写真:Kaycom D
地図を見るティクセ・ゴンパは、ゲルク派の開祖ツォンカパの弟子シェラブ・サンポのさらに弟子のパルダン・シェラブにより創建された僧院。ゲルク派のゴンパ(僧院)では最大規模を誇り、二番目にラダック西部にある「リキル・ゴンパ」※が次いでいます。
運営がきちんとされている僧院の中では、ラダックで最古のゴンパとされていて、土地の貸し出しやゲストハウス、お土産屋、レストランなどを経営し、衣食住はもちろん、修行のための遠征費用や小坊主さんたちの学費などもすべて自分たちで賄っているとか。色々な面で心配なく暮らすことができますが、その反面、規律は厳しく違反者はすぐに追い出されてしまうそうです。
※「リキル・ゴンパ」については、関連MEMOに記載の別記事「黄金の弥勒像が圧巻!インド北部ラダックの「リキル・ゴンパ」でチベット仏教と絶景を堪能」をご覧ください。
写真:Kaycom D
地図を見るメインのお堂「ドゥカン」では、毎朝7時から8時くらいにみんな集まってツァンパ(チベット人の主食)やバター茶をいただき、読経などの修行が行われます。正面の玉座はダライラマ法王、その右がケンポ・リンポチェ、左がゲストのリンポチェ用となっていて、マイクのある場所にお経を読む僧侶が座ります。
堂内の柱には二体の仏像が宙に浮くように安置されていて、他ではあまり見ない不思議な光景を作り出しています。壁画には、悪いものが入ってきたらすぐに封じ込めるための守護尊や、タントリックフォームのグヒヤサマージャという仏教の究極の教えとされる絵などが描かれていて、仏像と共に見ごたえのあるものとなっています。
写真:Kaycom D
地図を見るドゥカンの奥にある小さなお堂「ツァンカン」は、ティクセで一番古い場所で、創建された時にはここしかなく、4、5人くらいの僧侶しかいませんでした。安置されている仏像も当時のもので、お釈迦様、弥勒菩薩、文殊菩薩などが並んでいます。
またここで必見なのは、パンチェン・ラマの金の手形がついた仏法を守る「ベクツェのタンカ」。これは、まだラダックの僧侶がチベット※へ行くことができた1959年より前に、チベットへ修行に行った僧侶がラダックに持ち帰ったもののひとつです。
当時、チベットからラダックへ持ち帰るものを決めると、そのものに対してパンチェン・ラマに祈祷をお願いできたのですが、このタンカには、お祈りと共にサフランを手につけ手形を残し、そのあとに金を塗って、さらに阿弥陀と観音菩薩を描いたそうです。
※「チベット」については、関連MEMOに記載の別記事「チベット仏教総本山!中国・チベットの世界遺産ポタラ宮を徹底観光」と「ギャコック襲来!中国チベット自治区のラサの見所とご当地グルメ」をご覧ください。
写真:Kaycom D
地図を見る「チャムカン」には、ラダックで最大の弥勒菩薩(チャンバ)像があります。1階と2階が吹き抜けになっていて、そこに高さ15mの巨大な像が安置されているのですが、あまりに大きいため、そのお顔は2階部分から拝むことになります。頭には精巧な創りの五如来の冠を被っていてとても華やか。お堂に描かれた仏画も素晴らしいのでそちらも併せて見てみてください。
ここに限らずですが、仏像の写真を撮影するときは、仏像と自分が同じフレームに入って撮るのは禁止。仏様と一緒に写るというのは恐れ多いという理由からですが、ぜひマナーを守って見学しましょう。
写真:Kaycom D
地図を見るゴンパは高台にあることが多く見晴らしがいいのですが、このティクセ・ゴンパからの風景も他にたがわず素晴らしいのでおすすめ。周りに高い山がないので、ことのほか遠くまで空が開け、麓に広がる田畑もどこまでも見渡せます。標高が3000mを超える高所なので、空に浮かぶ雲もすぐ手に届きそうなほど近くに感じ、天候によってはその雲間から日の光がまっすぐ地面に伸びる神々しい風景も見ることができます。
ティクセ・ゴンパは、ラダックの僧院巡りでは外せない有名なゴンパのひとつ。僧院や僧房が立ち並ぶ岩山全体の姿が美しく、ラダックのパンフレットやガイドブックなどでもよく見かけます。10月〜11月には「ティクセ・グストル」という仮面舞踊のお祭りも開催。ラダックの中心地レーからも20キロほどと近いので、日帰りで訪れることも可能です。
この記事の関連MEMO
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2025/1/22更新)
- 広告 -