ラピュタの神殿!奈良・天空の城「高取城跡」&五百羅漢岩へハイキング

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ラピュタの神殿!奈良・天空の城「高取城跡」&五百羅漢岩へハイキング

ラピュタの神殿!奈良・天空の城「高取城跡」&五百羅漢岩へハイキング

更新日:2017/09/04 11:11

澤 慎一のプロフィール写真 澤 慎一 放送局ディレクター

日本古代史のミステリースポット、奈良県明日香村。この近くに、山上に築かれた天空の城「高取城跡(址)」(奈良県高取町)があります。日本三大山城のひとつで、日本最大の山城。天守閣などの建物は明治時代に取り壊されたものの、美しく積み上げられた壮大な石垣が今も山中に数多く残り、スタジオジブリの人気アニメ「天空の城ラピュタ」に出てくる神殿のよう。謎の五百羅漢岩から高取城跡へのハイキングコースをご紹介します。

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滅びの美学!あふれ出るラピュタ感!奈良県・天空の城ラピュタ「高取城跡」

滅びの美学!あふれ出るラピュタ感!奈良県・天空の城ラピュタ「高取城跡」

写真:澤 慎一

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雲海に浮かぶ神秘的な風景で人気の観光スポットとなった天空の城「竹田城跡」(兵庫県朝来市)。これに対し、奈良の天空の城「高取城跡」は木々に囲まれ、天守閣跡からの眺めはイマイチですが、整然とした壮大な石垣が美しく、巨木が石垣の合間から生え、ジブリアニメの「天空の城ラピュタ」の神殿をイメージさせます。

滅びの美学!あふれ出るラピュタ感!奈良県・天空の城ラピュタ「高取城跡」

写真:澤 慎一

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高取城は、高さ約600メートルの山頂に築かれた山城。麓の城下町と天守閣の高低差が400メートル以上もあり、城壁に囲まれた部分(城内)は約3キロ、城の大きさ(城郭)が約30キロメートルという、想像を絶する日本一の山城です。

人間に見捨てられた後も、石垣は荘厳にそびえ、巨木が廃墟を包み込み、神秘的な生命力に満ちあふれています。かつての栄華は遠く、はかなくも美しく、「廃墟の美しさ」「滅びの美学」「あふれ出るラピュタ感」がハンパではありません。

滅びの美学!あふれ出るラピュタ感!奈良県・天空の城ラピュタ「高取城跡」

写真:澤 慎一

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高取城は約600年の歴史を持ち、かつては山中に白塗りの天守閣や櫓(やぐら)が建ち、その姿は雪の美しさにたたえられました。建物は一つも残っていませんが、苔むした壮大な石垣が残り、新緑や紅葉に映えて美しく、ハイキングにおすすめの観光スポットです。

高取城へのハイキングコースは階段や案内板が設置され、アップダウンが少なく、お城マニアや廃墟マニアでなくても、新緑や紅葉など手軽に自然と親しむことができるのが魅力。ただ、「虫・蛇に注意」という看板があり、7月〜8月や厳冬期を避けた時期をおすすめします。

奈良の天空の城「高取城跡」へのアクセス、行き方、駐車場は?

奈良の天空の城「高取城跡」へのアクセス、行き方、駐車場は?

写真:澤 慎一

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高取城跡へのハイキングは、壷阪寺から東に進むルート(徒歩約50分)と、「高取町観光協会 夢創舘(むそうかん)・くすり資料館」から南東に進むルート(徒歩約90分)があります。

駐車場は壷阪寺、夢創舘横および児童公園付近を利用されると良いでしょう。壷阪寺から高取城跡へは道がありますが、たいへん狭く、駐車スペースも数台なのでおすすめできません。

奈良の天空の城「高取城跡」へのアクセス、行き方、駐車場は?

写真:澤 慎一

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高取城跡へのアクセスでおすすめのルートは、「壷阪寺〜五百羅漢〜八幡神社(簡易トイレあり)〜高取城跡」というハイキングコース(約3キロメートル)。最短コースで手軽に、高取城跡の見どころを巡ることができるからです。

壷阪寺まではクルマか、バス(近鉄電車吉野線「壺阪山駅」から奈良交通バス「壺阪寺前」下車)を利用。五百羅漢を見学し、標高差200メートルほどの山道を歩き、高取城跡周辺(猿石、国見やぐら跡など)を散策し、帰りは壷阪寺を参拝されてはいかがでしょうか?

奈良の天空の城「高取城跡」へのアクセス、行き方、駐車場は?

写真:澤 慎一

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写真は、「大手門(御城門)」跡。高取城へ進む道はすべてここで合流します。なぜなら、大手門は「二の丸」「本丸」へ進む唯一の入り口。道は曲がりくねり、これは敵の侵入を阻むため。高取城は、戦いで一度も敗れたことがありません。まさに、「難攻不落」の山城です。

美しい石垣!高取城の「二の丸」「本丸」はラピュタの神殿

美しい石垣!高取城の「二の丸」「本丸」はラピュタの神殿

写真:澤 慎一

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写真の手前が「二の丸」。奥に見える巨大な石垣が「本丸」です。「二の丸」は日当たりが良く、かつては藩主の屋敷があった場所。「太鼓櫓」「新櫓」の石垣跡も見ごたえがあります。

美しい石垣!高取城の「二の丸」「本丸」はラピュタの神殿

写真:澤 慎一

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写真は、天守台の一部。本丸を守る強固な石垣の上に、3層の天守閣がそびえていました。高取城は幕末まで使われていましたが、明治新政府になると廃城に。

美しい石垣!高取城の「二の丸」「本丸」はラピュタの神殿

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美しくそろった石垣。石が接する部分を平らに加工し、これを積みあげる「打込み接ぎ(うちこみはぎ)」という方法が使われています。関ヶ原の戦い以降に見られる方法で、急こう配の石垣が可能に。

しかし、見どころは角の部分。天守閣を支える石垣は、角の部分が壊れやすく、強度を増すために「算木積み(さんぎづみ)」という方法が使われています。石を細長く加工し、石の長辺と短辺を交互に重ね合わせる方法。写真を見ると、「幅が長い石」と「幅の短い石」が交互に積み上がっているようすがわかります。

猿石も必見!難攻不落、戦うための城!天空の城「高取城」

猿石も必見!難攻不落、戦うための城!天空の城「高取城」

写真:澤 慎一

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取城の始まりは、14世紀の南北朝時代。南朝側が吉野を守るための砦として築かれました。16世紀に豊臣秀長(豊臣秀吉の異父弟)の家臣、本多正俊(ほんだ・まさとし)が本格的に整備。さらに、17世紀の江戸時代に大規模な増築が行われました。

猿石も必見!難攻不落、戦うための城!天空の城「高取城」

写真:澤 慎一

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写真は、天守閣があった本丸。木々が生い茂り、眺望は良くありませんが、木の合間から吉野の山並みを見ることができます。高取城は、眺望を楽しむのではなく、戦うための城。関ケ原の戦いでは西軍の石田三成から猛攻を受けても、東軍の本多側はこれを撃退。江戸末期には、幕府に反旗をひるがえす天誅組約1000人から襲撃されましたが、わずか約200名の守備隊で守り切りました。

猿石も必見!難攻不落、戦うための城!天空の城「高取城」

写真:澤 慎一

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二ノ門に置かれた「猿石(さるいし)」も、高取城跡の見どころの一つ。7世紀の飛鳥時代に作られました。飛鳥時代の遺跡を高取城の石垣に使っていたとの研究もあり、この「猿石」は明日香村から持ち運ばれ、城を守護するために置かれたと言われています。また、国見やぐら跡は大和三山が見渡せる絶景スポットなので、こちらもぜひご覧ください。

壷阪寺の奥の院「五百羅漢岩」もおすすめ!静かな祈りの聖地

壷阪寺の奥の院「五百羅漢岩」もおすすめ!静かな祈りの聖地

写真:澤 慎一

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おすすめのハイキングコースで、もう一つの見どころが「五百羅漢岩」。むき出しの岩に、数えきれないほどの石仏が彫られています。「壷阪寺(つぼさかでら)」の奥の院となる聖地。壷阪寺の裏手にあり、高取城に向かうハイキングコースの途中にあります。

壷阪寺の奥の院「五百羅漢岩」もおすすめ!静かな祈りの聖地

写真:澤 慎一

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これらの五百羅漢像は、16世紀に高取城を本格整備した本多正俊が石工に命じて作らせたと言われています。「奥の院三尊」「千像如来」「護法大黒」「五百大神」「十三体」といった数多くの磨崖仏(まがいぶつ)。それぞれに表情が違い、心を込めて作られたことがわかります。

壷阪寺の奥の院「五百羅漢岩」もおすすめ!静かな祈りの聖地

写真:澤 慎一

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五百羅漢というのは、仏教の開祖ブッダ(釈迦)に仕える500人の弟子のこと。日本では、戦災など多くの人命が失われたときに五百羅漢が作られました。風雪に削られ、ほとんどお顔が見えない石仏が多く、ひっそり静かな祈りの聖地。心にグッと響くものが感じられることでしょう。壷阪寺は、眼病封じのお寺で、インドで制作された巨大な大観音石像も見ごたえがあります。

アンコール・ワット、万里の長城、マチュ・ピチュ、チチェン・イッツァ、アユタヤにも匹敵!奈良・高取城

いかがだったでしょうか?作家の司馬遼太郎は高取城跡を見た時、「最初にアンコール・ワット(カンボジア)に入った人の気持が少しわかる気がする」と話しています。

高取城の壮大な石垣は誇り高く、万里の長城(中国)やマチュ・ピチュ(ペルー)、チチェン・イッツァ(メキシコ)、アユタヤ遺跡(タイ)など、世界の名だたる古代遺跡にも匹敵するスケール。奈良の天空の城「高取城」で、時空を超えた旅のロマンを楽しんでみてはいかがでしょうか?

なお、高取城は日が暮れると、実に不気味。「あなたの知らない高取城」など、奈良のミステリースポットについては別途、記事にまとめていますので、ご興味のある方は関連MEMOに貼り付けたリンクからのぞいてみて下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/08/06 訪問

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