「箱根湿生花園」日本初の湿生植物園!約2万株のミズバショウは圧巻

「箱根湿生花園」日本初の湿生植物園!約2万株のミズバショウは圧巻

更新日:2021/04/06 10:20

波奈 美月のプロフィール写真 波奈 美月 伊豆地元案内人、絶景ドライブ探求家
「箱根湿生花園」は、箱根仙石原にある日本で最初にできた湿生植物園。日本の湿原・湿地の植物を中心に約1,700種の植物が集められ、四季折々に花を咲かせます。高原の爽やかな空気と美しい緑の中、散策路を歩くだけでも心が癒され清々しい気分に!
仙石原は、広大な「ススキ草原」でも知られ、「箱根ガラスの森美術館」など、魅力的な美術館が集中している所。この機会に自然とアートの両方を楽しんではいかがでしょうか?

爽やかな仙石原にある、日本最初の湿原植物園!

爽やかな仙石原にある、日本最初の湿原植物園!

写真:波奈 美月

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「箱根湿生花園」は、神奈川県の有名な観光地・箱根の仙石原温泉にあります。
仙石原は、火打石岳・金時山などの山麓に広がる標高650メートルほどの高原。夏は平地より涼しく爽やかですよ。

2021年は3月20日より開園!早春のミズバショウ・ザゼンソウから晩秋のススキ・草紅葉まで、さまざまな植物を楽しめます。例年、12月1日から冬期休園に入るのでご注意ください。

爽やかな仙石原にある、日本最初の湿原植物園!

写真:波奈 美月

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よくある庭園のような植物園とは違い、もとは湿原だった水田の跡地3ヘクタールを利用して、湿地を中心に植物が生育する環境を復元。天然に近い状態で草花を観察できるのが魅力です。
園内にある日本各地の湿地帯の植物は200種ほど。草原・林・高山の植物が1,100種、珍しい外国の山野草もあり、全部で約1,700種の植物が集められています。

受付近くにある「展示室」では、仙石原湿原に生息している動植物を写真や映像(約15分)などで紹介しています。散策の前に寄って知識を仕入れておけば、より興味深く観察できそうですね。

植物を観察しながら、心癒される時間を!

植物を観察しながら、心癒される時間を!

写真:波奈 美月

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園内には順路があり、その通り歩けば無駄なく一周することができます。所要時間は40分ほど。爽やかな空気の中、自然に癒されながら散策する時間は格別! ぜひゆっくりと散策してみましょう。
散策路はキチンと整備され、介助があれば車椅子の使用もできます。車椅子の貸し出しも行っていますよ。

植物を観察しながら、心癒される時間を!

写真:波奈 美月

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園内は8つの環境の区画に分かれており「落葉広葉樹林区 → ススキ草原区 → 低層湿原区 → ヌマガヤ草原区 → 高山のお花畑区 → 高層湿原区 → 仙石原湿原区 → 湿生林区」という順路。低地から高山へ、初期の湿原から発達した湿原へという順序で植物を観察していけるように配慮されています。

日本の植物が中心ですが、入口近くには「外国の山野草と園芸種」の区画もあり、珍しい外国の山野草や華やかな園芸種を見ることができます。5月上旬〜6月上旬頃は、ヒマラヤ周辺にのみ自生する高山植物「ブルーポピー(ヒマラヤの青いケシ)」が見頃を迎え、訪れる人の目を楽しませてくれますよ。

お目当ての花の見頃はしっかりチェック!

お目当ての花の見頃はしっかりチェック!

写真:波奈 美月

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さまざまな花が絶え間なく咲く「箱根湿生花園」。やはり気になるのは、その季節の見頃の花。散策路の入口には「園内の見どころ」の看板が設置され、区画ごとの見頃の花を写真付きで教えてくれます。

早春の見どころは、なんといってもミズバショウ(3月下旬〜4月中旬頃)。「低層湿原区」や「湿性林区」などで、約2万株もの群落が白い花を咲かせ、人気を集めています。「カタクリ」(4月上〜中旬)も「落葉広葉樹林区」に約3千株が群生しており、こちらもお薦め!
5月になると、「低層湿原区」ではサクラソウ(4月中旬〜5月中旬)、「高山のお花畑」では黒い近い珍しい色をしたクロユリ( 5月上〜下旬)などが花を咲かせます。

お目当ての花の見頃はしっかりチェック!

写真:波奈 美月

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6月は、100種類以上が花を咲かせ、最も園内が華やかになる季節。「ヌマガヤ草原区」を中心として黄色のニッコウキスゲ(6月上〜中旬)が咲き誇り、「仙石原湿原植生復元区」と合わせて約2万株のノハナショウブ(6月上〜下旬頃)も園内を彩りますよ。
秋の見どころは、ススキ(9月上旬〜10月下旬)やリンドウ(9月下旬〜11月上旬)など。閉園間近の11月は、草が紅葉する草紅葉が鮮やかです。

季節ごとに違う美しさがあるので、何回も訪れたくなりますね。園内の詳しい花の見頃は、記事下の関連MEMO「箱根湿生花園」の「季節の植物」タブからご確認ください。

「復元実験区」の散策もおすすめ!

「復元実験区」の散策もおすすめ!

写真:波奈 美月

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「仙石原湿原」は、神奈川県に残る唯一の湿原で、箱根湿生花園と隣接しています。約17ヘクタールの広さを誇り、その一部は国の天然記念物にも指定されている貴重な存在。
箱根湿生花園は、この「仙石原湿原」を知ってもらうためとその保護を目的に開園しました。湿原自体は、立ち入り禁止となっていますが、園内の「仙石原湿原区」で、どのような植物が生育しているか観察することができますよ。

さらに園では、広さ約2ヘクタールの「仙石原湿原植生復元実験区」を設けて湿原の復元実験をしています。園内とは入り口が繋がっており、立ち入ることができます。
山並みが美しく、気持ちが良い所で、6月上旬〜6月下旬頃には、赤紫色の「ノハナショウブ」の群生が咲き誇ります。ぜひこちらも散策してみてくださいね。

ススキの見頃なら、「仙石原すすき草原」にも足を延ばそう!

ススキの見頃なら、「仙石原すすき草原」にも足を延ばそう!

写真:波奈 美月

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仙石原湿原と隣接しているのが、ススキの名所として有名な「仙石原すすき草原」。台ヶ岳北側斜面に約18ヘクタールにわたって広がり、その美しい風景は「かながわの景勝50選」にも選定されています。
見頃は、9月下旬〜11月中旬頃。この時期に「箱根湿性花園」を訪れたなら、徒歩15分ほどかかりますが、ぜひ足を延ばしてみましょう。

ススキは2ヶ月近くにわたって見頃が続き、時期によって美しさが異なるのが魅力。初秋の頃は、黄金色に変わった穂と緑色の葉や茎との対比が美しく、秋が深まるにつれ、葉や茎の色も変わり、一面黄金色に輝くすすき草原を見ることができます。

「仙石原すすき草原」については、別記事で詳しく紹介しています。記事下の「関連MEMO」よりぜひご覧ください。

仙石原周辺の美術館、「箱根湿性花園」と一緒に楽しもう!

「箱根湿性花園」では、「春の山野草展」「青いケシ展」「食虫植物展」など、季節に合わせた企画展も開催されています。こちらも要チェックですよ。

周辺には「箱根ガラスの森美術館」・「星の王子さまミュージアム」・「箱根ラリック美術館」・「ポーラ美術館」など、魅力的な美術館が集中しています。この機会に併せて訪れて、自然とアートの両方を楽しんではいかがでしょうか?各美術館とのお得なセット券も販売しています。

「箱根湿性花園」は、天然の湿地が少なくなった現在、全国の湿地植物を目にできる貴重な植物園。高原の爽やかな空気と美しい緑で、心を癒してくれる場所でもあります。心のエネルギーを充電したくなった時、訪れてみませんか?

<箱根湿生花園 基本情報>
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原817番地
電話番号:0460-84-7293
営業時間:9時00分 〜 17時00分(最終入園 16時30分)
入園料金:大人700円・小学生400円
駐車場:あり・無料
アクセス:
・箱根湯本駅から箱根登山バス(T路線)約25分「仙石案内所前」バス停下車、徒歩約10分
・箱根登山線「強羅駅」から観光施設めぐりバス(S路線)約29分「湿生花園前」バス停下車、徒歩約3分  

2021年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/10/10−2017/04/12 訪問

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