神秘の闇を歩く!恵光院「高野山奥之院ナイトツアー」で夜参り

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神秘の闇を歩く!恵光院「高野山奥之院ナイトツアー」で夜参り

神秘の闇を歩く!恵光院「高野山奥之院ナイトツアー」で夜参り

更新日:2016/09/27 20:36

高橋 樂のプロフィール写真 高橋 樂 旅行ブロガー

近年、国内外から大注目の一大霊場、世界遺産の和歌山県・高野山。
高野山では様々な修行体験ができますが、中でも有資格ガイドと一緒に夜参りする、宿坊・恵光院主催の「高野山奥之院ナイトツアー」はお勧めです。
夜の闇に包まれた神秘の奥の院。参道を通れば、燈籠の光に老杉や苔むす墓石群がぼんやり浮かび、そこはまるで、あの世とこの世の交差点。弘法大師御廟前での読経は一際胸に響き、明日への活力を頂けます。

宿坊・恵光院主催の「高野山奥之院ナイトツアー」

宿坊・恵光院主催の「高野山奥之院ナイトツアー」

写真:高橋 樂

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高野山は、弘法大師(空海)により真言密教の根本道場が開かれてから、2015年で開創1200年を迎えました。その信仰の中心は奥の院。大師の御廟を筆頭に、貴族に戦国武将、実業家に名もなき庶民まで20万基もの墓があるといわれています。あらゆる人々の魂が等しく受け入れられ弔われる場所です。
こうして沢山の墓があるのは、平安後期に高野聖と呼ばれた僧が、全国を巡遊し遺骨を預かり納骨し、教えを説いて浄財を集めたことが始まりです。

奥の院は24時間参拝可能ですが、個人で、お墓がひしめく参道を歩くのは少々勇気がいりますね。そこで、お勧めしたいのは、人気の宿坊・恵光院主催の「高野山奥之院ナイトツアー」です。ガイドは、金剛峯寺境内案内人有資格者の方です。外国人からも人気で、英語でのツアーも催行されています。

出発は集合場所の恵光院から。一の橋から入る正式ルートで参拝します。神秘的な闇の参道を、弘法大師や真言密教のお話に耳を傾け、ちょっと怖い伝説話にはゾクリとしながら進みます。

五輪塔と燈籠の意味

五輪塔と燈籠の意味

写真:高橋 樂

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参道を歩けば、樹齢数百年を超す老杉に囲まれ、夜目にぼんやり浮かび上がる無数の苔むした五輪塔と燈籠に墓石、地蔵像…、時々ムササビの鳴き声も聞こえます。時空を超えて、あの世とこの世の境を歩いているかのような不思議な感覚になります。

参道には沢山の五輪塔がありますが、これは、上から順に、密教の教えである宇宙の構成要素“空・風・火・水・地”を象っているそうです。弘法大師はこの五要素に「識(意識)」を加え、宇宙は六大要素で成り立っていて、互いに結びつき溶け合っていると説きました。
夜は、昼間とは全く違い、余計ものが見えない分、感覚が研ぎ澄まされます。「自然(宇宙)と一体になる」という弘法大師の説いた宇宙観にも少し近けるような気がしてきますね。

汗をかいて苦しみを身代わりしてくださる「汗かき地蔵」

汗をかいて苦しみを身代わりしてくださる「汗かき地蔵」

写真:高橋 樂

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中の橋を過ぎると「汗かき地蔵」のお堂があります。
こちらの汗かき地蔵は、一切衆生人々の苦しみや穢れ・罪の身代わりとなり、一身に受けてくださっているため、いつも汗をかいていると言われています。感謝の気持ちでお参り致しましょう。

因みに、お堂の上に貼られている切り絵の紙は、「宝来」と呼ばれる縁起物です。高野山では寺のみならず一般家庭でも、玄関、神棚等に掛けられています。しめ縄のような意味合いですが、年中掛けておいて正月に新しいものに交換するそうです。

このお堂の右側にあるのは、「姿見の井戸」です。井戸を覗きこんで、自分の顔が映らなければ三年以内に死ぬそうです。…ゴクリ…生唾を飲みますね。勇気のある方は、是非覗いてみてください。

要注意!転ぶと3年以内に死ぬ!?「覚鑁坂」

要注意!転ぶと3年以内に死ぬ!?「覚鑁坂」

写真:高橋 樂

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汗かき地蔵を過ぎてすぐ、石の階段に差し掛かります。
ここにもまた怖〜い三年法則が…!

ガイドの僧侶の方曰く、「ここは覚鑁坂(かくばんざか)・別名、三年坂と呼ばれています。ここを通る時くれぐれも注意してください。途中で転ぶと“三年以内に死ぬ”と言われていますよ」ですって!

これは悠長に写真を撮っている場合ではありません!しっかり足元を見て歩いてくださいね。階段は四十三段あり、四十ニ(死に)を超えるという意味だそうで、なんとも、霊場・高野山らしい謂れです。

「覚鑁坂」の名は、平安時代後期の高野山中興の祖と呼ばれた名僧・覚鑁に由来します。
覚鑁は、時の権力者・鳥羽上皇を後ろ盾に、堕落し勢力を失っていた高野山を復権させ、大改革を行い、教義を深めるための大伝法院や僧坊・密厳院を建立しました。当時の権力者は信仰心が篤く、寺とは頼り頼られ、密接な間柄だったようです。

その後覚鑁は、宗派内の対立で現在の根来寺に移りますが、その際、大伝法院や密厳院は焼き討ちにされました。現在、その密厳院跡に、覚鑁を祀る「密厳堂」というお堂が建てられています。その前の坂がこの「覚鑁坂」です。

御廟橋のたもとの「水向け地蔵」

御廟橋のたもとの「水向け地蔵」

写真:高橋 樂

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さて、いよいよ最も厳粛な場所、奥之院弘法大師御廟へ近づきます。ここは、弘法大師が835年3月21日ご入定された後もなお、一切衆生の為に祈りを捧げ続けていらっしゃる場所です。

御廟へ渡る御廟橋のたもとに「水向け地蔵」があります。橋を渡る前に、こちらのお地蔵様に水をかけてお参りします。
中の橋のそばの「汗かき地蔵」では、私達の身代わりとなって汗を流してくださっている姿を拝み、「水向け地蔵」では、背負ってくださっている苦しみ、罪、穢れを水をかけて汗と一緒に流させて頂くという意味があるそうです。

「御廟橋」には、弘法大師が参拝者を迎えに来てくださっていると言われているので、合掌・一礼してから橋を渡ります。ここから先は写真撮影厳禁です。
「弘法大師御廟」の前にある燈籠堂は、夜は閉まっていますので、脇の廊下を通り後ろにある御廟前に到着します。

そこでガイドの僧侶の方の説法があり、般若心経を唱えてくださいますので、心静かに祈りましょう。すぐそばに、御身をもって、私達のために永遠に祈り続けてくださっている大師がいらっしゃると思うと、自然と感謝の気持ちが湧き、「しっかり生きて行こう」と強い気持ちが生まれてきます。

弘法大師は即身成仏され、今も祈り続けているとされているので、1日2回食事が運ばれます(生身供)。御廟内に入り大師のお世話ができるのは、維那(ゆいな)とよばれる高野山の最高管理者だけです。代々維那は、決して、内部の様子を他言することはなく、他の者は一切大師のご様子を伺い知ることはできません。

まとめ・注意事項

日本三大霊場の一つ、高野山奥の院。20万基とも30万基とも言われる墓を有し、この世とあの世が交わる場所です。「高野山奥之院ナイトツアー」に参加して、真言密教の話や高野山の伝説を聞きながら、闇に包まれた神秘の参道を歩き、弘法大師のおそば近くで祈りませんか?心身共にリフレッシュ、明日へのパワーを頂けますよ。

■注意事項
・恵光院宿泊者以外でも参加可能。
・予約は当日午後以降可能。催行可否と併せて電話でお問い合わせください。
・片道約1.9キロメートル、所要時間約1時間15分のツアーです。
・解散は、20:40奥之院御供所ですが、宿坊が集まるエリアまで約30分かかります。門限がある場合は、宿泊先にご相談の上ご参加されることをお勧めします。お風呂の時間も要確認です。
・転んだら大変なので歩きやすい靴と、夜は冷えるので防寒対策もお忘れなく!

※申込・スケジュール・料金の詳細は、下記関連【MEMO】の公式HPをご参照ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/09/11 訪問

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