写真:浅井 みら野
地図を見るトゥルネー(Tournai)散策は街の中心地にある広場、グラン=プラス(Grand Place)から始めましょう。17世紀に建設されたルネサンス様式の織物ホール(Halle aux Draps)はじめ、趣ある建物が広場の周りを囲んでいます。土日には古本市など街の催しが開かれたり、オープンテラスのレストランも多くあったりと賑やかなエリアです。
ベルギーで一番古い街の歴史は、西暦元年にまで遡ります。ドイツ・ケルンからフランス・ブローニュを繋ぐローマ街道の影響を受け、古代ローマ時代に街として誕生。その後、領土争いが激しいヨーロッパで、フランス、イギリス、スペイン、オーストリアなど領主国が7回代わり、1830年ベルギー建国と共にベルギーの都市になりました。
写真:浅井 みら野
地図を見るグラン=プラスから徒歩3分、街のシンボルであるノートルダム大聖堂(Cathedrale Notre-Dame)はトゥルネーが保有する世界遺産の1つです。高さ83m、全長134mの巨大建築物で、中心に建つ5つの塔からは威厳さが感じられます。また、鮮やかなバラ窓のステンドグラスも美しいですよ。
面白いのが、ここの建築様式。12〜13世紀に築かれた大聖堂は、内部それぞれにロマネスク様式(写真)とゴシック様式の部分があるのです。全然似てない2つの建築様式ですが、見事に1つの大聖堂を造り上げています。本来どちらかの建築様式で統一されることが多いので、とても貴重かつユニークな大聖堂なんですよ。
写真:浅井 みら野
地図を見るグラン=プラスとノートルダム大聖堂の中間に、ベルギーで最古の鐘楼(Beffroi)がひっそりと佇んでいます。12世紀に建設され、現在の高さは72m。内部の鐘は時を刻むだけでなく、火事や侵略への警報を鳴らしたり、鐘楼も見張り台として使われたりなど、長い歴史のなかで、その時々の用途に応じ、街を守り続けてきました。
現在では、街の重要な観光地として活躍中。上部の展望台は有料で行くことができ、257段の階段を上ればトゥルーネの街を一望できます。1999年には、ノートルダム大聖堂とは別の世界遺産(ベルギーとフランスの鐘楼群)としても登録されました。
写真:浅井 みら野
地図を見る領主国が何度も代わる中、街として存続できた理由のひとつにタペストリーが挙げられます。15-18世紀、トゥルネーはタペストリー生産の黄金期として栄えていました。グラン=プラスに面した建物には、様々な職業を象ったタペストリーが飾られています。中世の雰囲気が感じられるデザインで、思わずひとつひとつをじっくり見てしまいますね。
もう少しご興味のある方は、タペストリー織物博物館(Musee de la Tapisserie et des Arts du Tissu)がお勧め。タペストリーや織物に関する常設展に加え、修復や製作の場面も見学することができます。
写真:浅井 みら野
地図を見るお腹が空いたら再度グラン=プラスへ。ベルギー料理やハンバーガーショップなど複数のレストランがオープンテラス席を設けており、空の下で開放的なお食事をお楽しみ頂けます。驚くことにトゥルネーは、住民ひとりあたりの飲食店の数がベルギーで最多を誇っているのです。
特にお勧めなのがフライドポテト。ベルギーではフリッツ(Frietjes)と呼ばれ、専門店があるほど大人気なソウルフードです。一本一本が太く、外はサクサク、中はしっとりの食感はやみつきになること間違いなしです。同じくベルギー名物のビールと共に召し上がれ。
世界遺産やタペストリー関連が街のシンボルとなっていますが、それ以外にもお勧めなのがポン・デ・トゥロー(Pont des Trous)。トゥロー橋とも呼ばれ、13世紀に築かれた石造りの橋です。街の中心部を流れるスヘルデ川(L’Escaut)に架かっており、当時は街を外敵から守る壁の役割も担っていました。
トゥルネーはブリュッセルから電車(IC)で約1時間と日帰りでも訪れることができ、街の大きさも歩いて回るのに丁度良いサイズです。2000年の歴史で培われてきた建築、文化が今でも大切に保存されている、穏やかで落ち着いた素敵な街ですよ。
この記事の関連MEMO
- PR -
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/10/12更新)
- 広告 -