2014年も流失…。京都八幡「流れ橋」台風で「流された」橋脚だけの貴重な姿をご紹介

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2014年も流失…。京都八幡「流れ橋」台風で「流された」橋脚だけの貴重な姿をご紹介

2014年も流失…。京都八幡「流れ橋」台風で「流された」橋脚だけの貴重な姿をご紹介

更新日:2014/09/01 13:48

奈良山 鹿子のプロフィール写真 奈良山 鹿子 元観光バスガイド

2013年9月16日に日本各地を襲った台風18号で京都の観光地・嵐山が大きな被害を受けました。
嵐山のシンボル、渡月橋が濁流に襲われてる映像は記憶に新しいですが、関西、特に京都ではある橋が「流されてしまったーー!!」と話題になっていました。その橋が「上津屋橋(こうづやばし)」、通称「流れ橋」です。
過去に20回流されて「流れ橋」と呼ばれてるこの橋の、今しか見ることのできない貴重な姿をご紹介します。

時代劇の映画などのロケ地として有名な橋

時代劇の映画などのロケ地として有名な橋

写真:奈良山 鹿子

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まずはその橋の「流されていない」普段の様子をご紹介します。
この橋、どこかで見た事あるかも…と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?
この橋は時代劇のロケ地としてたびたび使用されていることで有名です。今までこの橋で撮影された映画やドラマは暴れん坊将軍、必殺仕事人、­水戸黄門、銭形平次、座頭市、陰陽師、新撰組、鬼平犯科帳­…と、数ある京都のロケ地の中でも屈指の人気ロケ地となっています。
橋の周辺も、雰囲気を壊さない様に電柱を建てないなど工夫がされているとか。

この橋の正式名称は「八幡城陽線上津屋橋(やわたじょうようせんこうづやばし)」と言って京都府の府道です。
橋ができる前は船渡場があったのですが1953(昭和28)年に橋が建てられました。
全長は約356.5m、幅3.3mで現存する日本最長級の木造橋です。
建設当時から下を流れる木津川の水かさが増すと、橋板などが流れていくという構造で造られたため「流れ橋」の名で呼ばれているのです。

普段の流れ橋

さてこの流れ橋。
「水かさが増すと橋板が流れる」ってちょっと見てみないと想像つきませんよね?
冒頭でもお話ししましたが、2013年9月16日の台風18号で橋板が流されたので、普段の流れ橋の姿と、流された後の様子を比較していただきながらご案内したいと思います。

普段の流れ橋は歩行者・自転車専用の橋となっていて、誰でも自由に渡ることができます。
風情ある木造の橋を一目見ようと多くの人が訪れる、八幡市屈指の”知る人ぞ知る”観光名所です。
近隣の方の生活の橋となっているほか、サイクリングロードとして訪れる人も多い、地元の人たちに愛されている橋でもあります。

普段の流れ橋

写真:奈良山 鹿子

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流出した流れ橋

流出した流れ橋

写真:奈良山 鹿子

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上の写真は一つ前の写真とほぼ同じ位置から撮った写真です。
橋脚は残ったまま、上の板の部分が流されて無くなっているのが分かります。

平成25年9月16日の流出は橋が造られてから20回目の流出で、平成23年からは毎年橋板が流出しています。今回は昨年の復旧作業が終わって通行止めが解除されてからわずか5ヶ月ということです。

なぜこのような橋の構造にしたのか?とお思いになる人もいらっしゃると思いますが…。
通常川が増水すると橋に水が襲いかかりますよね。橋には水だけではなく流れてきた木の枝や流木など、様々なものがひっかかってしまいます。
橋板がそのまま流れてきたものを受け止めていては橋全体に負荷がかかり、橋脚もろとも橋が丸ごと流されてしまう可能性もあります。
そうなると再建には膨大な費用と日数がかかってしまう…。

ということで、橋にかかる負荷を軽減するために考えられたのが今の流れ橋の構造です。
川の水かさが橋板に達すると、橋板は水の流れに従って水面に浮き上がり、さささーと流れていくんです。
なので普段、橋脚と橋板は頑丈には固定されていません。歩くと少しガタガタします。

流れた橋板はどうなる?

流れていく際、橋板は8つに分かれるようになっていて、それぞれがロープでつながっています。さらに橋板のロープが橋脚としっかり繋がれているので橋板が下流へと流されることはありません。
なので水が引いた後、ロープを引っ張って橋脚に乗せれば橋は元通り。というわけです。(文章で書くと簡単そうですが実際は簡単に元通りにはならないのだそうです。)

写真下に木の板がドーンと地面に落ちているように映っていますがこれがまさに流れ橋の橋板で、ロープで橋脚とつながっているため橋のすぐ近くに残っています。

今回は川の流れが速く、増水量が激しかったので8つの橋板のうち複数のロープが切れてしまったのか下流に流されました。橋板の一部が下流の別の橋に引っ掛かっていたそうです。

流れた橋板はどうなる?

写真:奈良山 鹿子

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流された橋の姿を見ることができるのは今だけ!

流れ橋は普段も見に来る人が多いのですが、橋板が流れてしまった後でも見に来る人が後を絶ちません。むしろ、流れた後の方が見に来る人が多いです。
橋板が流れてしまった姿が見られるのが「いつ」と決まっていないので台風などの自然災害が起きなければ流された橋を見ることができないというレア感がありますものね。

なのでこの姿を見ることができるのは今だけ!今がチャンスです!
復旧したら次はまた橋が流されるのを待たなければいけません。もしかしたら10年先…、なんてこともあり得るわけです。

水が引いた後は橋脚のそばまで行くことができますので、お越しの際には是非近くで橋を見ていただきたいです。

流された橋の姿を見ることができるのは今だけ!

写真:奈良山 鹿子

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最後に…

近くにある「やわた流れ橋交流プラザ四季彩館」では、流れ橋の構造をより詳しくパネルなどで紹介しています。
過去に流出した時の写真や川が増水して橋が見えなくなっているときの写真も展示されているので、流れ橋に行く際には是非立ち寄って流れ橋の構造を理解していただけたらと思います。

今回流出した流れ橋ですが、橋自体が観光名所となっていることもあり、復旧作業が行われることが決まっています。
例年と同じであれば2014年のGW前後に橋が元通りになって通行できるようになるのかなと思いますので、今の姿を見たいという方はお早めにどうぞ!工事が進むとあまり近くまで寄ることができなくなる可能性もあるのでご注意ください。

流れ橋の様子はライブカメラで見ることが出来るので見てみたい人はそちらをご覧になってください。
※ライブカメラはPCからのみ閲覧可能です。スマートフォン・携帯電話から見ることはできません。

【追記】
2014年8月12日、台風11号の影響で、橋が流失しまいました。今年で4年連続21回目ということで、今後、橋の構造を見直すことが検討されるそうです。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/10/06 訪問

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