20年に一度!奈良・春日大社の式年造替は見逃せない

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20年に一度!奈良・春日大社の式年造替は見逃せない

20年に一度!奈良・春日大社の式年造替は見逃せない

更新日:2016/09/29 19:09

万葉 りえのプロフィール写真 万葉 りえ アマチュア写真家

710年に都が平城京へ移され、白鹿に乗った神が御蓋山に降り立ってから始まった春日大社の歴史。中断することなく20年に一度の「式年造替」が粛々と行われてきました。
平成27年から28年にかけ行われてきた今回は、後殿参拝所が140年ぶりに開門されており、本殿前では歴史に残るあの武士達が奉納した灯篭も見られます。なにより、いつもはご本殿奥深くにある御祭神を間近に参拝できる特別な期間になっています。

春日大社最大の神事、20年に一度の式年造替

春日大社最大の神事、20年に一度の式年造替

写真:万葉 りえ

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全国各地に奉斎(ほうさい)された分社の数が三千にもなるという奈良の春日大社。興福寺や奈良公園をぬけてくると待っているのは大きな石の鳥居です。そしてそこから始まる苔むした石燈籠が続く参道を行けば、この神社がいかに古い歴史を持っていて、多くの人々の信仰を集めてきたかを感じていただけるでしょう。

深い緑を抜けてやがて見えてくる春日大社の社殿は、朱塗りの色が何とも鮮やか。その鮮やかな色が変わることなく保てるのは、千年以上続く20年に一度の式年造替(ぞうたい)があってこそなのです。

伊勢神宮では式年遷宮(せんぐう)という形をとっています。遷宮は神様のお住まいを違う場所に建て替えていくもの。
造替の場合は、同じ場所に社殿を建て直し調度品も新調します。しかし、一口に調度品といっても、その種類と数はかなりのもの。式年造替は、春日大社の中で最も重要な神事と言って間違いないでしょう。

行ったことがあっても、もう一度お勧めしたい式年造替の期間

行ったことがあっても、もう一度お勧めしたい式年造替の期間

写真:万葉 りえ

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すでに春日大社に参拝された方があるかもしれませんが、それが式年造替の期間でなかったらもう一度訪れることをお勧めします。

春日大社自体は自由に参拝できるし、無料で回廊のある南門の中まで入ることができます。その回廊の内側に、本殿特別参拝の有料部分(500円)があります。その料金が変わらないままで、今回の式年造替の期間中は、通常の本殿特別参拝に加えて普段は入れない場所なども見られるようになっているのです。

まずは順路に従って、春日大社始まりの地、白鹿に乗って神様が下りられてという御蓋山(みかさやま)の遥拝所(ようはいしょ)へ進みましょう。御蓋山は、神聖な山として入山が厳しく制限された山なのです。神様の力が伝わりやすいという山の尾根線上にある遥拝所。鳥居の奥には、深い神秘の森が広がっています。

あの戦国武将が奉納した釣り灯篭

あの戦国武将が奉納した釣り灯篭

写真:万葉 りえ

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回廊の中に下がるたくさんの釣り灯篭は、春日大社の有名な風景の一つですね。時代を重ねた立派なものが春日大社にはいくつも残っており、その中には戦国時代の有名な武将が奉納したものも含まれています。

兜の前立てに「愛」の文字を掲げた、上杉家の重臣・直江兼次。そして豊臣秀吉から一文字をもらって戦国時代を生き抜き50万石の領主となった宇喜多秀家。写真でご覧いただいている灯篭は、右が直江兼次、そして左が宇喜多秀家が奉納したものです。歴史の中ではこのように並ぶことがなかった武将たちですが、ここでは春日の神に同じように深い気持ちを寄せる者どうし並んでいます。

他にも、五代将軍徳川綱吉や、春日社を氏神とした藤堂高虎が奉納した釣り灯篭が中門にそって下げられています。

神様の依代がそろって目前に!

神様の依代がそろって目前に!

写真:万葉 りえ

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式年造替の期間中は、春日の神の四神には別の場所に移っていただかなくてはなりません。現代風にたとえるなら、自宅をリフォームの間、どこかへ住まいを移しているようなものです。

式年造替の間の神々の仮のお住まいが、移殿(うつしどの)と呼ばれる場所です。本来なら四神がそれぞれ別の社となっているご本殿にいらっしゃるのですが、この期間は共同のお住まいになります。その移殿(御仮殿)では、神の依代(よりしろ)とされている鏡が4つ揃って祀られていて、見ることができるようになっています。言い換えれば、4人の神々に直にお会いすることができるようになっているのです。

何の迷いも悩みもなく生きていくのは難しいもの。20年毎にしか巡ってこない、神々に直にお会いできる機会。これは、会いに行かないなんてもったいない!

体感できる、万灯篭に明かりがともる神事

体感できる、万灯篭に明かりがともる神事

写真:万葉 りえ

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戦国武将などが奉納した釣り灯篭が現存していると説明しましたが、これらの灯篭はただの飾りではありません。二月の節分、そして奈良の町がろうそくの明かりで彩られる八月の「なら燈花会」の頃に行われる万灯籠(下記MEMO参照)の期間は、参道の石灯籠をはじめとしてたくさんの灯篭に明かりがともされます。

この式年造替の期間中は、重要文化財の藤波乃屋でその灯篭に明かりがともった様子が再現されています。模様も大きさも異なる細工をされた灯篭に明かりがともる幻想的な世界に入りこんでみませんか。

また、春日大社の御祭神が本殿に戻られた後には、それを祝って奉祝万灯籠が執り行われます。春日大社にあるすべての石灯籠と釣り灯篭に明かりがともされるという歴史の重みと美しさを併せ持つ世界。秋のすごし易い気候で見られるという、またとない機会です。

おわりに

春日大社の御祭神がきれいになった本殿に戻られるのは平成28年11月の予定です。

御造替の時だけにしか行われない舞いなどの神事が色々あり、奉納行事も行われますが、なにより、神様の依代と遮るものなく向かい合って参拝できることはめったにない機会。

ゆったりとした時間が流れていく奈良、春日大社。
いつもの自分を振り返ってみたり、また、20年後を考えてみたり、きっと、いろんなことを感じさせてくれる旅になるはずです。

掲載内容は執筆時点のものです。

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