西沢渓谷にはゲート入り口から、1周約10qのハイキングコースが用意され、道に沿って歩くと多くの滝を楽しむことが出来ます。コースは時計回りと反時計回りで巡る2種類があるのですが、コースの前半に多くの滝が見れる反時計回りのコースがお薦め。元気なあいだに目的は達成してしまいましょう(笑)。ではいよいよ出発です。
まず渓谷の入り口にあるゲートをくぐって1kmほど歩くと、西沢山荘という、現在は休業中の山小屋が見えます。さらに歩くと二俣吊り橋(写真)を渡ります。この吊り橋の下からは川のせせらぎも聞こえますので、それほど高さはなく、向こう岸までの距離も短いのですが、やはりそこは吊り橋、歩くと揺れますので、ちょっとどきどき感、緊張感がありますよ! この橋を渡れば、自ずと渓谷北側の反時計回りコースに入ります。渡りきったところで、ほっと一息。あたりを見回すと、緑の中に所々紅葉が見えます。さあ、ここからが滝と紅葉見物の始まりです。
吊り橋を渡って、最初に見える「大久保の滝」次の「三重の滝」、それに続く「魚止の滝」(よく見えません)を過ぎると、ここからが秋の「滝と紅葉」とが織りなす絶妙の光景が次々に現れます。ただ、この辺りから、コースの一番奥である、「七ツ釜五段の滝」までは、アップダウンがきつく、所によっては鎖場や岩場もあります。距離にして3km程度ですが、足下には十分気をつけて歩いてください。散策路の途中、紅葉と「龍神の滝」や見逃す位に小さな「恋糸の滝」を見ながら川沿いを歩きます。そしてアップダウンも終わりが近づいた踊り場で、「貞泉(さだいずみ)の滝」(写真)に出会います。この滝の規模はそれほど大きくはありませんが、流速は早く、高さの割に滝壺が大きく、勇壮な音が聞こえます。なによりやや険しい道を歩いた緊張感から、いったん解き放たれた時に見られる、この滝はきっと心和むと思います。一時の開放感に浸った一枚。ここでの撮影はお薦めです。
七ツ釜五段の滝は「日本の滝百選」に選ばれており、最上部から5段に連なって流れるのですが、滝全体は曲がっているために、5段が一度に見える位置はありません。最初に下の方の3〜5段目が見えます。その後、少し歩いて上方の1〜3段目(写真)を見ます。この一度に全部を見られないところと、流れる水の色がエメラルドグリーンに輝くところが、その滝の雄大さを物語っております。
そして、2カ所の撮影ポイントから撮った写真は、それぞれの見えない場所の想像をかき立てられる写真となり、後日写真を眺めても、実物を見たときの感動がそのまま蘇ってくること受合いです! 是非2カ所で、この滝をカメラに収めてください。なお展望休憩所もあるので、お弁当を持ってきた方は、ここで一休みする事をお薦めします。またこの先に小ぶりの滝「不動の滝」があります。 これで8滝です。
これからの季節、紅葉は滝とともに西沢渓谷の大きな魅力の1つ。渓谷の北側を歩いている時も、常葉樹の中に紅葉が見え隠れして絶妙なコントラストで我々を迎えてくれています。その中でも、とびっきり美しい対比を見せてくれる場所が不動の滝を過ぎ、登り道を20分ほど歩いた場所にある旧森林鉄道の軌道跡の遊歩道。写真のようなカラーパッチワークの絶景に思わず、何回もシャッターを切ってしまうこと間違いなしです。この森林軌道跡の辺りから、遊歩道が川面から高いところにあるため、視界が上方に開け、大きな山肌が目に飛び込んできます。そのため、この先はこうしたパッチワークがより目立つ光景が続きます。
ここからは旧森林鉄道の軌道跡を歩きます。この鉄道は1968年まで、木材や砕石の運搬に使われていました。いまでもその面影を残しつつ、所々に、模型(写真)が残されています。当時は鉄橋等も整備されていたようですが、いまではその橋脚の残骸が残っているのみとなっています。軌道跡の遊歩道なので、傾斜は緩く、距離が長い割には軽快に歩けます。そして入山したときのゲートまで約6km。ここも景色と歴史遺産を見ながら、80分程掛けて、ゆっくり歩きましょう。なお運が良ければ、終点近くで鹿を見られるかもしれません。
西沢渓谷の散策路上、全部で8つの滝を紹介しました。中には全体が見えにくい滝もありますが、渓谷の北側の散策道で集中的に見られます。是非大小8つの滝と紅葉のコラボレーションをご堪能ください。
また西沢渓谷からの帰りは、温泉で体を温めるも良し、信玄のパワースポット恵林寺で、パワーをもらうも良し。いくつかのオプションも楽しめます。是非この秋の行楽の参考となれば幸いです。
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(2024/12/14更新)
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