「長手岬」は七浦海岸の南寄り。一帯は隆起海岸の特徴を持っており、磯遊びもできる平坦な岩場が続いています。海水浴やシュノーケリング、釣りなどにも人気のスポットです。
夕陽観賞のおすすめポイントは、長手岬のシンボルとも言える白い灯台。岩場が作り出す海岸美に映えて、空間を引き締めます。やがて夕陽が沈むころ、遠くに漁火が見えた日は、海での営みを見守る存在・心の拠り所として、特に灯台の存在を大きく感じることができるのではないでしょうか。
「夫婦岩」は、七浦海岸の中央付近に寄り添うように立つ、高さ22.6メートルの「夫」(写真一番右)と高さ23.1メートルの「妻」(写真右から二番目)の、二つの大岩のことです。
「古事記」の「国生み神話」によると、伊邪那岐(イザナギ)と伊邪那美(イザナミ)は7番目に佐渡を生み、8番目に本州を生んだとされています。佐渡では、この二柱の神は佐渡を生み終えると疲れを癒すために自分たちの分身として夫婦岩を作り、この岩から残りの島々を作ったという伝説が残っています。ということは、本州を生んだのは…?そんな、神話の世界に思いを馳せて、あれこれ想像してみるのも浪漫ですね。
夕陽撮影は、夫婦岩がシルエットになるように撮るのもおすすめです。まるで岩たちが何か話をしているような、神秘的な光景に出会えることでしょう。
写真:織笠 なゆき
地図を見る七浦海岸の北寄りにある高台の「春日崎」では、茜色に染まる空と日本海を、高い位置から見渡すことができます。
この春日崎にある古い石灯籠、とても絵になるので観光客誘致のために設置されたものかとさえ思えてしまうのですが、実は江戸時代初期に設置され、海上守護の八大龍王をお祀りし、航海の目印とするための明かりが灯されていたものなのだそう。海のそばで何百年もこの姿を保っているのには驚かされますね。少し欠けたところがまた味わい深く、旅愁を呼び起こします。
民謡『佐渡おけさ』にも、春日崎の夕景の美しさが唄われています。
「霞む 相川夕日に染めてヨ 波の綾織る 春日崎」
「夏の 相川夕焼け雲にヨ 金波銀波の 春日崎」
佐渡金山が栄えていた頃からずっと、人々が愛する夕景だったのでしょう。
先に言っておきます。けっして火を使ってはいけません!
夕陽がだんだんと沈んでくる、そのタイミングを見計らってスタンバイ。石灯籠の穴の中に夕陽が入ったところがシャッターチャンス!まるで石灯籠に明かりが灯ったかのように見えませんか?厳密には炎の形ではないのですが、そこは大目に見てください。
江戸時代にはこんなふうに石灯籠に明かりが灯っていたんだなぁという、雰囲気を味わえます。マジックアワーまでの待ち時間のお楽しみにも、いかがでしょう。
写真:織笠 なゆき
地図を見る一口に「日本の夕陽百選 七浦海岸」と言っても、観る場所によって様々な表情があるのをお分かりいただけましたでしょうか。もちろん時期によっても夕陽が沈む位置は違いますし、今回ご紹介した以外にも、奇岩や美しい海岸線、草花越しなど、絵になるスポットはたくさんあります。時間に余裕を持って訪れて、とっておきスポットを探してみてくださいね。
また、沈む夕陽やその直後のマジックアワーの空だけでなく、漁火や満天の星空もとても美しいものです。その時間まで楽しむ予定の方は、足元を照らすための懐中電灯などを準備して、充分注意してお出かけください。素敵な海と空に、出会えますように。
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(2024/9/16更新)
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