カイザーブルクは中央駅から中央広場を抜けて、歩いて20分ほど。丘の上にあるため、たどり着くころには少々、息があがっているかもしれません。ですが、汗をかいただけの価値は充分あるはずです。
丘の上にあるこの城は1040年ころ、ハインリヒ3世によって建てられ、要塞として使用されてきました。そのあとコンラート3世によって改築され、神聖ローマ皇帝の居城となり、帝国議会の議場にもなって、重要な城として歴史の中心にありました。かつて権力の中心に位置していた城は、今では多くの観光客をひきつけています。
この城の見どころの一つにジンヴェル塔があります。30mという高さがあり、また、ひときわ高い丘の上にあるため、塔からはニュルンベルクの茶色い落ち着いた色合いの旧市街が一望でき、その絶景は見飽きることがありません。このジンヴェル塔はかつて見張り台の役目を果たしてきましたが、今はニュルンベルクの街を一望できる見晴らし台としての役割に変わりました。
街並みは第二次世界大戦によって90%以上が破壊されましたが、戦後、中世の街並みが復元されました。丘の上からの眺めはおそらく今まで数百年変わることなく、そしてこれからも変わることはないでしょう。
ジンヴェル塔近くのさほど大きくない建物の中に、この城の見どころの一つ、深井戸があります。しかし、見どころとは言っても、非常に深いため、のぞきこんだとしても何も見えず、暗闇が広がるばかり。いったいどのくらいの深さがあるのか。この深い深い井戸は丘の上にある為、水脈にたどり着くまで、掘りに掘ったり、何と50m以上!20階建てのビルに相当します。
ツアーでのみ見学可能で、ガイドさんがドイツ語で説明してくれますが、言葉がわからなくてもデモンストレーションで、いかにこの井戸が深いのかはっきりわかります。ガイドさんが水を垂らすと、だいぶたってから、到達する音が響いてきます。ろうそくを井戸の中におろしていくと、ロープがどんどん出ていくのに、なかなかたどりつきません。やっとたどりついたと思ったら、はるか彼方、下方にろうそくのあかりが見えます。井戸の上には格子がはまっているので落ちたりすることはありませんが、あまりにも深いので、思わず震えてしまいますよ。
この城には、ほかにも建物を利用した甲冑や武具などの博物館、皇帝礼拝堂など、中世の遺物が残っています。城内にある小さな庭園は無料なので、一休みして、テラスから景色を眺めてみてください。
カイザーブルクは岩山の上にたっています。中世の時代、深井戸を人の力で50m以上も掘るのは大変で、費用も莫大なものだったはずです。先人たちの苦労がしのばれますね。
この城は華やかな城とはおもむきが違っています。かつて見張り台だったジンヴェル塔のように、武骨ですが、質実剛健な城といった感じがあります。派手さこそありませんが、中世の雰囲気を色濃く残しているので、その雰囲気を感じ取ってみてください。
中央駅からカイザーブルクまで北方向に歩いて20分はかかります。急坂を上るので歩きやすい靴でどうぞ。
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