幻の山形天保そばの俵も!鈴木製粉所・石臼館にはそば粉の魅力がいっぱい

幻の山形天保そばの俵も!鈴木製粉所・石臼館にはそば粉の魅力がいっぱい

更新日:2016/09/30 09:25

mikami kaoriのプロフィール写真 mikami kaori アナログ&スケッチイラストレーター、ほっこり旅ブロガー
そば好きならば手打ちそばを食べたいと思うものですが、そばを打つ前に、製粉という工程があることをご存知でしょうか。この「そばの製粉」に熱心に取り組んでいるのが、そばどころ山形にある「鈴木製粉所」。鈴木製粉所にはとても美しい石臼製粉機による製粉の工程を見学できる「石臼館」が併設されており、そば好きならば興味を惹かれずにはいられない「幻の山形天保そば」にまつわるエピソードも知ることができます!

そばひきの石臼には性格がある!?

そばひきの石臼には性格がある!?

写真:mikami kaori

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「そばひき」や「そばの製粉」にはどんなイメージを持っていますか?そば好きな方でも漠然としたイメージではないでしょうか。山形県蔵王連峰のほど近く、自然豊かな山形市滑川に、「石臼によるそばの製粉」をじっくりと見学できる「鈴木製粉所・石臼館」があります。

「石臼によるそばの製粉」、なんとなく小規模な機械や手作業でやっているものなのかな...と想像する方もいると思いますが、鈴木製粉所の「石臼館」を見学してびっくり!銀色にキラキラと輝くとても美しい石臼製粉機の石臼がくるくると華麗に回っているのです。また、床素材は目にも温かみのある木材の桐!工場の機械というよりは、木のお部屋で働く美しいロボットをみているようです。

「石臼館」の石臼に使用されている石は、地元山形の馬見ヶ崎川でとれた「目隙石(めすきいし)」。20台の石臼機が数種類のそばをひいています。この、「そばひきの石臼」は、一見同じようにみえて、ひとつひとつ性格が異なるのだと、鈴木製粉所の専務さん。石臼の性格を見極め、原料との相性を考え、石臼による製粉を行っています。また、気候条件や製粉前の下処理、製粉後のふるいの仕方、そば粉のブレンドの有無や加減、緻密な配慮と経験による幾通りもの製粉工程により、様々な種類のそば粉が鈴木製粉所では作り出されています。(石臼以外の方法による製粉も別の工場で行っています)

160年間、天保のそばの実を守り抜いた俵を見よう!

160年間、天保のそばの実を守り抜いた俵を見よう!

写真:mikami kaori

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鈴木製粉所の「石臼館」では、石臼による製粉工程の他、「幻の山形天保そば」に関する展示を見学することができます。「幻」、「天保」と聞くだけで、そば好きならば、ムクムクと興味がわいてきますよね。

「幻の山形天保そば」とは、「幻の山形天保そば保存会」によって、「天保時代(1830〜1844)」のそばが「原種」のまま蘇った、まさに幻のそば。江戸時代のそばの実が発見されたことがまず奇跡でもあり、そのそばの実を発芽、開花させ、結実にまで導き、「そば」として蘇らせたことには、そばへの深い愛情と飽くなき挑戦心を感じます。

この「天保そば」の実が発見されたのは平成10年のこと。福島県大熊町の旧家・横川家の屋根裏を解体したときに、俵に大切に保管されていたそばの実が見つかりました。そして、この幻のそばの実は、紆余曲折を経て、平成11年、当時の鈴木製粉社長のもとに届いたのです。鈴木製粉に届くまでの間、大学や研究機関では発芽させることができなかった「天保そばの実」。しかし、当時の鈴木製粉社長・故鈴木彦市氏は諦めることなく、山形のそば職人さんたちに声をかけ、そこから「天保そば」復活への挑戦が始まったのでした。

現代に蘇った浪漫いっぱいの「天保そば」

現代に蘇った浪漫いっぱいの「天保そば」

写真:mikami kaori

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「幻の山形天保そば保存会」では、「天保そば」の原種が交雑しないよう山形県酒田市の離島・飛島で種を栽培し、地元の方の協力などを得ながら、種を大切に守り続け、収穫量を増やしていきました。そして、期間限定ではあるものの、「天保そば」をお店で提供するにまで至ったのです。

江戸時代のおそばの「原種のまま」の復活。とても浪漫を感じますね。そばへの愛情と積み重ねてきた経験や知恵の賜物ともいえる「幻の山形天保そば」は、山形県内の保存会会員のお店で期間限定でいただくことができます。

石臼館にはそば粉の魅力がいっぱい

石臼館にはそば粉の魅力がいっぱい

写真:mikami kaori

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鈴木製粉所「石臼館」では、「そば粉」を購入することもできます。山形県産の「でわかおり」の他、「石臼館」自慢の石臼でひいたおススメの各種そば粉を気軽に選ぶことができるので、旅の思い出やお土産にもぴったり。そば粉を使ったスイーツやお料理の案内も添えて展示してありますので、参考になりますね。

残念ながら、石臼館でそばを食すことは出来ませんが、手ひき石臼による粉ひき体験をすることが可能で、そのそば粉をお持ち帰りすることができます(有料)。時間と体力(?)に余裕のある方は、ぜひお試しください。持ち帰ったそば粉で世界にひとつだけの自分のそばをうってみるのもいいですね!

そばどころ山形でそば粉にふれ、そばを食す、そんな旅をどうぞ

いかがでしょうか。鈴木製粉所・石臼館。石臼によるそばの製粉工程を見学したり、手ひき石臼による粉ひきを体験したり。幻の山形天保そばにまつわる貴重な俵を観たり。石臼館でそば粉にふれた後は、そば粉をお土産に。そして、山形のおそば屋さんで思う存分そばを堪能する。そんなそば三昧な山形旅をぜひ楽しんでみてくださいね。

石臼館へのアクセスは車がおすすめ。山形市街地から馬見ヶ崎川沿いに走る国道286号線を蔵王方面へ向かった、笹谷街道沿いにあり、山形自動車道・山形蔵王ICからですと、車で10分弱ほどのところにあります。

なお、石臼館の営業日時等や幻の山形天保そば販売等の詳細については、下記MEMO欄をご参照ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/09/21 訪問

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