写真:Lady Masala
地図を見るトレドは、首都マドリッドにあるアトーチャ駅より電車でわずか35分ほどの距離。電車がほぼ1時間おきに発着することから、日帰り旅行ができる場所としても人気です。高速バスでの移動も可能ですが、満席でない限りは電車を利用しましょう。その理由というのは、トレドの駅舎が素晴らしいからにほかなりません。
電車を降りた途端に目に飛び込んでくるクリーム色のレンガ造りの建物は、イスラム教とキリスト教の建築様式が融合したムデハル様式。その外観の美しさだけでも一見の価値がありますが、駅の構内に一歩足を踏み入れると、木目が美しい古い切符売り場の壮麗さに目を奪われます。イスラム風の馬蹄形の窓を彩るステンドグラスから差し込む明るい光、目を凝らすほどに精緻な文様が描かれた格天井、壁をカラフルに染めるモザイク。どれもこれもが美しく、ここから旅を始めることも忘れ、その素晴らしさに呆然としてしまうほどです。
写真:Lady Masala
地図を見る駅から街の中心である「ソコドベール広場」までは、徒歩で20分ほど。豊かに流れるタホ川に架かる「アルカンタラ橋」は、旧市街の入り口です。その橋から眺めるのは、現在は戦争博物館となっている堂々たる「アルカサル」。城壁に囲まれたその景観は、中世の姿を今にとどめています。
「旧市街」には、迷路のような路地がいくつも続いていいます。あちらこちらに見られる歴史的建造物を眺めながら、土産物店をひやかしながら、気になる小路を見つけたなら、迷わずそこに入ってみましょう。ひっそりとたたずむ古い教会や、思いがけなく顔をのぞかせる大聖堂。どの小路にも小さな発見や驚きがひそんでいるはずです。目的を決めず、気ままにそぞろ歩きすることこそが、トレドを旅する楽しみといえるでしょう。
写真:Lady Masala
地図を見るここトレドには、スペイン・カトリックの総本山として知られる「サンタ・マリア・デ・トレド大聖堂」があります。160年の歳月をかけて完成されたゴシック様式の大聖堂には、22もの礼拝堂がありますが、主礼拝堂を飾る黄金の祭壇のきらびやかさには、思わず息をのみます。キリストの生涯を描いたという20余りの木彫を見ずしてトレドを語ることはできないでしょう。また、ゴシック建築に特徴的なリブ・ヴォールトとよばれる天井のアーチの稜線も見逃せません。
聖器室には、トレドで活躍したギリシャ生まれの画家、エル・グレコ初期の作品であり、当時は斬新であったその作風から問題視された「聖衣剥奪」があります。キリストを取り囲む群衆の頭がキリストよりも上に描かれていること、聖書に記述のない聖母マリア、マグダラのマリア、小ヤコブの母が描かれていることから異端とみなされたのだとか。
その他にも、主礼拝堂の裏手にある「トランスパレンテ」とよばれる大理石で作られた聖母像、精緻な彫刻が施された聖歌隊席など、広い大聖堂には、見どころがたくさんあります。トレド観光のハイライトともいえる大聖堂。時間をかけてじっくりと見学をしたいものです。
写真:Lady Masala
地図を見る美しいトレドの風景を思う存分に眺めたいのなら、ソコドベール広場から発着する観光用のミニバス「ソコトレン」に乗りましょう。タホ川に沿って旧市街の外側をおよそ40分かけて周ります。特等席は最後車両の右側の座席。右手に広がるトレドの絶景と、後ろから迫ってくる風景を誰にも邪魔されずに写真に収めることができます。
ミニバスはトレドの街並みを一望できる展望台で10分間ほど停車します。この間に、エル・グレコが愛して止まなかったという美しい街並みを背景に記念撮影。どの角度から見ても美しいトレドの風景。その姿を目に焼きつけ、いつまでも覚えていたいものです。
3つの文化が融合し、異国情緒あふれる中世の趣を今に残すトレド。城壁に囲まれたその小ぢんまりとした街は、歩いて回るにはちょうどよい大きさです。
どの道をたどっていても見つかる路地に迷い込み、思いがけなく顔を出すイスラム風の古い建物を眺めているだけで、あっという間に時間が過ぎてゆきます。
首都マドリッドから電車でおよそ35分という立地条件から、日帰り旅行に人気の場所ですが、できるなら泊りがけで滞在し、存分に街歩きを楽しんでみてください。
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(2023/11/29更新)
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