ボロ宿マニア歓喜!自炊専門の福島「横向温泉・中の湯旅館」で本物の湯治を体験しよう

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ボロ宿マニア歓喜!自炊専門の福島「横向温泉・中の湯旅館」で本物の湯治を体験しよう

ボロ宿マニア歓喜!自炊専門の福島「横向温泉・中の湯旅館」で本物の湯治を体験しよう

更新日:2016/09/28 15:00

フジイ サナエのプロフィール写真 フジイ サナエ 温泉ブロガー

東京から最も近い東北・福島県。福島市と裏磐梯の間に位置する土湯峠周辺には、湯量豊富で個性豊かな温泉地が密集していますが、土湯峠を下った西の外れに、地元の人にもあまり知られていない「横向温泉」という宿が3軒だけの小さな温泉地があります。今回はそのうちの一軒で、お湯の良さと料金の安さに加え、朽ち果てそうな建物が一部のマニアから絶大な人気を誇る「中の湯旅館」をご紹介します。

「レトロ」という感覚を超越した全体的に傾いた建物!!

「レトロ」という感覚を超越した全体的に傾いた建物!!

写真:フジイ サナエ

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福島市と裏磐梯を結ぶ国道115号線沿いには土湯峠は、県内屈指の人気温泉地が密集し、夏は登山、冬はウィンタースポーツの拠点としても人気で、一年を通し大変な賑わいを見せています。この土湯峠の西側の峠を下りきったあたりに見えてくる、巨大なホテルの廃墟が建つ寂れた一帯。ここが横向温泉です。

廃墟の前を通過するとすぐに、一瞬こっちも営業していないんじゃないかと不安になるような外観のホテル「森の旅亭 マウント磐梯」が建っていますが、こちらは古いだけで現在も営業されています。

横向温泉には3つの源泉があり、それぞれ上の湯・中の湯・下の湯と呼ばれていて、マウント磐梯が所有するのが上の湯。中の湯旅館はまんま中の湯で、下の湯は滝川屋という宿が管理しています。

中の湯旅館は、マウント磐梯の前を通過して1キロほどの場所にあり、国道沿いに石でできた大きな旅館の門が立っているのですが、宿の建物は国道からさらに未舗装の道を進んだ先にあるので、門ばかりで建物は全く見えません。平坦なダートコースを200メートルほどで「中の湯旅館」と看板を掲げた木造の建物に到着。

畳が波打っている客室は布団以外は有料レンタル

畳が波打っている客室は布団以外は有料レンタル

写真:フジイ サナエ

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中の湯旅館は自炊専門の湯治宿で、お湯の良さもさることながら、一泊3,000円という破格の料金が魅力。

しかし、安いのにはそれなりに理由もあり、建物の内部は震災で倒壊しなかったのが不思議なぐらいあちこちが歪んでいて、ちょっと不安になるぐらいのボロ屋です。実際、建物の歪みで使えない部屋もかなりあって、現在客室として使用されているのは、建物の一番奥にある増設されたような感じの一角のみ。客室までの階段もかなり傾いていて、床がところどころ腐ってブヨブヨするので、一瞬平衡感覚がおかしくなってしまったかのような錯覚を覚えます。

現在使われている客室も、畳の表面がところどころ波打っているのがわかります。あまりにも床が傾いているので、冬場は暖房を普通に床に置いて使うと安全装置が作動して消えてしまうこともあります。

中の湯旅館では、布団と電気ポットだけはかろうじて客室に備え付けられてはいますが、その他の物は浴衣やテレビ暖房器具にいたるまで全て別料金のレンタルです。歯ブラシやタオルなどは有料の物も無いので、必ず自分で準備して来てください。

料理に必要な設備は一通り揃っている台所は使いやすい!

料理に必要な設備は一通り揃っている台所は使いやすい!

写真:フジイ サナエ

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客室のある建物は、50メートルぐらいある木造の廊下に沿って、1〜2人用の小さな客室がズラッと並んでおり、一番奥の突き当りに自炊用の台所と冷蔵庫が備え付けられています。

近頃の湯治宿は旅館部も併設されていることが多く、頼めば普通の旅館と同じ食事を準備してもらえるところがほとんどですが、中の湯旅館は本当に自炊部しかありません。

台所には、冷蔵庫にガスコンロが3台、レンジとトースター鍋フライパン箸食器など、自炊専門の宿だけあって食材以外のものは一通り揃っていて非常に使いやすいですが、調味料やラップなどの消耗品の備品はないので必要ならばこれらも準備して来て下さい。

ぬる湯で知られる源泉は震災以降湯温が上がってしまった

ぬる湯で知られる源泉は震災以降湯温が上がってしまった

写真:フジイ サナエ

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現代人にはカルチャーショックの連続の中の湯。しかし、温泉のよさは本物で、源泉かけ流しの温泉が24時間入浴可能。露天風呂まであるというのが、かなりのこだわりを感じるポイントです。

泉質は分析表によると単純泉とのことですが、炭酸と鉄分が含まれており湯船の底には茶色い湯の花が大量に舞っています。

ただ一つ残念なのは、横向温泉はぬる湯で知られる温泉地なのですが、3つの源泉の中で中の湯だけが震災の後から急に湯温が上がってしまったために、現在ではどちらかというと熱めになってしまったことです。そのままでも熱くて入れないというほどではないのですが、やはりぬる湯を求めてくるお客さんが多いため、温泉自体はかけ流しでも水でかなり埋められています。

浴室は男女別で、写真は男湯。女湯の方は男湯の半分の大きさの湯船が一つあるだけです。男湯の湯船が仕切られているのは、右側の湯船の源泉だけが他の物と若干泉質が違うからで、この湯船だけは加水しなくてもぬるく析出物も他の湯船よりも多く堆積しています。

男湯のぬるい方の温泉の効能が特に高いことから、浴室の片隅に女湯から入ってこられるように小さな扉がついていて、女性も男湯に入っていいことになっています。

野趣満点の混浴露天は高級ホテルに負けないロケーション!

野趣満点の混浴露天は高級ホテルに負けないロケーション!

写真:フジイ サナエ

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露天風呂は、男湯と女湯の内湯を出た場所にそれぞれ1つずつ岩風呂がありますが、特に男女を分ける塀などもなく、混浴となっています。

渓流沿いの岩風呂は野趣満点。夜は建物の灯りで対岸の林がほんのりライトアップされ、星空の下せせらぎの音を愛でながらの露天風呂は、高級ホテルの大浴場にも負けない贅沢さです。

こちらも湯温は高め。夏場はブヨやアブが大発生するので、日中の入浴は要注意です。

さいごに

自炊専門の湯治宿、横向温泉中の湯旅館いかがだったでしょうか?

横向温泉は、風呂場の前に牛乳の自販機がある他はジュースの自販機すら無く、宿の周辺の半径10キロぐらいの範囲内には食料品が手に入る店がほとんどありません。コンビニすらも皆無なので、食べ物は山に入る前の段階で調達しておいて下さい。

中の湯旅館の予約方法は電話だけですが、店番の人が一人しかいないためなかなか電話がつながらないことがあるので、一回で繋がらなくても何度かいろんな時間帯を狙ってかけてみて下さい。

電話番号は 0242-64-3341 。昼間のほうが繋がりにくいようです。どうしても繋がらない場合は、マウント磐梯が中の湯の親戚なので、そちらに問い合わせてみるといいと思います。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/09/17−2016/09/18 訪問

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