写真:かのえ かな
地図を見る孔子廟へ行く前に、まずはチケット売り場の右手にある池に注目してみましょう。池には碧水橋(へきすいきょう)という石造りの橋が架かっており、その奥に、れい星門という石造りの門があります。この門こそが、孔子廟へ続く大門(正門)です。ちなみにれい星門は、日本の鳥居の原型ともされています。
池にはたくさんの鯉が泳いでおり、チケット売り場で販売しているエサ(210円)をあげることもできます。中国風庭園の散策が楽しめるエリアです。
写真:かのえ かな
地図を見るれい星門の正面に立つ華やかな門が、儀門(ぎもん)です。孔子廟へ続く内正門となっており、いわゆる正面玄関にあたります。色鮮やかな建築様式は、中国華南と華北地方の建築方式が合体した伝統美によるものです。
門が閉じられているのは、儀門の通行は神様と皇帝しか許されていないため。元来、中国の廟では門戸は三か所以上の奇数をもってつくられ、その中央は神様と皇帝の通行以外は閉じられています。この伝統にならって、二の門にあたる儀門も神聖な門として平常時は閉ざされているのです。
写真:かのえ かな
地図を見る儀門の奥にある厳かな建物が、孔子廟正殿である大成殿(たいせいでん)です。この木造による神殿は、1893年(明治26年)に清朝政府と在日華僑によって建てられ、原爆の衝撃にも耐えました。
建物入口にある幕には「有教無類」と書かれています。これは、「教えありて類無し」と読み、身分を問わず学ぶことを望む人は誰でも入門できること、そして教育によって人はどんな風にもなり得ることを意味しています。
さらに「大成殿」と書かれた扁額の下には、白い鳩が何羽もいます。この鳩達は、言うことを聞かない悪い生き物の象徴です。そんな鳩でも平等に学ぶことができるということが表現されています。
奴隷制社会においても平等に教育を受けることの大切さを説いた、孔子メッセージを体感できる貴重な文化財です。
写真:かのえ かな
地図を見る大成殿に入ると、2メートルの高さを誇る、孔子座像が祀られています。長崎孔子廟の孔子座像は、孔子の生まれた地である曲阜(きょくふ)で御霊入れされたもので、座像としては日本一の大きさとなります。
釈迦やソクラテス、キリストとともに世界の四代聖人と呼ばれている、孔子。聖人が世に出ると現れるとされる中国古来の想像上の端獣・麒麟が孔子座像の左右に鎮座しています。
孔子は学問の神様としても有名なので、受験生をはじめとした学生たちの参拝も多くみられます。
写真:かのえ かな
地図を見る大成殿の左右にある廻廊には孔子の教えをよく学んだ高弟72賢人の石像があります。石像はすべて、史実に基づき北京の美術工場で彫刻されたものです。大きさは等身大となっており、重量は1.8トンにもなります。
72賢人はみな、六芸(礼儀、音楽、書道、数学、弓、馬車の運転)に通じた人たちとされています。男性なら自分にそっくりな顔の賢人が見つかるかもしれません。女性ならお父さんやお祖父さんにそっくりな顔が見つかるといわれています。ぜひ、じっくり探してみましょう。
長崎孔子廟の見どころはいかがでしたか?孔子廟を訪ねたら、ぜひ大成殿にある「孔子おみくじ」も引いてみましょう。
神社仏閣のおみくじが元三慈恵大師良源上人(天台宗の僧侶)を開祖としているのに対し、孔子おみくじは陰陽五行によって占います。そのため運勢の種類が少し変わっていて、「上吉」というのがあるのです。
運勢の良さでは上吉は大吉の次にあたりますが、レア度で言ったら上吉を引き当てたいところ。旅の思い出にぜひ、運試しをしてみてくださいね。
なお、中国歴代博物館は撮影禁止エリアのためこちらで紹介できませんでしたが、中国国宝級品が常時展示されているので、こちらもぜひ行ってみましょう。
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(2024/10/15更新)
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