まるでポスター!美し過ぎる北アルプス「蝶が岳」春登山

まるでポスター!美し過ぎる北アルプス「蝶が岳」春登山

更新日:2017/04/08 16:47

SHIZUKOのプロフィール写真 SHIZUKO 舞台演出者
登山者の憧れの山・北アルプスの槍ヶ岳や穂高岳と梓川を挟んで東側にある蝶が岳。梓川のおかげで遮るもののない美しい槍・穂高の大パノラマが見渡せる素晴らしい眺望が人気の山です。ゴールデンウイーク、まだまだ雪を頂くその美しい山岳風景は、まるでポスターのよう。蝶が岳の登山道も雪の中。アイゼンを効かせ、ゆっくりと登って行きましょう。残雪期の静かな登山を、ゆったりとしたプランで楽しむことをおすすめします。

憧れ山岳リゾート・徳澤園で英気を養う

憧れ山岳リゾート・徳澤園で英気を養う

写真:SHIZUKO

地図を見る

蝶が岳へは、東側の三俣登山口から登るのが最短ルートです。蝶が岳の頂上に立つ!という目的だけなら、最短ルートで登ればいいのですが、おすすめしたいのは上高地〜徳澤〜蝶が岳〜横尾〜上高地という2泊3日の周回ルート。徳澤の登山口から樹林帯の急登を登り切れば、素晴らしい北アルプスの山々が出迎えてくれます。その美し過ぎる景色を見ながら登って行くことが出来るコースです。そして、蝶が岳から横尾へと下る道では、憧れの槍ヶ岳をいろんな角度から眺めながら下ることが出来るのです。それに加え、余裕のあるコースならではの、下山後のお楽しみも沢山。

初日、北アルプス登山のメッカ・上高地に降り立つと、目の前にドーンと穂高の山々が見えます。登山者で賑わう華やかなバスターミナル。海外旅行に行くときに、空港で感じる高揚感…正にそれに似た、これから登るんだなあというワクワク感に満たされることでしょう。

一気に登ると高度障害も心配なので、一日目は、徳澤までのほぼ平行移動をおすすめします。高度に体を慣らして、明日からの登山に備え、翌日から、のんびり、ゆったり、気持のいい稜線歩きと大展望を楽しみましょう。

憧れ山岳リゾート・徳澤園で英気を養う

写真:SHIZUKO

地図を見る

1日目の行程は、奥上高地と呼ばれる、上高地から徒歩2時間の徳澤まで。ほぼ水平移動となるこの道の両側には、ニリンソウなどの可愛い花々が咲き乱れます。先を急がなければならない旅は、写真を撮る時間すら惜しく感じるものですが、2泊3日の行程を組めば、納得できるまで写真を撮りながらゆっくり進んでも、時間を気にせずに楽しめるからいいですね。

梓川沿いに続いていた道が、やがて広々とした林に入っていくと、初日の目的地に到着です。

憧れ山岳リゾート・徳澤園で英気を養う

写真:SHIZUKO

地図を見る

広々とした静かな林の中にあるのが、一度は泊まってみたい憧れの山岳リゾート・徳澤園。赤い屋根のクラッシックなその外観。もちろん蝶が岳に登ることが大目的だけど、2泊3日のこのルートだと、徳澤園に泊まることができるのです。これも素敵な旅の目的になります。

赤い屋根、太い木の柱、磨き込まれた木の廊下、ところどころに置かれている美術品、そして気持ちのいいお風呂。徳澤園は、山小屋というよりリゾートホテルそのもの。食事もステーキがつく豪華さ。個室は選び抜かれた家具にセンスのいいカラーリング。徳澤園に泊まることだけを目的に来る人がいるのも納得です。ゆったりとした時間を堪能し、翌日に備えましょう。

ひたすら登る、長壁尾根の樹林帯は我慢のしどころ

ひたすら登る、長壁尾根の樹林帯は我慢のしどころ

写真:SHIZUKO

地図を見る

徳澤園でしっかりと英気を養ったら、翌朝は早めに出発しましょう。日の出とともに歩き始めるくらいがいい感じです。蝶が岳までは、標準コースタイム5時間。山頂でお昼ご飯を食べるイメージで出発するといいでしょう。

ひたすら登る、長壁尾根の樹林帯は我慢のしどころ

写真:SHIZUKO

地図を見る

スタートは、徳澤園の右側にある長壁山登山口から。

歩き始めは、雪が消えていると、木の根が浮き、岩が露出していて歩きにくさを感じるかもしれません。しばらくは急登。樹林帯が続くので、眺望がきかず、暗い森の中を進んでいる感じです。

でも、徐々に空が明るくなり、雪の中に池が現れ始めると長壁山の山頂はもうすぐ。3時間40分の長い長壁尾根登りが終われば、小さく下ってまた登り。少しずつ美しい山の風景の予感を感じることが出来ます。45分ほどで妖精の池へ到着。ここまでくれば、もう一息で山頂です。

蝶が岳山頂からの大展望に大満足

蝶が岳山頂からの大展望に大満足

写真:SHIZUKO

地図を見る

山頂に立った人は、きっと言葉を失うことでしょう。あまりにも美しい山岳風景。見渡す限り雪を頂いた山、山、山。八ヶ岳の向こうに富士山も大きく見えるはず。槍ヶ岳から穂高岳の山々、活火山・焼岳にはうっすらと噴煙が。澄み切った青空と黒い山肌に白い雪。くっきりとしたコントラストは、何時間見ていても飽きません。

5時間の山道を登り切ったご褒美として、これ以上のものはありません。

蝶が岳山頂からの大展望に大満足

写真:SHIZUKO

地図を見る

2日目の宿におすすめの蝶が岳ヒュッテは、山頂のちょっと手前にあります。屋根に色とりどりの布団が干されている風景は、まるで映画のワンシーンのよう。北アルプス随一とも言われる美し過ぎる風景です。移り変わる光に包まれる山々を眺めながら、のんびりと午後をお楽しみ下さい。

下る道さえ足取り軽く、最高気分

下る道さえ足取り軽く、最高気分

写真:SHIZUKO

地図を見る

山頂での静かな夜が明けたら、横尾を目指して下山です。

降りてしまうのが惜しい風景。目の前に広がる残雪をまとった美しい山々をしっかり心に刻みましょう。コースタイムは2時間30分。下界で見たポスターの風景が、自分の目の前に広がります。登った人だけが楽しめる心躍る風景。まるで映画のワンシーンのような素晴らしい風景に下る足取りも軽くなることでしょう。

降りるにつれ、槍ヶ岳がどんどん高さを増していきます。下山道も途中は厳しい樹林帯の下り。足元に注意しながら、ゆっくり下りましょう。

下る道さえ足取り軽く、最高気分

写真:SHIZUKO

地図を見る

最後の休憩場所・槍見台から見る槍ヶ岳は、天を衝いて聳え立ち、圧倒的な美しさを見せてくれます。

上高地に着いたら何食べよう!

上高地に着いたら何食べよう!

写真:SHIZUKO

地図を見る

横尾山荘に到着したら大休憩。早めのお昼ご飯に豚スタミナ丼はいかがでしょう。ラーメンもいいけど、豚丼、最高です。

上高地に着いたら何食べよう!

写真:SHIZUKO

地図を見る

さて、ここからおよそ3時間。一泊目の徳澤園を経由して上高地まで平面移動となります。帰りのお楽しみは、徳澤園のソフトクリーム、明神での岩魚の塩焼きにビール、上高地でのアップルパイなど。お散歩気分で、名物を堪能しながらゆっくり歩いて帰りましょう。

春山だけど、まだまだ雪山

5月ともなれば平地は暑い日がありますが、2500メートルを超える高山はまだまだ雪の中。いったん天気が崩れると、そんなに難しくない山も牙をむきます。油断せずに、準備万端に。ガイドさんに一緒に行ってもらうことが出来れば、それが一番の安全策です。

蝶が岳から見る大パノラマは、残雪期が最も美しいかもしれません。長壁尾根の登りはつらいけど、ぜひ、この素晴らしい風景をご自身の目で確かめにお出かけ下さい。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/05/11−2016/05/12 訪問

- PR -

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -