世界遺産登録!ル・コルビュジエ作品としての「国立西洋美術館」を堪能しよう

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世界遺産登録!ル・コルビュジエ作品としての「国立西洋美術館」を堪能しよう

世界遺産登録!ル・コルビュジエ作品としての「国立西洋美術館」を堪能しよう

更新日:2016/09/23 18:56

和田 明子のプロフィール写真 和田 明子 グラフィックデザイナー、ライター、エディター、かわいいもの探求家

近代建築の巨匠ル・コルビュジエの建築作品群が2016年7月、世界文化遺産に登録されました。その中のひとつに、日本唯一のル・コルビュジエ作品である国立西洋美術館も選ばれ大きな話題をよんでいます。この上野の森に建つ四角い箱には「無限成長美術館」「モデュロール」など、ル・コルビュジエが描いた多くの思いが入っているのです。美術鑑賞と共に、もうひとつの芸術作品ともいうべき建物も堪能しましょう!

これぞ近代建築!といった感じのたたずまい

これぞ近代建築!といった感じのたたずまい

提供元:(C)国立西洋美術館

http://www.nmwa.go.jp/地図を見る

国立西洋美術館が完成したのは1959年。設計者であるル・コルビュジエは先立つこと4年前の1955年に来日し、現地を視察。翌1956年に基本設計図が送られてきました。それをもとにル・コルビュジエの弟子だった日本人建築家の坂倉準三、前川國男、吉阪隆正の3人が実施設計を行いました。

スマートな柱が等間隔に並ぶピロティの上に端正な四角い箱がのっている姿は、これぞ近代建築!と叫びたくなるような素敵なたたずまいで、建築好きの人にとっては美術館に入る前からワクワクすること間違いなしです。ピロティは現在は半分ほどガラスで仕切られていますが、開館当時は奥まで開放されており、椅子なども置かれ来館者にとっては憩いの場でもあったそうです。

本館1階は自然光が降り注ぐ吹き抜けのホール

本館1階は自然光が降り注ぐ吹き抜けのホール

写真:和田 明子

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常設展の入ロを入ってすぐの吹き抜けのホールが、ロダンの彫刻の数々が置かれた「19世紀ホール」です。この場所と2階をつなぐのは階段ではなく、ル・コルビュジエの傑作「サヴォア邸と庭師小屋」にも使われた「スロープ(斜路)」。階段と違い段差を気にすることなく行き来ができるので、移動しながら様々な角度で作品を見ることができます。

また移動中、2階展示室の作品が所々チラりと見えるのですが、これは「あの作品は何だろう?」「一体どんな絵なんだろう?」と、これから対面する作品への期待を高めるような仕掛けにしているのです。心憎い演出ですね。

無限成長を可能にする回廊型の展示スペース

無限成長を可能にする回廊型の展示スペース

写真:和田 明子

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ル・コルビュジエがこの美術館の設計をしたときに「無限成長美術館」というコンセプトを提案しました。これは開館後にコレクション数が増えていったとき、外側に渦巻き状に増築することで無限に対応できるようにしようという考え方です。その構想に基づいて建てられた本館の2階部分は、19世紀ホールを展示スペースが正方形に囲み、ぐるりと周回しながら閲覧する造りになっているため、どこまでも展示が続いているような錯覚を覚えます。この摩訶不思議な感覚はほかの美術館では味わえません。

本館2階でもうひとつ注目してほしいのが、天井の低くなっている部分です。その上のガラス張りの部屋はかつては屋上から取り入れた自然光を利用して展示室を照らすための場所として使われていました。現在は人工照明が使われています。この部屋までの高さが226センチなのですが、これはル・コルビュジエが提唱した寸法規格「モデュロール」によって決められました。この高さは、身長183センチの男性が手を伸ばしたときの高さ、なのです。国立西洋美術館では、ほかにも柱の間隔や前庭の石畳など様々なところでこのモデュロールが使われています。

ル・コルビュジエの才能は建築にとどまらない

ル・コルビュジエの才能は建築にとどまらない

写真:和田 明子

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ル・コルビュジエは建築設計以外にも、絵を描いたり書籍や家具をデザインするなど、多彩な才能を発揮した人です。本館1階に展示作品の解説映像を流しているコーナーがあるのですが、そこにはなんとル・コルビュジエデザインの「LC4 シェーズロング」というチェアと、「LC2 ソファ」が置かれているのです。ル・コルビュジエの建物でル・コルビュジエの椅子に座って時を過ごすなんて贅沢なことですよね。

弟子の前川國男が作った新館も見逃せない

弟子の前川國男が作った新館も見逃せない

写真:和田 明子

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本館2階の展示は14世紀の古い絵画から始まり、順番に見ていくと時代が進んで行きます。そこから渡り廊下を通って新館に入ると、近代絵画の巨匠モネ、ゴッホ、ピカソなどが待っています。その新館を設計したのがル・コルビュジエの弟子である前川國男です。

美術館はもちろん美術作品が主役ですが、その名画の数々が収められているのが、世界文化遺産のル・コルビュジエ建築とその弟子である前川國男が手掛けた空間、という点が国立西洋美術館の大きな特徴です。訪れた際にはぜひ建物鑑賞もお楽しみください。

近隣の前川國男作品も合わせてどうぞ

ミュージアムショップでは、美術館の目玉作品のひとつであるロダンの彫刻にちなんで「考える人」グッズを多数展開。最近では世界文化遺産登録を記念して作られたタオルも人気だとか。ちなみに同ショップで扱っているものはすべてここでしか買えないオリジナル商品となっております。またモネの絵にちなんで名付けられたカフェ「すいれん」では、コース料理からオムライスやカレーなどの一品料理、スイーツなどを味わうことができます。

上野「国立西洋美術館」の周囲には「東京文化会館」「東京都美術館」という2つの前川國男作品があるので、合わせてそちらにも足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/09/08 訪問

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