明治の匠の技に感動!伊予の小京都・大洲の名建築「臥龍山荘」

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明治の匠の技に感動!伊予の小京都・大洲の名建築「臥龍山荘」

明治の匠の技に感動!伊予の小京都・大洲の名建築「臥龍山荘」

更新日:2016/10/11 15:21

Shinkurouのプロフィール写真 Shinkurou

藩政時代の雰囲気を色濃く残す伊予の小京都・愛媛県大洲市。この街には多くの旅人を魅せる建物が多く残ります。中でも風光明媚な景観を誇る「臥龍山荘」はミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで紹介された、世界的に評価の高い名建築。大洲を流れる肘川のせせらぎ・川面に反射する月光さえも借景するという面白い趣向の山荘です。時代をワープし、ゆったりとした時の流れを感じる伊予への旅はいかがでしょうか?

積み方を変えた石垣が美しい

積み方を変えた石垣が美しい

写真:Shinkurou

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建築美に魅せられてその建物の敷地内に一歩足を踏み入れると、いつのまにか時間が止まってしまったような錯覚を起こすことがありますよね。小京都・大洲にはその素晴らしい体験ができる古い建物が多く残り、今もなお建築当時の風情を保ちながら旅人を魅了し続けています。

今回ご紹介する「臥龍山荘」は、歴代藩主が愛でた景勝地にある別荘で、伊予の小京都・大洲の中心的建物。雅な山門を潜って邸内に入ると最初に目を引くのが積み方を変えた石垣です。

様々な贅や趣向を凝らした数寄屋は多くありますが、建物の基礎となる石垣にまでこだわった山荘は珍しいのではないでしょうか。城郭でよく見る「乱れ積み」だけでなく、植木を囲むように積まれた「末広積み」、肱川の水面と月を現した「流れ積み」を見る事が出来ます。

細部にまで匠の技が

細部にまで匠の技が

写真:Shinkurou

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敷地内には各々異なった趣を持つ3棟の建物があります。中でも最も大きく中心となる建物が「臥龍院」です。

侘びさびを感じさせる玄関を入り最初に迎えてくれるのが「清吹(せいすい)の間」。高天井を持つ珍しい和室で、欄間の透かし彫りがとても美しい部屋です。

また畳下が能舞台用の板間になり、床下には音響調和のための「備前壺」が並べられている「壱是(いっつし)の間」。趣味にこれ程のこだわりを持つなんて、これこそ本当の数寄屋ですよね。

この建物は、桂離宮・修学院離宮などを参考にしたと言われる「数寄屋造り」を堪能できます。また襖の引手など細部にも匠の技を見る事が出来ますよ。

これぞ庭園美!苔むした庭園と上手くマッチした飛び石

これぞ庭園美!苔むした庭園と上手くマッチした飛び石

写真:Shinkurou

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この山荘の見所は建築美だけではありません。先にご紹介した「臥龍院」から外に出ると素晴らしい日本庭園が続きます。目に飛び込むのは、自然と一体になった侘びさびの世界。

美しく整えられた苔と飛び石が庭全体の雰囲気と溶け合い、この山荘ならではの独特の世界を描き出しています。

そしてこの先に見えてくるのが槙の生木を「捨て柱」とした茶室とは、本当に心憎い程の一期一会の世界です。

「不老庵」と呼ばれる屋形船?

「不老庵」と呼ばれる屋形船?

写真:Shinkurou

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「不老庵」と呼ばれるこの茶室は、崖や山の斜面にへばりつくよう「懸造り(かけつくり)」と言われる建築様式で建てられています。川の月光をひろい反射するよう作られた曲線を描く
天井は「網代張り」で、「不老庵」との名のとおり、時の流れが止まったような空間を作りだしています。

縁に出ると屋形船に乗って舟遊びしているような雰囲気。日本を代表する建築家・故黒川紀章氏も絶賛したと言われる世界に誇る数寄屋造りです。和歌・茶道・生け花の風流を好む日本人ならではの数寄屋ですよね。

またこの「不老庵」の横手に回れば「捨て柱」を見る事が出来、そのすぐそばには小さな湧き水に生けられた草花が。この何気ない風流の心が疲れた現代人を和ませ、心を若返らせてくれるのですね。是非訪れて頂きたい癒しの別荘です。

清流「肱川」を借景するダイナミックな景観

清流「肱川」を借景するダイナミックな景観

写真:Shinkurou

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大洲の中心を流れる肱川は、日本三大鵜飼の一つである「大洲鵜飼い」が継承され、夏の風物詩になっています。また少し下流では秋から冬にかけて発生する霧「肱川あらし」でも知られる愛媛県を代表する美しい河川です。

そしてこの「不老庵」は肘川流域でも有数の景勝地「臥龍渕」にせり出したように建っています。周辺の山々に溶け込みながら切り立った崖の上に舞台造りで建てられており、この景観は対岸からも楽しめるのですよ。

まるで肱川が山荘内の庭園に流れ込むかのような景観です。遠くに見える山影だけでなく、川のせせらぎ、川面の光までも借景するというダイナミックさ!これほどこだわった借景は全国的にも珍しいのではないでしょうか。

周辺散策もお勧め

今回は写真でご紹介出来なかったのですが、「知止庵」と呼ばれる茶室もお勧めです。躙口(にじりぐち)から室内を覗くと、藩主の日記の「反故」(書き損じの紙)が貼られとても趣のある空間です。

臥龍山荘の駐車場としては「大洲まちの駅・あさもや」を利用されるのが便利です。まずは館内にある「大洲観光総合案内所」で、散策マップを入手して下さいね。

あさもや周辺には「おおず赤煉瓦館」「思ひ出倉庫」「ポコペン横丁」「おはなはん通り」等江戸時代から幕末までの往時を偲ぶ建物が多く残っています。

ぶらりぶらりと、どこか懐かしい時代散歩が楽しめますよ。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2016/09/24 訪問

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