「有峰(ありみね)」ってご存知ですか?
有峰は富山県の立山連峰の西、岐阜県境近くの山深い所に位置する、かつて秘境中の秘境と呼ばれた「有峰村」のあった所です。人々は有峰ダム建設計画のため大正10年に離村、その後戦争による工事中断などもあり、昭和35年にようやく有峰ダムが完成しています。
その有峰ダムの人造湖「有峰湖」の周辺を走るのが、有峰林道。山奥深く広がる林道の総距離は93kmといいますから、すごい規模です。秘境と呼ばれていただけあって、周囲はもうどこを見渡しても自然! 自然好きの人にはたまりません。なお林道といっても、全線舗装で整備されていますので、林道が初めてという方でも安心して走れます。
有料林道である有峰林道に入るには、3カ所のゲートが選べます。そしてそれぞれが、観光の拠点となるダム湖畔の有峰記念館、有峰ハウス、ビジターセンターへとつながっています。「水須」からの小口川線(28km)と「亀谷」からの小見線(14km)は、ともに北側の富山側からのアプローチ。そして南からのアプローチが、岐阜県飛騨市神岡町から飛越トンネルで入る東谷線(23km)です。前後の観光場所や時間に応じて選択されるといいでしょう。
このあたりは大変雪深い地域、そのため林道が通れる期間は例年6月〜11月初旬までとなっています。でもその半年間の開設期間で、春は新緑、夏は避暑、秋は紅葉など季節の自然の素晴らしさを思う存分に味わうことができます。一番のオススメの時期は、やはり紅葉シーズンでしょう。山全体が赤く染まる様はもう半端ない美しさで、それが林道のあちらこちらで見ることができるのも、嬉しいところです!
標高350mくらいのゲート入り口からダム湖までの標高差は600m以上、折立キャンプ場だとその差1000m、そして飛越トンネルとは何と1200mもの標高差があるのです。ですので最初はうっすらとした紅葉が、標高を上げるにしたがって赤く色づいていくのがはっきりとわかります。林道ドライブで、その時の紅葉のピークを探すのもおもしろいでしょう。紅葉の色の変化を見ながらの快適ドライブ、もういうことはありません。
ダム湖の周辺に、広くのびる有峰林道のオススメの絶景ポイントを、ご紹介しておきます。
写真は、小口川線の祐延貯水池を少し東へ行った所にある展望台です。道路脇に駐車場があるのですぐにわかるでしょう。そして、ここから見えるのが立山連峰の山々。春、秋には頂きを白く雪化粧をした雄大な薬師岳の大パノラマを見渡すことができ、その絶景には時間が経つのも忘れて見とれるばかり。超オススメのポイントですので、ぜひお立ち寄りください。ただこのあたりは標高が1500m近くあり、時期によっては大変冷えます。防寒の準備を忘れないようにしてください。
他には、ダム湖畔の展望台からの夕陽の湖面と、湖に浮かぶ宝来島の絶景も見逃してはいけません。また、有峰記念館屋上からは山々の絶景を見渡すことができ、これも押さえておきたいところです。もちろん林道随所にも絶景ポイントがありますので、お見逃しのないように!
そして穴場的なのが祐延貯水池です。そこで見る早朝の朝霧の中の風景は大変美しく幻想的!ぜひご覧いただきたい風景です。
林道ゲートは早朝6時に開きます。この時刻から一番に小口川線ゲートを入り、朝もやに光る木々の葉を見ながら祐延貯水池の駐車場まで行きます。そこにはきっと、冷えた湖面が陽の光りに温められて霧となり、朝霧が周囲を覆う幻想的な風景が広がっているでしょう。この祐延貯水池の駐車場にはトイレもありますので、休憩を兼ねて、ゆっくりと散策するのもいいかもしれません。
最後に、有峰林道にある主な施設をご紹介しておきます。
■有峰記念館→秘境・有峰村に関する展示、屋上からの展望、1階にはレストラン(11:00〜15:00)
■ビジターセンター→有峰の自然や歴史・文化などの展示や紹介、グッズ販売
■有峰ハウス→宿泊施設(月曜日休館)
■猪根山遊歩道→ブナ林や展望台からの景観が楽しめます
以上は、有峰湖の最北部の湖畔にあります。
■冷夕谷キャンプ場→湖の西側湖畔の林間キャンプ場で、ロッジもあります
■折立キャンプ場→湖の東側山間部にある無料キャンプ場で、広々としたサイト。薬師岳登山口にあります
※どちらのキャンプ場もシャワーや入浴施設はありません。また食材の購入なども現地ではできませんのでご注意ください。
なお林道走行に関しては、安全や自然保護のためのルールが設けられていますので、料金ゲートでもらう案内パンフレットをご確認ください。
いかがでしたでしょうか、有峰林道。
有峰の自然を満喫したいという方は、有峰ハウスやキャンプ場で宿泊して、じっくりと時間をかけての観光もいいでしょう。朝の有峰は、本当に最高ですよ。ぜひゆっくりと、有峰の自然を味わってみてください。
なお周辺には動物がたくさん生息しています。遊歩道の散策の際には、熊鈴などを用意しておいた方がいいでしょう。
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(2025/1/19更新)
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