幻想的!2万本の竹燈籠が城下町を美しく彩る・竹田「竹楽」

幻想的!2万本の竹燈籠が城下町を美しく彩る・竹田「竹楽」

更新日:2017/09/28 10:29

荒城の月を作曲した瀧廉太郎が少年期を過ごした大分県竹田市竹田(たけた)。岡藩として栄えた城下町の様子を現代に残し、武家屋敷の白壁や昔と変わらない仏閣の姿は当時の隆盛を物語ります。2017年に第18回を数える「竹楽(ちくらく)」はこの町並みを舞台に行われるイベントで、およそ2万本の竹灯籠が城下町を美しく彩ります。古き良き風景とゆらめく炎が連なる幻想的な世界は、晩秋の旅先としてもオススメですよ。

川岸にそそり立つ岡城跡を散策し、荒城の月に込めた思いを巡らす

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大分県南西部に位置する、奥豊後の城下町「竹田」。この町のシンボルとされるのが、難攻不落の名城と語られる岡城です。緒方惟義が源義経を迎え入れるために築城したとの伝承や、瀧廉太郎がこの岡城にて「荒城の月」をイメージしたとも言われています。残念ながら明治期の廃城令により城内の建造物はすべて破却されましたが、川岸より堂々とそびえ立つ石垣に当時の姿が偲ばれます。

また、春は桜が咲き誇り、秋には紅葉が石垣を美しく染める絶好の観光スポット。竹楽が始まるまでの時間は岡城跡の散策をして過ごしましょう。

連なる光が描く幽玄な世界は圧巻の一言 十六羅漢像は必ず訪れたい!

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竹楽を代表する見どころがこちらの「観音寺・十六羅漢」です。古い石段を上った先には観音寺があり、右側の崖には石造りの十六羅漢像が並んでいます。ここだけで3000本もの竹灯籠が使われ、闇夜に続くように連なる光の流れは見る者を魅了します。

なお竹燈籠は1本ずつ立っているのではなく、長さが異なる竹を三本組みにするのが基本。それらをどのような配置にするのかは「化粧師」と呼ばれる空間アーティスト達の技の見せどころです。街並みや建物を計算しつつ、昼とは全く異なる幽玄な世界を演出します。竹燈籠に火が灯るのは16時30分頃から。夜がふけるにつれて少しずつ竹灯籠の明かりが浮かび上がってゆきます。

竹楽の期間中は城下町への車の乗り入れが規制されます。車で訪れる際は臨時駐車場に停め、シャトルバスでJR豊後竹田駅まで向かいましょう。JR豊後竹田駅より「歴史の道」に沿って散策するコースがオススメですが、人が多い時間帯を避けてスポットを回るのも良いかもしれません。ただし一方通行になっている道もあるので注意して下さい。

オルゴールの音色が響く小さなトンネル

オルゴールの音色が響く小さなトンネル
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観光名所として人気の高い「廉太郎トンネル」も見どころのひとつ。幅2.5m、長さ15mほどの小さなトンネル内にも竹灯籠が置かれ、竹楽の時にしか見られない情景が広がります。中を歩くと「荒城の月」や「はとぽっぽ」など、滝廉太郎の曲がオルゴールの音色でランダムに流れるのも魅力です。また、すぐ近くには「瀧廉太郎記念館」があり、瀧廉太郎が12歳から14歳まで過ごした家屋の一部を公開しています。

お気に入りの光景は記念に留めたい

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竹楽の美しさを演出するのは、町の至る所にある高低差と言えるでしょう。寺や神社の急階段に竹燈籠が立体的に並ぶことで奥行きのある美しさが広がります。十六羅漢のほかにも、「広瀬神社」や「キリシタン洞窟礼拝堂跡」なども人気です。訪れる際はぜひ三脚を持参して、幻想的な写真を撮ってみて下さい。

竹燈籠が並ぶ道沿いには屋台村が建ち並び、竹田のグルメも堪能できます。歩き疲れた際は地元の食を楽しむのもいいかもしれません。

小さな城下町に灯る、竹楽の美を体感

竹楽の開催時期は毎年11月第3週の金・土・日の3日間。2017年は11月17日(金)・18日(土)・19日(日)となります。
早めに訪れて昼の岡城跡や武家屋敷を見て過ごしたり、16時30分からの点火作業に参加してみるのもまた良しです。大人がついていれば小さな子でも体験できるので、まずは特設の竹楽案内所を訪れましょう。

今では各地で竹燈籠のイベントが開催されますが、竹田の竹楽は町全体に流れる空気感が素晴らしく思います。都市部からは離れているとはいえ、一度行ってみる価値ありです!

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掲載内容は執筆時点のものです。 2010/11/20 訪問

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