写真:鈴木 旅人
地図を見る千葉県香取市佐原の発展は、利根川の東遷事業により、佐原の町中を通る小野川が、利根川と繋がることに拠ります。東北地方などから物資が利根川を経由し江戸へ至るルートが確立され、佐原はその舟運の拠点として発展していったのです。
佐原の町並みは、国が選定する「重要伝統的建造物群保存地区」に関東で初めて選ばれた町でもあり、まさに江戸時代の世界!その中を柳越しに舟がゆるやかに進んでいく様子は、時代劇のセットかと思う程にその雰囲気を体感することができます。佐原ならではの風情と言えるでしょう!
そんな佐原の一大イベントが『佐原の大祭』で、7月10日以降の金曜・土曜・日曜日に行われる八坂神社祇園祭と、10月第2土曜日を中日とする金曜・土曜・日曜日に行われる諏訪神社秋祭りの総称を指し、夏と秋に2回行われます。
今回は、より多くの山車が出される秋祭りを中心にご紹介。佐原の大祭は、関東3大山車祭りの一つとされ、約300年の伝統を有し、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
山車は全部で24台あり、夏祭りに10台、秋祭りには14台の山車がそれぞれ曳き廻されます。それぞれ上部に高さ4mにもなる日本最大級の大人形が飾られているのが特徴的。
人形は江戸時代以降の一流人形師達によって、神話や歴史上の人物をモチーフに作られており、遥か頭上から威厳と共に祭りの様子を見守っているように見えます。その「見守られている感覚」が、神聖な気持ちになり、佐原の大祭に独特のハリを生んでいるのかもしれません。
写真:鈴木 旅人
地図を見る山車には「佐原囃子」を奏でる佐原方が乗り込み、町中にお囃子を響かせます。佐原囃子は日本三大囃子の一つとされていて、単調的なリズムが繰り返される多くの祭り囃子とは異なり、情緒的なメロディーが奏でられるのが特徴的。
囃子方は歌舞伎等と同じように『下座』と呼ばれ、笛5〜6人、 大皷1人、小鼓4〜5人、大太鼓1人、小太鼓1人、すり鉦1人の15人前後で構成されます。この圧倒的なお囃子の音の厚みが、佐原大祭の魅力の一つ!より一層世界に引き込まれ、浮世離れした気持ちにさせてくれるのです。
佐原囃子は現在50曲以上の曲目があるので、山車に付いて回り、お囃子を聞いているだけでも、和楽器のコンサートへ行ったかのような価値があると言えるでしょう!
写真:鈴木 旅人
地図を見る諏訪神社の祭礼である秋祭りは、新宿地区というエリアに14台の山車が曳き廻され、あちこちで勇ましく「のの字廻し」などが披露されます。
「のの字廻し」とは、山車が道路の曲がり角などで勢いよく山車を回転をさせることで、佐原大祭の一番の見せ場ともいえます!他にも「そろばん曳き」や「小判廻し」と呼ばれる曳き廻しがあるのですが、いずれにしても大きな山車をコントロールするのは、実は『てこ』と呼ばれる長さ約4mほどの2本の丸太なんです。このてこを山車と山車の車輪の間に差し込み梶をとったり、停止させたりして速度をコントロールしているわけです。
てこ棒を操るには修練が必要とされ、佐原の大祭の『華』とされています。大きな山車だけに気をとらわれず、是非、てこの動きにも注目して下さい!
写真:鈴木 旅人
地図を見る佐原大祭の特徴として、山車が様々なルートで町中を通る為、歩けない程混むということはありません。小野川のほとりで休んでいるだけでも対岸に山車が通り、自分だけの佐原大祭を感じることができるでしょう!
勿論、気になった山車に付いて回るのもオススメ!勇ましい男衆の掛け声、真剣な表情、その一つ一つが、江戸時代から変わらない姿だと言えます。
写真:鈴木 旅人
地図を見る佐原の大祭、いかがでしたでしょうか?
江戸時代そのままを感じられる純度の高い江戸の祭りでありながら、人でごった返すということもなく、短い時間でも十分に楽しむことができます。
秋の晴天に、アルコール片手に佐原のお囃子を聴いているだけで、最高の休日になること間違いなし!
祭りへ行くという気負いや、「混むからイヤだ」なんて先入観を持たず、是非、足を運んでみて下さい。
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(2024/9/18更新)
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