めは必ずここに立ち寄るようにしましょう。

同時にぜひチェックしてほしいのが、センターのすぐ脇に広がるなだらかな林床の斜面。柵に遮られて立ち入りは禁止されていますが、写真のヤマユリを始めとして季節の山野草が手厚く保全されています。人の立ち入りがなく、センターのスタッフさんなどがしっかりと管理しているためか、林道の通っている雑木林と比べても植生の密度が高く、より多くの花を見られます。柵があるために若干距離を感じますが、お手軽に季節の山野草の種類などを知ることができるので便利です。ここで季節の植生をある程度把握した上で、雑木林の散策に出かけるというのがおススメですね。

里山に息づく昆虫・野鳥・小動物たち

里山に息づく昆虫・野鳥・小動物たち

写真:鷹野 圭

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水と緑が織りなす里山環境は、まさに日本ならではの生きものたちの楽園であり、人と生きものの共存共栄の場でもあります。田んぼに目を向ければトンボやカエルが、草原にはバッタが、石の上には日向ぼっこするトカゲの姿が……。そして上空には野鳥が舞い、それらを捕食するタカの仲間も頻繁に飛来します。写真はオオカマキリの若い個体。奥に見えるのはサッカーや野球などを楽しむための運動場です。

夏場は昆虫やトカゲなどが主役ですが、紅葉期が終わり本格的な冬に突入すると野鳥の王国へと一変します。アオジやシジュウカラなどの小鳥から、オオタカのような猛禽類まで、多様な鳥が見られることでしょう。カメラや双眼鏡を持参し、散策がてらバードウォッチングをお楽しみいただけます。

今なおフィールドを広げつつある、至高の里山環境!

小山田緑地の計画面積は約146ha。これからさらに環境が整えられ、より大きくより密度の濃い緑地へと成長していくことでしょう。森から広い芝生に至るまで、大小の植物が織り成すジャンル多彩な緑環境は、東京ひいては首都圏でも屈指の貴重な空間です。昨今注目される、日本のかつての原風景“里山”。その姿をここでじっくりと見つめ、動植物の豊かさに触れてみてください。

【アクセス】
JR横浜線・小田急線「町田駅」より神奈川中央交通バス小山田行でバス停「大泉寺」下車後、徒歩8分。または多摩丘陵病院行でバス停「扇橋」下車後、徒歩8分。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/07/10 訪問

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