時を越える日本遺産の旅「百景図」に描かれた島根・津和野の風景

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時を越える日本遺産の旅「百景図」に描かれた島根・津和野の風景

時を越える日本遺産の旅「百景図」に描かれた島根・津和野の風景

更新日:2016/10/24 18:19

KISHI Satoruのプロフィール写真 KISHI Satoru 岬の狩人、伝記研究者、旅するパンクス

赤味を帯びた瓦の家並みが緑豊かな山々の合間に並ぶ城下町、文化や伝統と共に暮らしてきた島根県・津和野。約150年前の津和野の様子が描かれた「津和野百景図」を手に町を歩くと、そこには変わらない景色と多く出会えます。
「百景図」の時代と今のこの時代とを繋ぐ無形、有形の文化財にも触れながら日本遺産にも認定された島根・津和野を御紹介致します。

日本遺産とは?「津和野百景図」とは?

日本遺産とは?「津和野百景図」とは?

写真:KISHI Satoru

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日本遺産とは、地域の歴史的な魅力や特色を文化・伝統的な主題を基にし、まとめ上げたストーリーを文化庁が認定したもの。世界遺産や指定文化財とは異なり、保護や保存ではなく、地域の活性化を一番の目的としています。

「津和野百景図」は、江戸時代の終わり頃の津和野の名所や風習、四季の景観や食文化などが描かれた百枚の絵と解説の付いた画集。その半数以上の風景が、現在の津和野でも目にする事が出来、風習や食生活までも昔と変わらない形で残っていることが評価され、日本遺産に選定されました。

写真の右手に映る丸みのある優しい稜線の山。古くは、妹山(いもやま)とも呼ばれた青野山。「津和野百景図」にも、メインとして、または背景として描かれた津和野のシンボルです。

“鷲原八幡宮”と日本で唯一当時の原型を残した流鏑馬の馬場

“鷲原八幡宮”と日本で唯一当時の原型を残した流鏑馬の馬場

提供元:津和野町観光協会

http://tsuwano-kanko.net/地図を見る

津和野藩の最後の藩主・亀井茲監(かめい これみ、1824年〜1885年)の業績をまとめた文書「以曽志乃屋文庫(いそしのやぶんこ)」と共に亀井家に納められたのが「津和野百景図」です。

作者は、栗本格斎(くりもと かくさい、1845年〜1925年)、本名・里治(さとはる)。若い頃に狩野派に学び、約4年の歳月をかけて百枚の絵を描き、詳細な解説を加えました。

「津和野百景図」には、“鷲原八幡宮”も多く描かれています。桜や紅葉といった四季の彩りや流鏑馬(やぶさめ)、日本で唯一当時の原型を残した馬場など現在に繋がる絵の数々。

“鷲原八幡宮”は平安時代に大分の八幡総本宮・宇佐神宮を勧請した事が始まりと言われ、1387年(元中4年)に鎌倉の鶴岡八幡宮より分霊し、現在の地に移りました。

「津和野百景図」を手に、藩校・養老館の残る殿町通りへ

「津和野百景図」を手に、藩校・養老館の残る殿町通りへ

写真:KISHI Satoru

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島根・津和野の出身者には、日本最初の西洋哲学者・西周(にし あまね、1829年〜1897年)、文豪また軍医としても活躍した森鴎外(もり おうがい、1862年〜1922年)を始めとして、数多くの偉人たちがいます。

その大きな礎となったのが藩校・養老館です。殿町通りの東側に、養老館の文武稽古場があり、槍術、剣術といった武術から数学、医学、儒学といった学問の場として優秀な人材を輩出。また殿町通りの西側には、筆頭家老・多胡家の門が今も当時のまま残っています。

「津和野百景図」が描いた幕末は、西周や森鴎外が養老館に通っていた頃と重なります。時を超えて彼らが見た風景を追体験しながら、日本遺産に認定された津和野を巡ってみてはいかがでしょうか。

まさに日本遺産!全国でも貴重な伝統の神事・鷺舞

まさに日本遺産!全国でも貴重な伝統の神事・鷺舞

写真:KISHI Satoru

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“津和野大橋”から“太皷谷稲成神社”へと向かう途中にあるのが、京都の八坂神社から分霊した“弥栄神社(やさかじんじゃ)”。1528年(享禄元年)に城下の大谷下の原に建立され、後に現在の地へと移りました。

境内にある樹齢600年以上と推定される大欅(おおけやき)は見応えがあります。またこちらでは、毎年6月30日に輪くぐり、7月20日・27日には鷺舞(さぎまい)の神事が執り行われます。

二羽の鷺に扮して、太鼓の囃子に合わせて優雅に舞うといった鷺舞は、古来の伝統芸能を現在に継承するものとして、国指定の重要無形民俗文化財となっています。

津和野川と高津川「津和野百景図」に描かれた食文化

津和野川と高津川「津和野百景図」に描かれた食文化

提供元:津和野町観光協会

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鷺舞神事を間近で体験するのが一番のオススメですが、なかなか日程の調整は難しいもの。でも、その雰囲気を何時でも感じられるように、津和野川に掛かる津和野大橋の北側には、鷺舞の像が建立されています。

「津和野百景図」には“大橋”という絵が描かれ、現在もその風情は変わっていません。また津和野川が日原で合流する本流・高津川もお見逃し無く。日本一の清流にも選ばれた澄んだ川の流れで、心も身体もリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。

高津川は釣り人たちにも人気のスポットです。鮎漁の解禁になると多くの人で賑わいます。また高津川の天然の鮎を味わいたい方は、津和野の食材を堪能できる飲食店が点在していますので、そちらを御利用下さい。

因みに「津和野百景図」には、鮎を始め、猪、松茸、山菜などの食材となるものも描かれています。加えて、津和野には多くの酒蔵があり、郷土のお料理とお酒を味わえるのは素敵ですね。

時を越える日本遺産の旅「百景図」に描かれた島根・津和野の風景のまとめ

上記の他に、本格的な庭園と総茅葺きの本堂を持つ“覚皇山(かくおうざん)永明寺(ようめいじ)”やロープーウェイも整った“津和野城跡”など見所が満載の島根・津和野の地。

約150年前と同様の景観、風習が残る町。そして、その地で生活してきた人々の歴史や矜持。時代を越えて伝わる有形、無形のものを是非とも体感してみて下さい。

2015年10月にオープンし、案内人としてコンシェルジュが常駐する入館無料の「津和野町日本遺産センター」もあるので、最初にこちらに立ち寄るのがオススメです。

以上、様々な伝統や文化が描かれた「津和野百景図」と共に巡る日本遺産の旅、島根・津和野の御紹介でした。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/08/25−2016/08/27 訪問

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