「聖パウロ天主堂跡」は、現地では聖パウロ学院教会(天主堂)跡と書かれていますが、他にも聖ポール天主堂跡とも呼ばれることがあります。最初の建築は1580年となっています。イエスキリストの使徒であった聖パウロの為に建築され、ポルトガル人によるイエズス会の教会として当時はアジア最大の規模を誇っていました。その後、1595年と1601年の2回、火災に見舞われています。
66段の石段から見えるのは圧倒的迫力で立っている壁。それは見事なものですが、これは1602年から1640年にかけて再建された聖パウロ教会(聖母教会)の一部なのです。その後、1835年の台風時に起きた火災で焼失してしまい、この壁だけが残されたのです。
横23m、高さ25.5mあり、バロック様式に東洋風のアレンジが加えられた独特の美しさ。5段階になっているファサードが見る人の心に強く印象を残すことでしょう。
ファサード(壁)の最上段部は精霊の階と呼ばれています。青銅の鳩の右に月、左に太陽が彫られています。2段目が救い主の階層。中心のキリスト像の際祐には茨の冠、鞭、金槌3本の釘、長槍等が彫られています。
上から3段目の右側には7つの頭を持つ龍が彫られており、その上に聖母が乗るように作られています。この地には日本から弾圧を逃れたキリシタンがやってきており、現地の職人と共に彫刻を施したと言われます。それは1620年から1627年の間とされ、一説にはこの龍が徳川家康を表しているとも指摘されているのです。
上から4段目には4人の聖者が立っています。右から2人目の像は、日本でも有名なフランシスコ・ザビエルです。
一番下の階層には「MATER DEI」と文字が彫られています。これはラテン語で「神の母」という意味であり「聖母」を意味しているのです。それが聖母教会と言われる理由となっています。
この場所ではぜひとも、じっくりと各階層を眺めてみることをお勧めします。そして歴史に思いを馳せてみて下さい。
ファサードの裏側に行き、左側には階段があって上に上がることが出来ます。ファサードを間近で見ることが出来る上に、66段の石段を見降ろす形で周囲を見ることが出来ます。
また、裏側では強化ガラスの下に遺構が残されており、足元で見ることが出来ます。そして天主教芸術博物館では長崎で殉教した26人の様子を伝える殉教図があり、日本人を含む信者の遺骨が安置されている納骨堂があります。他にも芸術品、美術品の展示もありますので、時間の許す方は見ておきましょう。
ファサードを正面に見て左側に進むと17世紀にポルトガル人が作ったという城壁があります。ここも見どころです。その前は下り坂になっていて、とても雰囲気が良い場所ですから観光コースとしてお勧めです。
旧城壁前の坂道を下り、左折するとすぐに周囲の建物とコラボレーションしているようなファサードの撮影スポットに到着。カラフルなパステル調の建物の奥に見えるファサードは、独特の景観であり、あまり知られていない場所ですので、ぜひとも足を運んでみて下さい。
いかがでしたか?マカオで最も有名な場所「聖パウロ天主堂跡」から、旧城壁前を通って行く撮影スポットまでをご紹介しました。
この他にもマカオ歴史地区はたくさんの見どころがありますので、じっくりと観光することをお勧めします。
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