スペインの古都「トレド」で教会めぐり 異文化が融合するエキゾチックな空間

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スペインの古都「トレド」で教会めぐり 異文化が融合するエキゾチックな空間

スペインの古都「トレド」で教会めぐり 異文化が融合するエキゾチックな空間

更新日:2016/10/03 12:14

Lady Masalaのプロフィール写真 Lady Masala 学芸員資格

かつては、イスラム教、キリスト教、ユダヤ教が共存して繁栄した古都「トレド」。現在でも街のいたるところで、当時の面影を垣間見ることができます。
首都マドリッドから電車で約35分という便利な立地条件から、日帰りで訪れる観光客に人気の場所ですが、時間が許すのであれば宿泊して、じっくりと観光する価値があります。イスラム教の影響を色濃く残す教会をめぐって、エキゾチックなトレドを満喫しましょう。

トレドに現存する最古の建物「クリスト・デ・ラ・ルス」

トレドに現存する最古の建物「クリスト・デ・ラ・ルス」

写真:Lady Masala

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「中世で歩みを止めた街」とも「街全体が博物館」とも評されるその街並みは、「古都トレド」として世界遺産に登録されています。城壁に囲まれた旧市街にある建物の多くは、イスラム教とキリスト教の建築様式が融合したムデハル様式です。

「クリスト・デ・ラ・ルス」は、トレドに現存する最古の建物。10世紀にモスクとして建てられましたが、その後はキリスト教の教会として使用されました。この建物には、興味深い伝説が残されています。

カスティーリャ国王アルフォンソ6世がこの建物を通り過ぎようとした時、家来の馬が突然跪きました。辺りを見回すと、壁の中からランプに照らされたキリスト像が見つかったのだとか。この伝説によりこの教会は、「光のキリスト教会(クリスト・デ・ラ・ルス)」とよばれるようになったのです。

イスラム風のパティオからは、赤みを帯びたレンガ造りの建物が特徴的なトレドの街並みを一望することができます。

かつてのシナゴーグ「サンタ・マリア・ラ・ブランカ教会」

かつてのシナゴーグ「サンタ・マリア・ラ・ブランカ教会」

写真:Lady Masala

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「サンタ・マリア・ラ・ブランカ教会」は、もともとは13世紀に建てられたムデハル様式のシナゴーグ(ユダヤ教会)です。ユダヤ博物館となっている「トランシト教会」とならび、トレドに現存するシナゴーグのひとつです。

イスラム風の馬蹄形アーチとそれを支える八角形の列柱が等間隔でならぶその白い空間には、エキゾチックで神秘的な空気が流れます。イスラム教徒の手によって建てられたシナゴーグでは、ユダヤ教徒による礼拝が行われていました。12世紀から13世紀にかけてのトレドでは、3つの宗教が共存した平和な時代がありました。

しかし、シナゴーグは、15世紀にユダヤ人が追放された後にキリスト教会として使用されることとなりました。イスラム教徒による支配、レコンキスタ、ユダヤ人迫害と追放。ここ「サンタ・マリア・ラ・ブランカ教会」は、まるでトレドのたどった複雑な歴史を象徴しているかのようです。

回廊と格天井が美しい「サン・フアン・デ・ロス・レイエス教会」

回廊と格天井が美しい「サン・フアン・デ・ロス・レイエス教会」

写真:Lady Masala

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サン・フランシスコ会の教会、修道院として15世紀後半に建てられた「サン・フアン・デ・ロス・レイエス教会」は、ゴシック様式とムデハル様式が融合してつくられたというスペイン独自のイザベル様式の建物です。

南国の強い太陽が照りつけるパティオには、たわわに実をつけるオレンジの木。それを取り囲む回廊には、外の明るい光が差し込み、静謐で神聖な雰囲気が漂います。
1階の簡素なゴシック様式の天井と、カスティーリャとレオン王国の紋章が施された2階部分を飾る豪華絢爛な格天井の対比も見逃せません。

回廊にある小さな入口に続くのは、広々とした礼拝堂。キリストの生涯を描いているという祭壇屏風、それを取り囲むように彫られた白亜の浮き彫りの壮大さには目を見張るばかりです。しばし立ち止まり、その美しさを目に焼きつけたいものです。

エル・グレコの傑作を所蔵する「サント・トメ教会」

エル・グレコの傑作を所蔵する「サント・トメ教会」

写真:Lady Masala

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14世紀に建てられたというムデハル様式の塔を持つ「サント・トメ教会」。この教会は、16世紀に描かれたエル・グレコの傑作「オルガス伯爵の埋葬」を所蔵していることで知られています。

エル・グレコは、ギリシア領クレタ島出身の画家で、イタリア、スペインと渡り歩き、ここトレドを終の棲家としました。そのグレコの最高傑作ともいわれる「オルガス伯爵の埋葬」は、同教会の復興のために多額の献金を残した伯爵が亡くなった際に、トレドの守護神聖アウグスティヌス、聖ステファヌスが天井から降りてきて、伯爵の亡骸を棺に納めたという伝説に基づいて描かれたといいます。

カンバスには、天上と地上の二つの場面が描かれていますが、地上で伯爵の葬儀に参列する人々は、地元の著名人たちなのだとか。興味深いことに、最前列の左端にはグレコの一人息子であるホルヘ・マヌエルが描かれています。そして、参列者の右から6番目には、グレコ自身の姿も。この時代の流行なのか、男性は皆同じような口ひげを生やしているため、誰もが同じような顔に見えますが、ここで一息、グレコ探しに興じてみてはいかがでしょうか。

7つの観光施設で使用できる「プルセラ・トリスティカ」

7つの観光施設で使用できる「プルセラ・トリスティカ」

写真:Lady Masala

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トレドで教会めぐりをするなら、先にご紹介した4つの教会を含む7つの観光施設で使用できる旅行者用の赤いブレスレット「プルセラ・トリスティカ(ツーリスト・ブレスレット)」がお得です。最初に入場する施設で購入しましょう。ブレスレットを身に着けている限り、指定の施設に何度でも入場することができます。

有効期限は特に定められていませんが、腕から外してしまうと無効となるので注意しましょう。防水加工が施されているうえに、しっかりと糊づけされますので、数日の旅行期間中にはがれる心配はほとんどありません。

エキゾチックで歴史ある街「トレド」

トレドの旧市街には、迷路のような路地が無数に続いています。そこに迷い込んだ時、思いがけなく姿を見せる教会があれば中に入ってみましょう。トレドには、小さいながらも歴史ある美しい教会が数多く存在します。

小ぢんまりとしていながらも見どころいっぱいのトレド。のんびりと気の向くままに散策することで、エキゾチックで趣のある街の魅力を感じることができるはずです。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/08/01−2016/08/04 訪問

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