こんなに変わった!「横浜みなとみらい」バラ園めぐり

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こんなに変わった!「横浜みなとみらい」バラ園めぐり

こんなに変わった!「横浜みなとみらい」バラ園めぐり

更新日:2016/10/21 10:41

鷹野 圭のプロフィール写真 鷹野 圭 首都圏自然ライター

横浜港を望む山下公園は、色とりどりの花壇が連なる市内屈指の花のスポット。中でも園内南東側に位置する沈床型ガーデンは、初夏と秋を中心に多数のバラが咲き、一層華やかな雰囲気に包まれます。このバラ園が2016年、大規模なリニューアルを経てより美しく、よりナチュラルな雰囲気のガーデンへと変化しました。従来とはガラリと変わったその姿を、同じくリニューアルされた近隣の「港の見える丘公園」と共にお送りします。

バラだけの見本園から、バラのあるお庭へ大チェンジ!

バラだけの見本園から、バラのあるお庭へ大チェンジ!

写真:鷹野 圭

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日本のバラ園というと、バラの株を集中的に植えてパーゴラやアーチにつるバラを絡ませ、バラのみの花色やそのコントラスト、あるいは芳醇な香りを楽しむものが主流でした。山下公園のバラ園も同様で、2015年の秋まではバラ以外の植物はほとんどなく、初夏と秋のローズシーズンには無数のバラが咲き多くのファンを呼び込みますが、シーズンを外してしまうと花がほとんど見られない寂しい空間に……。また、バラ株以外に植物がないため、バラのシーズンであっても根元の部分は土が露出していていて見栄えに欠け、ガーデンすなわち“お庭”ではない……言うなれば単なる「バラの見本園」、あるいは実体化されたバラのカタログに過ぎなかったと言えるでしょう。

そこで横浜市では2015年末より、山下公園と、隣接する港の見える丘公園のバラ園で大幅なリニューアルを実施。2016年4月1日に工事が終了し、お披露目となったバラ園は、従来とは全く違う多彩な植物に満ちた「バラのあるお庭」へと変貌していました。大小様々な美しいバラはもちろんのこと、足元に多彩な宿根草を植えることで地表が露出せず草花がたっぷり満ちた空間にチェンジ。春夏秋冬を通じて常に何かしらの花(もちろんバラを含めて)が咲き、いつ、どこを見ても寂しくならないように植物が配置されています。その様は、自然を巧みに取り入れた本場イギリスのナチュラルガーデンのよう! バラファンのみならず、多くの人を魅了することでしょう。

バラと宿根草の“混植”された空間を歩く

バラと宿根草の“混植”された空間を歩く

写真:鷹野 圭

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工事前より山下公園のバラ園は、沈床式でシンメトリー(左右対称)を基調とした英国風のデザインを採用していました。工事後もこの形式自体は基本的に変わらず、園路などもほぼ左右対称に配置されていますが、園路の左右を囲う植物種はガラリと変化しています。

具体的には、“主役”となる大輪咲きのゴージャスなバラと、小輪や一重咲きであまり目立ち過ぎない“名脇役”のバラの組み合わせを行い、ワンタイプのものだけが集中しないように配慮。さらにその足下にエキナセアやハーブ類を軸とした宿根草を、高密度で混在させるようにしています。宿根草は時に園路にはみ出すほどに多めに植栽していますが、これはレンガ造りの園路と植栽部分の境目を隠し、人工的な雰囲気を消す効果を発揮しています。

植物種がグンと増えたことにより、従来と比べて昆虫も多く集まるようになりました。周りが市街地だけにそれほど珍しいものはやってきませんが、シジミチョウやセセリチョウ、時には美しいアゲハチョウなどが宿根草の蜜を求めてやってきます。散策がてら探してみるのも面白いでしょう。

存在を主張し過ぎない、景観に馴染む品種選びに注目!

存在を主張し過ぎない、景観に馴染む品種選びに注目!

写真:鷹野 圭

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かつての山下公園では、一輪でもよく目立ち他の植物を圧倒する存在感を誇るような、大輪の赤や橙色のバラが多く植栽されていました。そうしたバラが多数集まって描くコントラストも美しいですが、宿根草との混植となるとまた別の話。白やパステルカラーの小ぶりな花が多い宿根草花と組み合わせる際、暖色系の大きな花はそればかりが主張してしまい、どうしても調和がとれないのです。

そこで新しい山下公園では、暖色系でも淡い色を使ったり、写真のような白色(アイスバーグなどの品種が有名です)を取り入れたりして、他の草花と組み合わせた上で“景観”として美しくなるようなバラの選び方をしています。ほかにも小輪の可愛らしい花や、王道とは一味違う趣の一重咲きタイプのものなど、チョイスするバラの種類も多種多様になり、それらを効果的に配置してローズガーデン全体を一つの“作品”として成り立たせています。

普通に散策して色々な花を観察するのも面白いですが、氷川丸やマリンタワーなど、近くの横浜らしいスポットを借景にして撮影などを楽しむのもいいでしょう。

混植花壇をクローズアップ。どんな花があるかな?

混植花壇をクローズアップ。どんな花があるかな?

写真:鷹野 圭

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宿根草といっても種類は色々ありますが、果たしてバラと合う種とは何か? その答えが、新しい山下公園にはあります。多く見られるのは、キク科のエキナセアや、ラベンダーやガウラを始めとしたハーブ類。花がコンパクトサイズなので、小輪でもそれなりに大きいバラの花との差が明確です。これが、目立ち過ぎず埋没せず、ちょうど良い調和を生み出しています。

また、写真を見てもわかります通り、花だけではなく葉の色も実に多種多様。俗に“カラーリーフ”と呼ばれる、赤銅色やライムグリーンなどの変わった色の葉を織り交ぜ、短い花期が終わっても長くコントラストを楽しめるように工夫されています。花だけでなく、葉も楽しめる……だからこそ長期間私たちの目を楽しませてくれるのです。バラだけでは決して成り立たなかった、新しいガーデンスタイルをご堪能ください。

港の見える丘公園でも、バラ園を大幅リニューアル!

港の見える丘公園でも、バラ園を大幅リニューアル!

写真:鷹野 圭

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山下公園のすぐ南側、隣接する緑の丘の上に「港の見える丘公園」があります。その名の通り小高い丘陵の上から横浜港が一望でき、ベイブリッジも見える公園ですが、ここもまたバラ園が有名なスポットです。山下公園と同様、2016年4月にリニューアルを終え、四季を感じさせるガーデンとなりました。

特に必見なのが、中央に噴水を有する沈床式花壇(サンクンガーデン)。山下公園と同様にシンメトリースタイルを基調としつつ、混植によって多様な植物を楽しめる空間に。さらに“香りのローズガーデン”というテーマを掲げ、バラはもちろん、ユリなどの豊かな香りを有する植物を一緒に植えました。高木の緑に包まれ、良い香りにウットリする至極のイングリッシュガーデンがそこにあります。

ちなみに写真は7月。これが10月に入ると噴水周りの花が暖色系に一変します。真夏は涼しげに、寒くなってきたら温かみがあるように……視覚的な寒暖を演出しているかのような植栽も見所です。

自然風こそ、本場英国式ガーデンスタイル!

ガーデニング先進国であるイギリスでは、今回ご紹介したようなシンメトリータイプの庭園が多く見られます。が、その大半は一年草と宿根草を織り交ぜた混植ガーデンであり、かつての山下公園のような“バラだけ”のガーデンはほとんどありません。今回2016年のリニューアルに伴い、本場のガーデンに大きく近づいたといえるでしょう。

2017年春には、今回リニューアルした2ガーデンを主要会場として「都市緑化フェア」が開催されます。港町として名高い横浜を、花と緑化という新しい視点からPRする一大イベント。その要となるローズガーデンの、最も美しい瞬間をぜひ見に行ってみてください。

【アクセス】
山下公園/みなとみらい線「元町・中華街駅」より徒歩3分。JRまたは横浜市営地下鉄「関内駅」より徒歩20分
港の見える丘公園/みなとみらい線「元町・中華街駅」より徒歩5分。JR「石川町駅」より徒歩20分

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/07/19 訪問

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