南国宮崎の象徴「青島」 亜熱帯植物の茂る神話伝承の島

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南国宮崎の象徴「青島」 亜熱帯植物の茂る神話伝承の島

南国宮崎の象徴「青島」 亜熱帯植物の茂る神話伝承の島

更新日:2016/09/14 17:35

沢原 馨のプロフィール写真 沢原 馨 散策記サイト制作者

青島は宮崎観光では欠かすことのできない、宮崎を代表する観光地のひとつです。島内には亜熱帯性の植物が茂り、島の周囲には「鬼の洗濯板」と呼ばれる奇岩が広がっています。島の中央には青島神社が鎮座し、地元の人たちの信仰を集め、神話伝承の舞台としても知られています。青い海原を背に緑濃い姿も美しく、常に多くの観光客を迎えています。宮崎が誇る景勝地、青島へとご案内しましょう。

南国的リゾート感と日本古来の神話伝承が共存する魅力

南国的リゾート感と日本古来の神話伝承が共存する魅力

写真:沢原 馨

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青島は周囲1.5kmほどの小さな島です。「島」とは言っても、弥生橋という橋が架けられ、ほとんど地続きのような感覚で行き来ができます。島内はほぼ平坦で、その全域が木々に覆われています。離れたところから見ると、こんもりと緑に覆われて海に浮かぶ姿が少し可愛らしくもあります。

島内にはさまざまな植物が自生していますが、亜熱帯性の植物が数多く繁茂しているのが特筆すべきところ。「青島亜熱帯性植物群落」として島内全域が国の天然記念物にもなっているのです。その代表的なものがビロー(枇榔)樹。島内には5000本近いビロー樹があり、青島の南国的な風景を特徴付けています。

そんな青島の浜辺に、鳥居が建っています。青い空と海、緑の木々とが織り成す風景の中に、朱塗りの鳥居がひときわ目立ちます。鳥居をくぐって参道を辿れば、島の中央には青島神社が鎮まっています。青島は、日本神話に語られる逸話の伝承の地でもあり、古くから信仰を集めてきた神域でもあるのです。

青島神社の鮮やかな朱塗りの社殿の周囲には、社殿を護るように亜熱帯性樹林が繁っています。青い海や亜熱帯性植物のもたらす南国的イメージと、古くから神話伝承の地として信仰されてきた歴史との不思議な調和。それが青島の最大の魅力かもしれません。リゾート感溢れる南国的風景と、神社という日本古来の信仰の象徴。その二つが融合して醸し出す、青島ならではの興趣、その“おもしろみ”を、ぜひ感じて欲しいのです。

青島神社に祀られる神々の伝承

青島神社に祀られる神々の伝承

写真:沢原 馨

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青島は、実は島内全域が青島神社の境内でもあるのです。昔は神職の者や島奉行など、限られた人しか立ち入ることができなかったのだとか。青島神社がいつ頃創建されたのかはよくわかっていないものの、平安時代の文書に記述があるとのことですから、かなりの古社であることは間違いありません。

青島神社は彦火火出見命(ひこほほでみのみこと)、豊玉姫命(とよたまひめのみこと)、塩筒大神(しおづつのおおかみ)という三柱の神々を祀っています。「山幸彦と海幸彦」として知られる神話に登場する神々です。塩筒大神によって海原の宮へと導かれた山幸彦(彦火火出見命)は、そこで豊玉姫命に出会い、妻にします。やがて山幸彦は地上へ帰還するのですが、そのとき上陸したのが青島の浜辺だったと伝えられているのです(その逸話に由来する祭礼も受け継がれています)。

その舞台と言い伝えられる場所で、神話の世界の出来事に心遊ばせるのも楽しいひとときです。そうした伝承からか、青島神社は縁結びや夫婦和合の御利益で信仰されてきました。カップルや夫婦で訪れたときには(パートナーをお探しの方も)ぜひとも参拝しておきたいですね。

社殿の右手に、樹林の中へと分け入ってゆく小径があります。入り込んだ先には元宮が祀られています。そもそも信仰の地としての青島は、ここから始まりました。鬱蒼と繁る亜熱帯性の植物に囲まれた元宮の小さな社は、幽玄の雰囲気をまとって神域らしい厳かさに満ちています。いわゆる「パワースポット」なのです。青島神社に参拝したときは、ぜひ元宮にもお参りしてくださいね。

青島を取り囲む「鬼の洗濯板」は必見

青島を取り囲む「鬼の洗濯板」は必見

写真:沢原 馨

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青島は、その周囲を「鬼の洗濯板」と呼ばれる奇岩が取り囲んでいます。太古の時代に海の底で幾層にも重なった砂岩と泥岩の層が、やがて約20度の角度で斜めに隆起、長い年月をかけて波の浸食を受け、このような景観が出来上がったのです。この「鬼の洗濯板」も「青島の隆起海床と奇形波蝕痕」として国の天然記念物に指定されています。

「鬼の洗濯板」は満潮の時には波の下に隠れてしまいますが、潮が退くと青島の周囲に広く現れ、その特徴的な景観を見せてくれます。地元の人には見慣れたものですが、初めて実物を目にすると、やはり驚くべき景観に見えるようですね。せっかく青島に行ったのに満潮で「鬼の洗濯板」を見ることができなかった、というのでは残念です。地元の新聞やテレビのニュースで満潮干潮の時刻を確かめておくとよいでしょう。

ところで「鬼の洗濯板」は「鬼の洗濯岩」と呼ばれることもあります。どちらが正しくどちらが間違いということはないのですが、平成19年に“観光PR用には「鬼の洗濯板」で統一する”との見解を宮崎県が示していますので、「鬼の洗濯板」が“公式”と言ってよいのでしょう。地元では昔から「鬼の洗濯板」と呼んでいましたね。

青島西岸部から見る景色も素敵

青島西岸部から見る景色も素敵

写真:沢原 馨

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青島を訪れた人のほとんどが青島神社に参拝した後はそのまま帰って行くのですが、青島の西岸部(弥生橋から見て左手)にも足を延ばしてみて欲しいのです。

そこから西に視線を向ければ、青島から続く青島海水浴場、「こどものくに」、さらに加江田川の河口を経て北へと海岸線が延び、美しい景観を見せています。その風景をビロー樹の葉陰から眺めるのが、なかなか素敵なのです。その景色をぜひ、楽しんでくださいね。そこから見る夕陽の美しさも定評のあるものです。ロマンティックなひとときが過ごせますよ。

「新婚旅行ブーム」に沸いた宮崎と青島

「新婚旅行ブーム」に沸いた宮崎と青島

写真:沢原 馨

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かつて宮崎は新婚旅行先として人気を集めた時代がありました。昭和40年代のことです。数多くの新婚旅行客が宮崎を訪れ、そのほとんどが青島にも足を運びました。当時から、青島は宮崎を代表する観光地だったのです。

もしかしたら、この記事をご覧になっている方の中にも、ご本人やご家族の誰かが「新婚旅行で宮崎に行った」という方がいらっしゃるかもしれません。あれからずいぶん時が経ちましたね。変わってしまったものも少なくありませんが、亜熱帯性樹林の繁る青島の姿は今もあの頃のままです。かつての新婚旅行先へ、時を経ての再訪も、きっと素敵ですよ。

宮崎を訪れたなら、まず青島へ

青島の周辺には青島海水浴場や亜熱帯植物園、少し離れて「こどものくに」などの施設があり、ホテルも建っています。近年では青島入口の周辺にお洒落なカフェなども見られるようになり、昔ながらの観光名所的雰囲気から、現代的なリゾート感溢れるエリアに変貌してきています。青島島内の観光を楽しんだ後は、周辺を散策してみるのもいいものですよ。

やはり初夏から夏にかけてが南国の雰囲気に似合ってお勧めの季節ですが、夏の喧噪が退いた時期もよい風情があります。涼しくなって散策も快適です。「海を渡る祭礼」や「裸参り」、秋の例祭などの祭礼を見学しにゆくのもいいですね。もちろん初詣にもお勧めです。

今も昔も変わらず宮崎の代表的観光地であり、魅力的な景勝地であり続ける青島。宮崎を訪れたなら、まず青島へ。いえいえ、青島を目指して宮崎へ。そんなふうにお勧めしたくなる、魅力に満ちた青島です。鬼の洗濯板と山幸彦とビロー樹の木陰が、待っていますよ。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2015/08/09 訪問

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