オリンピック発祥の地「ギリシャ・オリンピア」当時は全裸、女性禁制?!今に伝わるその精神とは?

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オリンピック発祥の地「ギリシャ・オリンピア」当時は全裸、女性禁制?!今に伝わるその精神とは?

オリンピック発祥の地「ギリシャ・オリンピア」当時は全裸、女性禁制?!今に伝わるその精神とは?

更新日:2016/08/10 17:06

竹内 あやのプロフィール写真 竹内 あや トラベルライター

四年に一度、国境を越えて人々を熱狂させるオリンピック。聖火ランナーたちによって運ばれてきた聖火が点灯台へと灯され、盛大に幕を開けます。以降、絶えることなく選手たちを見守るように燃え続ける聖火ですが、その“聖なる火”がどこから来るのかご存知ですか? 実は今でも古代オリンピック発祥の地、ギリシャのオリンピアで採火されているのです。

オリンピックの起源は?

オリンピックの起源は?

写真:竹内 あや

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いつ、どのようにして、オリンピックは始まったのか――。それには諸説あり、古代ギリシャの詩人ホメロスによれば、トロイヤ戦争で戦死したパトロクロスの死を悼んでアキレウスが始めたとのこと(写真:ギリシャの戦士アキレウスがトロイヤ側の王子ヘクトルと戦っている場面。死んで横たわっているのが無二の親友パトロクロス/アテネ国立考古学博物館所蔵)。

また、ギリシャ神話の英雄ヘラクレスの発案との説も。当時この地の君主だったオイノマオスとの戦車競走で、タンタロス(ゼウスの反抗的な息子)の息子ペロプスが勝利したことを称えて始めたとも言われています。

近代、最も現実的とされているのは、「戦いをやめ、競技会を開催してゼウスに捧げよ」とのアポロンの神託が起源との説。この神託を受けたある地方の王の呼びかけにギリシャ全土の統治者たちが賛同し、四年に一度はどんなことがあっても戦いを中止してオリンピアに集い、敵味方なく競技に没頭するようになったといいます。

会場へ入る者はみな、全裸に!?

会場へ入る者はみな、全裸に!?

写真:竹内 あや

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最高神ゼウスに捧げる競技会のため、不正は禁物。そのため、参加者だけでなく観戦者たちもみな、全裸にならなくては会場へと入場できませんでした。ゼウスが男神であるため、参加できるのは成人した男性のみ。参加者たちはまず、ゼウス神殿に設置されていた金と象牙で彩られた高さ13.5mもの巨大なゼウス像を訪れ、神聖を誓ったといいます。

現在、ゼウス像は焼失のため見ることはできませんが、今も残る神殿跡からその大きさを伺い知ることができます。紀元前470〜紀元前456年の間に完成したといわれる神殿は、アテネのパルテノン神殿に匹敵するほどの大きさ。その中央の台座にゼウス神が腰掛け、競技会の様子を見守っていたといわれています。

ちなみに巨大なゼウス像は、紀元前2世紀の旅行家フィロンにより、ギザの大ピラミッドやバビロンの空中庭園とともに「世界七不思議」のひとつに挙げられているほど。その存在は長年にわたり謎に包まれたままでしたが、1950年代にオリンピア遺跡跡から作者であるフェイディアスの仕事場が見つかり、実在していたことがわかりました。併設の博物館で、実際に像を作る際に使用した巨大な型などを見ることができます。

古代オリンピックの様子を今に伝える遺跡群

古代オリンピックの様子を今に伝える遺跡群

写真:竹内 あや

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オリンピア遺跡があるのはギリシャの首都アテネから西や約200km、スパルタやエピダヴロス、ミケーネなど数々の遺跡が点在し、“偉大なる田舎”とも呼ばれるペロポネソス半島の西部。人口1500人程度の小さな町で、観光地でありながらもリゾートエリアのような混雑はなく、ゆったりと滞在できるのが魅力的です。

町なかから徒歩圏内にある遺跡には、ヘラ、ゼウス神殿をはじめ、レスリングやピュジラと呼ばれる格闘技などが行われたパレストラ(闘技場)、参加者たちが宿泊したレオニデオン(宿泊所)、給水施設など、さまざまなものが残っています。アーケードを抜けると、メイン会場となったスタジアムへ。ここでは、短・中距離走や円盤投げ、槍投げ、戦車競走などの競技が行われていました。幅30m、長さ192mの大きさで、当時4万人もの人々を収容したと推測されています。

当時行われていた競技の様子は、オリンピア博物館をはじめ、ギリシャ各地の博物館に所蔵されている壺や皿の装飾、彫刻などに見ることができます。ほかにも、数々の奉納品が発掘されています。なかでも19世紀後半になって発見された、紀元前4世紀の彫刻家プラクシテレスによるヘルメス像は有名。こちらもオリンピア博物館に展示されています。

今もヘラの神殿で行われる採火の儀式

今もヘラの神殿で行われる採火の儀式

写真:竹内 あや

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近代、オリンピックで灯される聖火は、古代オリンピック発祥の地、オリンピアで採火。オリンピック開会式の数カ月前に遺跡群のひとつ、ヘラの神殿跡(→写真)で採火されます。鏡に太陽の光を当てることで火を起こし、トーチへと点火。その後、多くの聖火ランナーたちによってオリンピック開催地へと運ばれていくのです。

古代ギリシャ人にとって、火は神聖なものでした。ギリシャ神話によると、火は、知性の神プロメテウスが憐れな人間に同情し、神々のもとから盗んできたものとされています。結果、最高神ゼウスの怒りをかい、磔にされてワシに肝臓を突かれるという刑に処されてしまうのですが……(しかも、何度突かれても翌日には肝臓が蘇り、先の見えない苦痛を繰り返すという悲しい試練)。

以来、人間の暮らしは劇的に向上しました。プロメテウスのもたらしてくれた知恵が、現在の人間たちの世界を造り上げる源となったのです。その神聖なる“プロメテウスの火”が復活したのが、1928年のアムステルダムオリンピック。以降、オリンピックの象徴として、現在に受け継がれていると言われています。

最後に

戦いに明け暮れる日々から逃れ、ゼウス神が見守るなか、正々堂々と競技に励んだ古代ギリシャ人たち――。敵味方なく誰もが平等で、互いにたたえ合い、平和を象徴とするその精神は、近代オリンピックにも受け継がれています。

古代ギリシャから今へ伝わる世界の祭典、オリンピック。その発祥の地オリンピアを訪れると、古代も今も変わらない、人々の夢や思い、願いが垣間見えてきます。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2016/06/20−2016/06/22 訪問

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