写真:大宮 つる
地図を見る埼玉県入間郡越生(おごせ)町にある「龍穏(りゅうおん)寺」。
807年草創、1472年に太田道真・道灌父子によって中興された名刹です。1612年には、江戸幕府初代将軍・徳川家康公より「下総総寧寺(千葉県市川市)」、「下野大中寺(栃木県栃木市)」とともに、曹洞宗を統括する僧録司(そうろくし)に任命され、“関三刹(かんさんさつ)”と呼ばれていた時代もありました。このように、江戸時代には将軍家の庇護を受け、大寺院へと発展。その当時は、なんと全国1万5千もの寺院を統括する存在だったそうです。
写真:大宮 つる
地図を見る“龍が穏やかに”と書く「龍穏寺」ですが、その由来はかつて山に棲んでいた“悪龍”を、当寺第5世住職である雲崗舜徳(うんこうしゅんとく)和尚の霊験によって穏やかにさせたというところからきているといいます。そもそも、悪龍を鎮めるために和尚さまを遣わしたのが、龍穏寺を中興したといわれる太田道灌公。和尚さまと道灌公は師弟の間柄だったとか。
和尚さまの霊験により、龍の心が穏やかになり“善龍”になったことを記念して、道灌公に援助を依頼して建立されたのが、こちらのお寺ということに。これをきっかけに「龍穏寺」と改名されたのだそうですよ。そんな歴史をふまえつつ、以下より龍穏寺の見どころをご紹介します。
写真:大宮 つる
地図を見る江戸時代に大寺院へと発展したという龍隠寺。それを強く感じさせるものに、巨大な山門があります。こちらの山門は、1842年に当寺第56世道海大信(どうかいだいしん)和尚によって再建されたものです(越生町指定有形文化財)。
写真:大宮 つる
地図を見る建築様式は、入母屋造りの銅瓦葺。階下には仏法を守護する四天王(持国天、増長天、広目天、多聞天(=毘沙門天))、見ることはできませんが、階上には観音菩薩などが祀られているという荘厳な門です。四天王は観賞することができますので、眺めてみてくださいね。
杉並木や石畳など辺りの景観とマッチし、神秘的な雰囲気が漂っています。
写真:大宮 つる
地図を見る2つ目の見どころは、龍穏寺を中興した太田道灌公の銅像。境内の中ほどにあります。
こちらの銅像は、埼玉県川越出身の彫刻家であり、日展評議員や東京学芸大学名誉教授を務められた橋本次郎氏(1919-1997年)によるもの。道灌公の500年忌に、江戸城(現在の皇居)を築いた偉業を称えて、昭和60(1985)年に建立されました。お寺のシンボル的存在の銅像です。
※背後に見えるのが、ご本堂です。
写真:大宮 つる
地図を見る太田道灌公像の周辺には、なんと江戸城外濠の石が置いてあります。スルーしがちなので、見逃さないようにしましょう。この石は、江戸城外濠に架かる神田橋橋台(きょうだい)に使用されたもの。首都高速道路の開設の際に取り外され、その一部が龍穏寺に保存されています。
写真:大宮 つる
地図を見る4つ目の見どころは、太田道真・道灌父子が眠る「五輪塔」です。奥側が道真公のお墓で、手前側が道灌公のお墓(分骨)となります。道灌公のお墓は、こちらのお寺のほか、神奈川県伊勢原市の大慈寺・洞昌院、太田家の子孫が鎌倉に開基した英勝寺にもあります。
龍穏寺の境内をふくめ、この辺り一帯はパワースポットと言われています。太田道真・道灌父子が守るこの地の良い氣を感じてみてくださいね。
以上、埼玉県越生町にある「龍穏寺」についてご紹介しました。なお、本文中ではご紹介できませんでしたが、このほかの見どころとして、龍頭がついている「銅鐘」や彫刻が素晴らしい「経蔵」もあります(いずれも県の有形文化財として指定)。こういったものもあわせてご覧くださいね。
越生町には、人気の観光スポットでありパワースポットの「黒山三滝」もあります。車で10分ほどの距離ですので、あわせて訪れるとより満足度が高まりますよ!
最後に交通アクセスについて。電車でお越しの場合は、JR東日本・東武鉄道「越生駅」が最寄りとなり、「川越観光バス黒山行き」に乗り、「上大満」で下車後、徒歩約25分です。
車でお越しの場合は、「鶴ヶ島インターチェンジ」あるいは「坂戸西スマートインターチェンジ」を下り、約35分の距離です。お寺の無料駐車場があります。
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(2024/9/14更新)
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