写真:Naoyuki 金井
地図を見る殆ど埼玉県民しか知らない2015年に発売されたご当地ソング「人生たまたま・・・さいたまで」。2007年に40.9℃の日本一の気温を記録した熊谷市を、"最高気温が一位になると「暑いの嫌なの・・・」、本音は嬉しい埼玉"と歌っています。
こうした記録から熊谷市、熊谷市観光協会などでは「あついぞ!熊谷」をキャッチフレーズとして更なる街の発展を願いました。しかし、あまりにも"暑い"というイメージが定着して、熊谷に住みたくないと云う方が続出してきたので、熊谷市としては2015年から「暑いぞ!熊谷」を辞めてしまいました。そんな折、2019年ラグビーW杯日本大会開催地になり、熊谷は再び暑い街として注目を浴びることになるのです。やはり"あついぞ!熊谷"は切っても切れないのです。
写真:Naoyuki 金井
地図を見るそんな「あついぞ!熊谷」のほぼ真ん中にある「高城神社」の創建は不詳ですが、延喜5(905)年の延喜式神名帳には記されている式内社の歴史ある古社です。天正18年の小田原攻めで社殿を焼失しましたが、忍城主阿部忠秋により再興されました。境内にはその歴史を誇るかのように多数の記念碑があり、三の鳥居の先の樹齢約400年とみられるご神木の大欅がシンボルです。
ご祭神は神話の神・高皇産霊尊(タカムスビノムコト)で、「産(ムスビ)」の名の通り「縁結び」「安産」「家内円満」に導く神として崇敬されてきました。現在でも毎年6月に「胎内くぐり」や12月の「酉の市」には多くの人たちが集まり、決して派手ではありませんが1100年以上の古刹を永く篤く親しんでいるのです。
写真:Naoyuki 金井
地図を見る高城神社で俄然注目なのが「おみくじ」。
おみくじと云っても一風変わったおみくじで、"日本一長いおみくじ"なのです。「長いおみくじ」とあるので巻物のようなおみくじを想像しますが、みくじ棒が日本一長いおみくじです。左側にあるのが極一般的なおみくじで、みくじ箱が110cmで、みくじ棒が80cmという長さです。
引いてみると意外とみくじ棒を取り出すのが結構大変です。まずはガチャガチャとケースを揺らすのが大変で、みくじケースとみくじ棒をあわせると凡そ2mですから、取り出すのも一苦労と云う訳です。
苦労の割に凶だったら、より割が合わないと思うでしょうが、そこは「長〜い目で見てあげてください」。
写真:Naoyuki 金井
地図を見る日本一長いおみくじと並んで人気なのが、丸くて可愛いと評判の「むすび玉」。玉の中に入っている紙を取り出して、願い事を書いて玉の中に戻して神社に奉納します。
「素敵な人と巡り会えますように!」と恋愛のことを祈ったり、家族の幸せを願ったり、尖ったところのない優しい気持ちで、心を込めて祈ればあなたの願いを結んでくれます。
写真:Naoyuki 金井
地図を見る三の鳥居のすぐ右手にあるのが熊谷市指定有形民俗文化財の「常夜灯」。
高さ275cmの青銅製の燈籠は、天保12(1841)年に建てられたもの。灯籠の台座には、県内はもとより江戸・川崎・桐生・高崎・京都など広範囲に150名もの紺屋の名前が奉納者として刻まれており、高城神社がその藍染業者から篤い信仰を受けてきた事実を物語る文化財です。
こうした貴重な文化財ですが、昨今、この常夜灯を参拝する若い女性を目にします。これは"藍染=愛に染まる"という全くのゴロ合わせから広まったもので、無邪気な縁結びではありますが、全くのデタラメでもないのです。そもそも高城神社は明治以前の神仏習合の際には、恋愛・縁結び・家庭円満を司る「愛染明王」を祀っていたことから、"愛染=藍染"と解釈して藍染業者が信仰していたのです。まさに歴史は繰り返されるのです。
高城神社と同じ祭神である「東京大神宮」は縁結びのメッカ。また同じ熊谷市内にある「妻沼聖天」は縁結びの国宝。どちらと比べても高城神社は地味〜で控えめですが、歴史的には二社よりも古く、長〜く親しまれてきたのです。
日本一長〜いおみくじで、縁結び、開運のご利益を授与されてくださいね。
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(2024/3/29更新)
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