写真:大宮 つる
地図を見るさいたま市岩槻にある「岩槻郷土資料館」は、岩槻城をはじめとした岩槻の民俗・歴史を伝える資料館です。
“郷土資料館”といったらあらゆる地域にあり、決して珍しいものではありませんが、岩槻郷土資料館の最大の特徴は、なんといっても「岩槻警察署旧庁舎」を利用しているという点にあります。こちらの建物は、1930(昭和5)年、昭和恐慌の真っただ中に建てられた鉄筋コンクリート造り。当時の岩槻では、初めての鉄筋コンクリートの建物だったとか。
建物の外観で注目すべきは、窓です。窓を見てみると“鉄格子”がつけられており、警察署の名残が感じられることでしょう。また、その中にはアーチ型の窓もありますが、外国の建物の影響が感じられるものとなっています。
写真:大宮 つる
地図を見るそんな岩槻郷土資料館ですが、歴史的建造物として一定の評価を受け、2016年7月に国の有形文化財に登録。岩槻の歴史を学べるだけでなく、歴史的建造物の外観・内部も見学できるというのが大きな魅力と言えます。
写真:大宮 つる
地図を見る岩槻郷土資料館の展示物は、大きく3本柱となっています。
1つ目は、「岩槻城」など岩槻に関する歴史的な資料。
2つ目は、国指定史跡「真福寺貝塚」、岩槻地域で出土した土器・石器など。
3つ目は、岩槻地域の農村や城下町の生活の様子、使用された民具など。
ちなみに岩槻城は、江戸城を築城した太田道灌公が築いたと言われています。太田道灌ファンの方にとっては垂涎の資料でしょう。
写真:大宮 つる
地図を見るこちらの場所は入口から入ってすぐ、岩槻城などに関する展示スペースなのですが、もともとは警察署の“事務室”として使われていたところです。展示物はさることながら、白を基調とした天井や柱などの内装にも注目してみてくださいね。
写真:大宮 つる
地図を見る岩槻郷土資料館には、旧警察署庁舎の間取り図も掲示されています。そのまま建物が使われているので、「ここは昔、署長室だったんだなぁ」「ここで取り調べしていたのかな?」なんてイメージしながら、見学することもできます。
写真:大宮 つる
地図を見るすべての展示室を見終えた後に、ぜひとも見ていただきたい場所……それは“階段”です。廊下のつきあたり、右手側にあるので、見逃さないようにしましょう。ポイントとしては、階段周りのデザインがアール・デコ調なのです。
アール・デコとは1910年代半ば〜1930年年代にかけてヨーロッパ・アメリカ合衆国を中心に流行した装飾の傾向のこと。岩槻警察署旧庁舎は1930年に建造されていますので、そういった意味では最先端の流行が取り入れられて、警察署が建てられたと考えられるわけですね。
以上、さいたま市岩槻にある「岩槻郷土資料館」について紹介しました。国登録有形文化財として登録されたばかりの注目の建造物ですので、足を運んでみてはいかがでしょうか?
岩槻には、岩槻郷土資料館のほか、岩槻城址公園や時の鐘、久伊豆神社、慈恩寺などといった観光スポットが色々とあります。こういった場所を組み合わせて歴史探索をしてみると、より満足度が高まることでしょう。
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(2023/12/8更新)
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