柏屋は、千葉県の銚子市に位置します。駅前にあるわけではなく、海岸に近い住宅街にひっそりと佇んでいるといった風情です。お店ではあるのですが建物は民家。さらに、家の前には広いお庭も整備されており、都会ではなかなか味わえない雰囲気であることもここの魅力の一つです。
ここで売られているぬれせんは、この民家の中で職人の方がひっきりなしに焼いており、その光景を見ることもできますよ!
柏屋に来て真っ先に目に入るのが、この旗。「賞味期限58秒」とまさにそのまま書かれたこんな旗は、ここでしか見ることはできないでしょう。世の中にある様々な食べ物に賞味期限はありますが、58秒というタイムは衝撃の一言。
こちらが、まさに焼きたての柏屋のぬれせん。賞味期限が58秒ということで出された瞬間に食べなくてはいけない品でございます。でも、58秒というのはただのネタというわけではなく、本当に早く食べると歯ごたえや、せんべいのぬれ具合が申し分ないのですが、ちょっと時間が経つと新鮮なものとは味や歯ごたえが落ちてしまいます。
このぬれせん、元々は1960年の時に商品のおまけとして頒布したのが始まりということで主商品ではありませんでした。商品化されたのは1963年であり、現在は商標登録も行われているのです。
そのため同じ食べ物であっても、柏屋でのみ「ぬれせん」という言葉を使うことができ、その他の場所では「ぬれせんべい」という名前になります。
ぬれせんは、1枚単位ではなく5枚600円で売っているのでご注意を!つまり、1人で来るとなると5枚を58秒で食べなくてはいけませんが、人間レベルではそれは不可能です。
ということで、複数人で訪れるといいかもしれないですね。ぬれせんを注文するとお茶も出してくれるので、最初は新鮮な味を楽しんでそのあとはお茶を飲みながらゆっくり食べてみるのもいいかも知れませんよ!
柏屋が発祥となり、銚子市の名物となったぬれせんべい。それには、鉄道を救った物語もあるのです。その鉄道とは、銚子市の銚子駅〜外川駅の6.4kmを走る銚子電鉄。モータリゼーション化が進むことによって、次第に乗客が減ったことにより、一時は廃線になってしまう危機に陥ったのです。
そして資金が必要になった時、地元のぬれせんを使って「オンライン・ショッピング」を行う他、「ぬれ煎餅買ってください。電車修理代を稼がなくちゃいけないんです」という文言をHPに載せたところ問い合わせが殺到。
以上の経緯を経て、銚子電鉄は廃線の危機を逃れたのです。
千葉県の銚子市名物のぬれせん。その発祥であり、賞味期限が58秒というネタを含むだけでなく、味も納得の柏屋のぬれせん。
ぜひ銚子へ来て、この味やぬれせんに関しての背景を柏屋で感じ取っていただければと思います。ちなみに、売り切れ次第終了となっており、午後まではやっていないことも。午前中に訪問することをお勧めします!
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