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写真:政田 マリ
地図を見るJR・広電「宮島口」駅から国道2号線を南西へ10分、「深江」交差点を南に左折し細い路地に入っていくと、小さな看板が見えてきます。周囲が牡蠣打ち場や住居なので見落としそうな「子持ち観音」の看板を確認したら、目の前の路地を進みます。鬱蒼とした緑の中へと道が続いているので少し心配になりますが、あっという間に頂上へとたどり着けます。
その山は岬になっていて、頂きに立つと海を見守るような形で3mの観音さまが安置されています。厚めの羽織りを肩からぐるっと一周させ右胸下のあたりでキュッとまとめ、瀬戸内海の潮風がその羽織りの足元をグワッと東へなびかせています。
ただ体の芯は揺らがず堂々と背筋を伸ばし、目の前の大野瀬戸とその先に見える宮島を静かに見据えている。この「動」と「静」の対比がたまらなくカッコいい、まさに 海沿いに立つにふさわしい姿の観音さまなのです。
写真:政田 マリ
地図を見るそんな観音像、よく見ると胸の部分に空洞があることがわかります。そしてそこには抱かれるように...と言うよりは、小窓から覗くような形で小型の観音坐像が安置されています。
石造りで30cmほどのコンパクトなサイズ、彫りは浅く簡素な感じではありますが顔は穏やかで丸顔、こちらも坐像ながら背筋を伸ばし堂々とした姿をしています。と言っても胸元ですからはるか目線の上に安置されているのでなかなか目の前で見ることはできませんが、母体となる観音さまとともにまっすぐ目の前の海を見守っていることは感じられます。では、なぜ観音さまの中に観音さまが入るというこんな不思議な形になったのでしょうか。
写真:政田 マリ
地図を見る実はもともと石造りの小観音像は岬の南西にある深江湾内の「鼻繰り島」に安置されていたといいます。いにしえより水難から人々を守る観音さまとして信仰されていましたが、鼻繰り島は干潮時には陸続きですが、満潮時には陸から離れるため参詣路が絶たれてしまいます。いつでもお参りしたいという希望が多く、現在の岬に移されました。
それを聞いた大柿町(江田島)在住の佐々木伝介は、観音岬の麓に別荘を持ち日頃から観音さまを崇拝していたため、このご縁を非常に喜んで大阪の鋳造師にお願いをして2.6mの銅像を作ってもらいました。そしてその中に「胎内仏」として鼻繰り島に祀られていた観音石仏を納めたのです。通常大きな仏像内に小さな仏像を安置する「胎内仏」というと、密閉された像内に納められるため外から中の仏さまの姿が見えないものですが、胸元を開けた形で造り、中から覗かせる形で安置させました。伝介はよっぽど石造りの小観音のお姿も見たかったのでしょうね。
写真:政田 マリ
地図を見る仏像はロボットではないので動き出したりはしませんが、その静止した姿になんとか動き出しそうなアレンジを仏師は試みます。例えば膝を片方少し曲げることで一歩踏み出しそうに見える、口の周りにヒゲのようにシワを加えることで何かを喋っているように見える、などです。
この観音さまは足の親指にその仕掛けが見られます。左足の親指は他の指に比べ少し反り上がっています。これは観音さまが今から人々の元に助けに行く一歩を出すために、今まさに左足の先に力を込めたことを表現しているのです。こういった親指を反り上げる表現は奈良時代から使われていて、特に観音菩薩や地蔵菩薩に使われます。
目立たない変化ですが、是非見つけてみてください!
近年外国人観光客も多く、日本有数の観光地となっている宮島。その玄関口である宮島口はお土産屋さんや名物のあなご飯、もみじ饅頭のお店、オシャレなカフェなども多く、単なる宮島への通過点ではなくなるべく時間をとって散策したいところです。フェリー乗り場から歩いていける距離の「子持ち観音」も是非訪れたい散策スポット。眼前に宮島の大鳥居が見え、見晴らしのいい岬です。ただ、外灯のない山道を通るので夕刻を避けてなるべく明るい時間に、夏場は虫除けスプレーを忘れないようにお出かけくださいね。
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