写真:Hiroko Oji
地図を見るポーランドは、その語源に「平原」といった意味があるほど、平坦な国土に覆われた国ですが、唯一、南端部スロヴァキアとの国境近くには山岳地帯がひろがっています。タトラ(Tatry)山脈といって、ポーランド屈指の避暑地、保養地として人気が高く、山脈の麓にあるザコパネ(Zakopane)の町が、リゾートの拠点。夏はトレッキング客、冬はスキー客で混み合います。
ザコパネの町には、伝統的な木造建築が多く残っており、木彫りや、「オスツィーペック」という羊のスモークチーズ作りが盛んな所です。町の最も古い博物館「タトラ博物館」は、ポーランドでも最古で、1888年に最初の展示が行われました。民族学の展示が常設されており、この地域独特の室内や台所の様子を見ることができます。木製の家具が盛りだくさんで、一つひとつデザインの違う椅子や、ベッド・テーブルに、個性的で素敵な装飾が施されています。
写真:Hiroko Oji
地図を見るタトラ博物館から南の方にある緑溢れる公園内には、「ザコパネ・スタイル博物館(ヴィラ・コリバ)」があります。外壁から出窓や屋根瓦に至る全てが木造なのです。窓を飾るデザインが美しい外観のみならず、室内も、床・壁・天井すべてが木造りの温かみを感じさせる内装。木製のテーブルやいすのデザインにも工夫されたアイデアが盛り込まれ、愛着を持って使われていたことが伝わってきます。
写真:Hiroko Oji
地図を見るザコパネで一番古い教会である旧木造教会は、ザコパネスタイルの創始者スタニスワフ・ビトキエビッチが、アルプス地方の山小屋を参考にして生み出した建築様式で建てられています。正面の祭壇には、チェンストホーヴァの黒い聖母のイコンが飾られています。チェンストホーヴァは、ポーランドに住む人々の宗教的聖地であり、心のよりどころともいえる所で、前ローマ法王のヨハネ・パウロ2世の出身地です。祭壇をはじめ、床・壁・天井・柱・屋根など全て木製で、木彫り彫刻の装飾が施されておて、温かい雰囲気に包まれています。
裏には墓地があり、墓碑そのものがまた独特!一人ひとりの生前の職業や好きだったものを木彫りで表現した、個性を生かした墓碑が設置されています。墓地はちょっと苦手・・・という方も、ここの雰囲気は大丈夫かもしれません。
写真:Hiroko Oji
地図を見る平坦な土地の多いポーランドですが、大自然の真っただ中で楽しもうと思えば、タトラ山脈の大カスプロヴィ山!クズニッツェ(Kuznice)行きの公共バスに乗ること15分でその麓に行くことができます。終点のバス停まで行くと、標高1987メートルの大カスプロヴィ山に上るロープウェイに乗ることができます。終点のバス停周辺には、レストランやお土産物屋さんが軒を並べています。山頂までは2回乗り換えて、それぞれ10分ほどの空中散歩。眼下に広がる山岳風景が楽しめます。
山頂駅には、石造りの建物がありレストランが入っています。ほんとの山頂まではあと一息。石が多くて歩きにくい道ですが、展望の良いピークからの素晴らしい眺めを堪能してくださいね。
写真:Hiroko Oji
地図を見る大カスプロヴィ山の山頂からは、様々なハイキングコースが延びています。南にはさらに高い山々が連なり、この山地でポーランドに属するのはほんの一部で、大部分はスロヴァキアの領地となっています。
下の方にはいくつかの湖が見え、ここを往復するだけでも楽しいコースですが、国境を越えてスロヴァキア方面へも足を延ばすことができます。下りを3時間ほど歩けば麓駅まで下りることもできます。ハイキングコースの印が道端の石などにつけられており、迷う心配はありません。最初は見晴らしの良い歩きやすいコースで、途中、季節によってはクロッカスの群生が見られ、やがて林の中や川沿いを進み、美しいばかりの山歩きが楽しめます。
大自然を堪能したいけれど、カスプロヴィ山まで行く時間の余裕がない!そんな時には、標高1136メートルのグバウフカ山(Mt.Gubalowka)がお勧めです。ザコパネの町の背後に控える山で、タトラ博物館の西方向に歩いて行くと、グバウフカ山頂へ向かう、黄色と青い色のケーブルカーが出ています。この山頂でもハイキングをはじめ、町や周りの山並みを一望する眺めが楽しめますし、小さな教会や公園・レストランもあって、散策を楽しむのにちょうど良い距離感です。
伝統的な建築様式と大自然が魅力のザコパネです。クラクフから日帰りも可能ですが、出来れば1泊だけでもすると、ゆっくりと流れる時間が楽しめる所です。一度お出かけになってみて下さい。
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(2025/2/9更新)
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