昭和の証言者!佐賀・筑後川河口の昇開橋と国鉄佐賀線の遺構

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昭和の証言者!佐賀・筑後川河口の昇開橋と国鉄佐賀線の遺構

昭和の証言者!佐賀・筑後川河口の昇開橋と国鉄佐賀線の遺構

更新日:2016/09/08 15:48

池口 英司のプロフィール写真 池口 英司 フリーライター、フォトグラファー 日本写真家協会(JPS)会員

筑後川は阿蘇地方に源を発し、九州北部を西へと流れ、佐賀市と大川市の境で有明海に注ぐ、九州最大の河川です。その河口の付近を走っていた鉄道は、昭和の終わりに廃止されてしまいましたが、川に架かっていた橋は残され、国の重要文化財にも指定されました。橋はライトアップも行われ、今も美しい姿が大切に守られています。

重要文化財、機械遺産に指定された筑後川昇開橋

重要文化財、機械遺産に指定された筑後川昇開橋

写真:池口 英司

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佐賀県の佐賀駅と福岡県の瀬高駅を結んでいた国鉄(日本国有鉄道=現在のJR)が、筑後川に架けていたのが筑後川昇開橋(しょうかいきょう)です。この橋の一風変わった大きな特徴は、橋の中央にある桁が上下すること。列車が通行する時は桁が下がり、船舶が通行する時は桁が上がることによって、列車が走る線路と、筑後川を航行する大型の船の航路の両方が確保されたのです。

橋は鉄道が廃止された後に遊歩道としての使用が開始され、さらに国からは重要文化財、日本機械学会からは機械遺産に指定されて今日にいたっています。重厚感のある姿はいまも現役の時代と変わらず、2016(平成28)年4月に発生した熊本地震の被害からも復旧を果たしました。写真は桁が上がった状態で、船の航行に配慮し、現在はこの状態が保たれることが多くなっています。

整備を受けて公園へと姿を変えたかつての駅の跡

整備を受けて公園へと姿を変えたかつての駅の跡

写真:池口 英司

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佐賀線の遺構として残されているのは、昇開橋だけではありません。佐賀線が健在だった時代に筑後川の両岸に設けられていた駅の跡は、今は整備を受けて公園として利用されています。写真は川の左岸にある筑後若津駅の跡。今も、駅舎、警報機、線路を思わせるモニュメントが並び、ここに鉄道が存在したことを伝えています。彼方には昇開橋の姿が見え、川の対岸にあった諸富駅の跡も小さな公園となっています。

線路跡の一部は遊歩道に

線路跡の一部は遊歩道に

写真:池口 英司

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筑後若津駅から続いていた線路の跡は、再整備されて遊歩道へと姿を変えています。道は緩やかな弧を描きながら住宅街の間を抜けて行きます。ここを鉄道が走っていた時代には、列車の音が地元の人たちの時計代わりになっていたことでしょう。遊歩道のところどころには、昇開橋をモチーフとしたモニュメントが並べられ、楽しい彩りとなっています。

夜間には幻想的な情景が

夜間には幻想的な情景が

写真:池口 英司

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昇開橋は毎日の日没から22時までライトアップが行われ、川面に幻想的な姿が現れます。天気が良ければ夕日は橋の向こうに落ち、それから夜の遅い時間まで刻々と変わる空の色は、訪れた人の心を魅了することでしょう。夏に筑後川で行われる花火大会の夜などにも、橋のシルエットが格好のモチーフとなって、多くのフォトグラファーを惹きつけています。

文化を育んだ筑後川の流れ

文化を育んだ筑後川の流れ

写真:池口 英司

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昇開橋が架けられた筑後川の河口付近には、鉄道関連の遺産のほかにも、近世に建てられた住宅の跡や、明治の産業の発展期に建てられた産業遺産が数多く残されています。佐賀・鍋島藩が近世以降の日本の近代化に大きな役割を果たしていたことも、今日の研究で明らかになっています。

筑後川が接する大川市は、家具の生産日本一を誇り、いまも多くの家具店、メーカーが橋の近くに軒を並べています。これらの産業、あるいは文化がこの地に根付いたのも、水運を活かすことができる筑後川の流れがあったからに違いありません。武骨な、けれども力強い姿の橋は、近代以降の日本をリードしてきた自負を持つ佐賀の人々の心を支えていたことでしょう。

アクセスに便利なバスも多数運転されています

鉄道が廃止されてしまったことで、その位置が解りづらくなってしまった感もある筑後川昇開橋ですが、アクセスは簡単。JR佐賀駅か、西鉄柳川駅からのバスが数多く運転されています。バスが通る道沿いには、ビジネスホテルもあるので、帰りの時間を気にすることなくライトアップを楽しむこともできます。重要文化財にも指定された巨大な鉄道橋は、一見の価値あり!です。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/02/23 訪問

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