写真:Hiroko Oji
地図を見る白いフレンチアルプスを背景に、碧く透き通るように横たわる、スイスの有名観光地レマン湖。その西端に、フランス領に突き出るように広がるのが国際都市ジュネーヴです。国際連合の諸機関はじめ、国際機関が多数存在し、世界的な檜舞台にもなる町です。
レマン湖から流れ出るローヌ川の南側に広がるのは、細い石畳や迷路のように入り組んだ石段が続く、中世以来の旧市街。見所がギュッと詰まった旧市街のシンボルともいえるのが、どこからも尖った塔が目立つ存在の「サン・ピエール大聖堂」です。壁画のある旧市街の階段や路地から高台の聳える大聖堂を目指して上って行きましょう。
大聖堂は12〜13世紀にかけて建築が行われ、その後修復・増築が繰り返されて、ロマネスクとゴシック様式が入り交ざった建造物となっています。
写真:Hiroko Oji
地図を見る大きな存在の塔を見上げながら、大聖堂の周りをぐるりと歩いてくると、聖堂前広場にでます。この広場に面して、入り口があるのですが、階段の上に聳える、まるで神殿のような柱が支える正面は、均整の取れた美しさ!ついつい素晴らしい柱頭装飾に魅入ってしまいます。バラ窓の外側、柱の上に続く天井裏にも素敵なレリーフのタイルが並んでいます。
写真:Hiroko Oji
地図を見るフランス語圏での宗教改革の中心となったのがカルヴァンで、1536年から1564年にかけて、プロテスタントを提唱し、その結果、ジュネーヴが「プロテスタントのローマ」と言われるようになりました。その土台がこの大聖堂だったのです。
大聖堂内には、カルヴァンが座ったという椅子が置かれており、16世紀の改革派ローアン公の墓や、円陣のレリーフ彫刻が施された聖職者席、ヨーロッパ最大級の地下考古学発掘展示施設があり、見応えがあります。
写真:Hiroko Oji
地図を見る「サン・ピエール大聖堂」の印象的な白い四角い鐘楼(南塔)、緑の尖塔、四角いお城の一部のような塔(北塔)には、狭い急な螺旋階段で上ることができます。
上り下りですれ違うことのできない狭さなので、途中の階や踊り場にある緑と赤のランプで指示が行われています。信号と同じく、赤のランプの時は待ち、緑のランプになると進むことができます。南塔の鐘楼の最上階では、ずっしりとした釣鐘を見ることができ、鉄製の骨組みと説明版も壁に架けられています。
写真:Hiroko Oji
地図を見る緑の真ん中の塔からは眺望はありませんが、北塔と南塔を繋ぐ通路となっていて、木製の柱や床で覆われた通路を伝って移動できます。
真っ白のミニチュアの大聖堂が展示されている北塔の最上階からは、旧市街の奥に広がるレマン湖まで、遮るものの無い眺望が得られます。旧市街には、赤茶色の屋根が連なり、イギリス公園の緑の一部が見える奥には、碧く輝くレマン湖が横たわっています。又ぐるりと通路を回ると、町並みだけでなく、白い縞模様の岩肌を持つサレーヴ山や、夏でも真っ白の雪で覆われたフレンチアルプスまでも見渡せます。せっかく狭い螺旋階段を何段も上ってきた最上階!しばし、360度のパノラマをたっぷり楽しんでくださいね。
ジュネーヴの旧市街は見所が多く、ただただ石畳沿いに歩くだけでも、中世からの雰囲気が楽しめて満足できますが、見逃してほしくないのが、大聖堂の塔からの眺めです。大聖堂内だけの見学なら無料ですが、塔に上るには5フランの料金が必要です。料金を払ってでも、見る価値はあるはずの眺めが広がっていますので、是非上ってみて下さいね。
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この記事を書いたナビゲーター
Hiroko Oji
旅の計画を練り、現地でその土地ならではの経験を楽しみ、帰ってきたら写真の整理をして旅行記や記事を書くと、一つの旅で3〜4回楽しんでいます。アメリカで大自然の偉大さに圧倒され、人生観が大きく変わりました…
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