飛騨大鍾乳洞は高山市の東端・標高900mの位置にあります。
驚くことに、日本の中央付近にあるこの場所は2億5000万年前まで海でした。その証拠がこの飛騨大鍾乳洞にあるのです。
そしてこの鍾乳洞はなんと、犬同伴OK!もちろんリードの着用や、隣接する「大橋コレクション館」には入場できないなどの制約はあります。それでも愛犬と一緒に観光できるのは愛犬家にとってうれしい限り。愛犬を同伴するときはマナーを守り、他のお客様の迷惑にならないようにしましょう。また洞内は暗いので小型犬は足元で蹴られないよう、注意が必要です。
鍾乳石の特徴はなんといってもその滑らかでミルキーな石の表面。ちなみに鍾乳石はその形状によって呼び名が変わります。代表的なものは次の3つ。
・つらら石…天井から垂れ下がり、つららのようになっている石。
・石筍(せきじゅん)…つらら石から落ちた滴が積み重なり、下から上へと成長していったもの。
・石柱…つらら石と石筍がともに成長してくっついたもの。
飛騨大鍾乳洞の全長はおよそ800m。洞内は3つのブロックに分かれていて、それぞれ異なった趣があります。見ごたえのある鍾乳石がたくさんあり、どれも自然が長い年月をかけて作り出したもの。
第1洞は比較的広く、様々な色の照明でライトアップされた幻想的な空間。繊細な鍾乳石が多いのもこの第1洞の特徴です。神秘的な「竜宮の夜景」や「夢の宮殿」、ストローと呼ばれる白い鍾乳管が無数に垂れ下がる「中千本」は必見。
この飛騨大鍾乳洞では、およそ3億年のものと推定される海百合の化石を見ることができます。上の写真を見てください。「海百合化石」と書かれたの看板の右斜め上の岩に、「ネジ」のような跡があるのがお分かりでしょうか。これが海百合の化石です。こういった海百合やサンゴなどのカルシウムを多く含んだ生物の死骸から石灰石ができ、鍾乳石の元となるのです。
洞内は温度が年間を通して10℃前後と、夏は涼しく冬は暖かい場所。そのため、温度変化の少ない環境を活かして日本酒やワインの貯蔵や、うどの栽培も行われています。日本酒やワインは売店で購入できるので、お酒の好きな方のお土産にいかがでしょうか。
第2洞に入ると洞内も狭くなり、がらりと雰囲気が変わります。第1洞と違い、坑道のような…ここが地中であるということが実感できるような空間。この先は急な階段や坂道もあるので、足腰に自信のない方は途中の出口から出ることも可能です。
この第2洞の見どころは「大石柱」と「幸福の滝」。「大石柱」は細い石柱がいくつもまとまって「大石柱」となっています。また「幸福の滝」の水が流れ出ていているのは洞内の壁の割れ目。前からだけでなく、滝を垂直に上から見下ろすことができます。(上の写真)
第3洞は「月の世界」と名付けられた、第1・2洞とはまた異なった空間。大胆な洞内の割れ目や高い天井に、細かな鍾乳石の模様を見ることができます。その正体は洞穴シールドや洞穴サンゴ(サンゴのように枝分かれしている鍾乳石)。地上では決して見ることのできない自然の造形美が広がっています。
ライトアップされた幻想的な第1洞につい目が行きがちですが、大胆かつ繊細な鍾乳洞の美しさが愉しめるのはこの第3洞。ぜひ、第3洞まで足をお運びください。
ご紹介したように、飛騨大鍾乳洞は標高900mの高地にありながら、たくさんの美しい鍾乳石を見ることができます。そして鍾乳洞があること自体が、高山がかつては海だったことの証。ぜひ、この飛騨大鍾乳洞で鍾乳石の美しさを堪能してください。
アクセス
電車:JR高山駅〜濃飛バス(平湯・新穂高線)「鍾乳洞口」バス停下車〜徒歩、約1.2km
車:東海北陸自動車道・飛騨清美IC〜R158号経由、約37km
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(2025/2/11更新)
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