写真:かとう とも
地図を見る毎年沢山の人が参拝に訪れる、世界遺産の「厳島神社」から弥山の方向に5分ほど坂道を登った場所にある、宮島最古の寺院「大聖院」は、空海(弘法大師)が開いたとされる、とても格式の高い寺院です。
平家一門、足利将軍家、豊臣秀吉、伊藤博文などの歴史上の偉人や、鳥羽天皇や明治天皇などの皇室の方々をはじめ、2006年にはなんとダライラマ法王も大聖院に足を運んでいます。
そんな大聖院の入り口には二体の仁王像が睨みをきかせている「仁王門」があり、仁王門をくぐると「御成門」まで長い石段が続いています。ここで石段を登りながら是非やってほしいのが、真ん中の手すりに取り付けられている摩尼車(マニ車)を回す事。
摩尼車というのはチベット仏教で用いられる仏具で、摩尼車を1回転回すごとにお経を1回唱えるのと同じ功徳を得られると言われています。長い石段を登りながら全ての摩尼車を回すと、御成門に着く頃にはお経をかなり多く唱えたのと同じぐらいのご利益がいただけます!せっかく付いている摩尼車なので、回さなきゃ損!!是非回しながら登りましょう。
また、階段を登りながら左手を見下ろすと、帽子をかぶった可愛い「五百羅漢」がずらりと並んでいます。この500体の石像は皆表情が違い、ユニークでとても面白いです。階段の最後には「鐘楼」があり、鐘をつくこともできます。石段を登るだけでこんなに楽しい寺院はなかなかないですよね。
写真:かとう とも
地図を見る御成門をくぐったら、まず参道を歩いて真っすぐ目の前にある本堂の「勅願堂」へ行き、豊臣秀吉が奉納した本尊の「波切不動明王」を参拝に行きましょう。お不動様の周りに並んでいる「百体不動」と「千体不動明王像」の姿は圧巻です。
本尊へのお参りが済んだら次は御成門の右手にある「観音堂」へ。チベット密教の僧によって作られた「砂曼荼羅」や金色に輝く「弥勒菩薩」も美しいのですが、是非体験していただきたいのが「戒壇めぐり」。堂の地下へと続く階段を下りると真っ暗闇が待っていて、左手で壁を触りながら手探りで前に進んで行きます。
前に進んで行くと、通路の壁にぼんやりと観音様が浮かんでいる場所があるので、手を合わせてお参りして行きます。右も左もわからない暗闇の中を手探りで進んで行くのは、非常に不安で怖いですが、自分を顧みて罪を払う精神修行になり、出口へたどりつき光を浴びると、これまで得た事のないような幸せな気持ちになります。
写真:かとう とも
地図を見る境内の奥、本堂の裏手の石垣の上にある「大師堂」。弘法大師・空海を祀っているのですが、ここにも見どころが盛りだくさん。まずは正面にいる目だけが見えている弘法大師像に参拝。全てを見透かされているような鋭い視線に、ものすごいパワーを感じます。
弘法大師像の参拝が終わったら、裏手にまわって「一願大師」にお参りして行きましょう。この一願大師は一つだけ願いを叶えてくれるお地蔵様で、周りには沢山の人たちの願い事が書かれている絵馬がギッシリと吊り下げられています。お願いしたい事がいっぱいありすぎて、一つに絞るのは案外難しいもの。さあ、あなたの大切な願い事を1つだけ選び、お願いしてみましょう。
写真:かとう とも
地図を見る四国にある88ヶ所のお寺を参拝して歩くお遍路参り。総行程1,400Kmを1〜2ヶ月という大変な日数をかけて歩いて回るのですが、このお遍路参りをしたのと同じぐらいのご利益があると言われている場所が、大師堂の石の下の洞窟の中にある「遍照窟」。
薄暗い洞窟の中には四国八十八ケ所の仏像がずらりと並んでいます。像の前の足下にはそれぞれ四角いプレートがあって、そのプレートの下に各寺院の砂が埋められています。入り口から入り、順路通りに88体の像の前に立ちプレートの上に載って参拝すると出口にたどり着き、お遍路参りをしたのと同じご利益が得られるのです。
四国に行かずともできてしまうお遍路参り。せっかっく大聖院を訪れるのなら、「遍照窟」での参拝も忘れずに行いたいですね。
写真:かとう とも
地図を見る本堂の右奥の急な階段を登るとたどり着ける美しい建物の摩尼殿。弥山の守護神 三鬼大権現が祀られていて、健康・長寿などを願う参拝者が多く訪れます。
摩尼殿では三鬼大権現を参拝したら、そのまま帰らずに是非2階に登ってみましょう!2階の部屋には黄金の煌びやかな千体阿弥陀仏が整然と並んでいて、圧倒されてしまいます。そしてこの部屋の窓から見る景色は、秘密の絶景ポイント!厳島神社の千畳閣や五重塔、海、山が全部見渡せます。
記事では全部紹介できませんでしたが、大聖院は他にも見どころ満載です。自分の身体の悪いところと同じところを撫でると治癒すると言われている「撫で仏」や、愚痴を聞いてくれる「愚痴聞き地蔵」、柄杓で水をかける「水掛地蔵」、触ると福がやってくる「目だしダルマ」、3回まわして自分の罪や煩悩をすりつぶす巨大な「大摺粉木(大すりこぎ)」、包丁に感謝して調理した霊を供養する「包丁塚」など、ご利益のあるものが本当にいっぱいで、飽きる事なくあっという間に時間が経ってしまいます。
また、11月の紅葉のシーズンには境内が赤いもみじに囲まれて、1年で最も美しい時期を迎えます。「大聖院もみじ祭り」も開催され、ダライラマ法王開眼のチベット仏の公開などのイベントも行われます。
宮島まで行って、厳島神社を参拝しただけで帰ってしまうのは本当にもったいない!大聖院にも是非足を運んで見て下さいね!
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(2024/3/19更新)
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