写真:野水 綾乃
地図を見る温泉天国の玄関口・別府駅から徒歩8分。住宅街の路地に面して「くつろぎの温泉宿 山田別荘」はあります。歴史のある民家風の佇まいなので、看板を見逃すと通り過ぎてしまいそう。
それもそのはず。現在の女将・山田るみさんの曽祖父が、昭和初期に建てた個人別荘が山田別荘の始まり。別府の温泉を気に入り、保養のためにここを構えたのだそうです。戦後そのまま山田家の人々が旅館として営み、今に至っています。
写真:野水 綾乃
地図を見る館内は古い日本家屋の趣を残しながらも、季節のあしらいなどにセンスの良さを感じさせます。玄関横の洋間のロビーから奥に進むと広がるのは、写真の日本間。手入れの行き届いた庭の緑が見え、別府駅に近い住宅街の中であることを忘れさせます。
山田別荘の宿泊は、素泊まり、または朝食付きが基本。こちらは朝ごはんがいただける食事処で、香ばしい焼き魚、だし巻卵などが、地元・大分の小鹿田焼の器に盛られて供されます。
夕食は、地域の店で名物グルメを楽しみましょう。別府冷麺、とり天、別府湾が育んだ海の幸など、繁華街に近い別府温泉エリアならではの滞在ができるのも魅力のひとつ。
写真:野水 綾乃
地図を見るさてお楽しみの温泉は、内湯に2カ所、露天に1カ所。予約制で貸し切りでの入浴が可能な露天風呂は、外履きに履き替えて、路地風の小道を歩いた先にあります。見てください、この貸し切り風呂とは思えないほどの広さと開放感。
やや黄色みがかったお湯は、浸かると肌を撫でるようなヌルヌルとした感触がすぐに感じられます。泉質はナトリウム‐炭酸水素塩泉(重曹泉)。温泉成分のナトリウムが肌の古い油脂と反応してヌルヌルとした感触になり、余分な皮脂や角質を洗い流してくれます。いわば肌のクレンジングをしているのと同じ効果があるというわけ。
奥の湯口付近には竹枝を使った温泉冷却装置が用いられています。無数の細い竹枝を温泉が伝って流れ落ちることで、約65℃の源泉が適温まで下がるそう。これにより、水で薄めることなく、温泉成分をそのままたっぷりと肌にチャージできます。
写真:野水 綾乃
地図を見る2カ所ある内湯は、昭和初期の面影を残した雰囲気。古い共同浴場などに見られる半地下の構造で、細かな床のタイルもレトロな趣を醸し出しています。こちらには同じ敷地内でも露天とは別の源泉を使用。露天よりもややさらりとした感触です。
多彩な泉質の温泉が揃う別府では、温泉の効果をよりパワーアップさせる入浴法として、異なる2つの泉質の温泉を組み合わせた「機能温泉浴」が推奨されています。源泉が2種ある山田別荘では、この「機能温泉浴」がひと宿でできちゃうというわけ。美肌づくりには、露天風呂→内湯の順番で入浴するのがおすすめ。露天で肌のクレンジングをした後、内湯の塩化物泉の塩のベール効果で、肌の水分発散を防いで潤いが保たれます。
写真:野水 綾乃
地図を見る露天風呂の源泉を元にした化粧水「やまだ泉」も販売されています。温泉のコスメはほかにもありますが、温泉の効能をそのまま活かした成分無調整の化粧水は業界初なんだそう。
あの山田別荘の露天に浸かった時に感じるトローリとした感触もそのまま閉じ込められています。高濃度で含まれるカリウムが、セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲンといった保湿成分の合成を高めてくれるのだそう。毎日使えばキレイが長続きしそうですね。
月・水・木の10時〜15時までなら、ひとり500円で日帰り入浴も可能。露天風呂が開いていれば、プラス料金なしで日帰りでも貸し切りで利用できます。
宿泊の場合は2名1室で素泊まり6500円〜。レトロで趣ある空間と効能豊かな温泉がたっぷり楽しめてこの価格はかなりお得です。
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この記事を書いたナビゲーター
野水 綾乃
温泉と旅をテーマに雑誌などで記事を書いているライターです。その土地のものがたりや空気感が伝わる文章を心がけています。現在は故郷の栃木を拠点にしていて、全国の温泉地を行き来する日々。栃木の温泉宿や魅力的…
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