この街の観光のメインはハイデルベルク城であり、駅から一番遠いところにあるので、まず、城に先に行くのが効率的です。そして、ハイデルベルク城に行ったら、真っ先にしなければならないことがあります。宮廷道化師、ペルケオ氏に会いにいかなくてはなりません。彼は今や、この城の主ともいうべき存在なので、彼に会わなくてはこのお城を訪ねたとはとても言えないからです。ペルケオ氏は大きなワイン樽の向かい側で、ワイン片手に観光客が来るのを待っています。
ペルケオ氏とは大きなワイン樽の前に陣取る、大酒飲みの宮廷道化師であった人物の像です。彼の前には写真を撮るために順番待ちをする観光客で、人波はとぎれることがありません。ハイデルベルク城に来た人は必ずペルケオ氏に会いに来ます。彼は生まれてからワイン以外飲んだことがないという酒豪で、年を取って病気になった時、初めてワインではなく、水を飲んだら、亡くなってしまったという逸話の持ち主でもあります。
ペルケオ氏の向かい側にある世界最大級のワインの大樽は、横にある階段を登っていくと樽の上にのることができ、ペルケオ氏と観光客を見下ろすことができます。このワイン樽は直径7m。22万リットル以上入ると言われています。樽には名前がついていて、カール・テオドール樽といい、1751年に作られた4代目の樽です。
さて、テラスに出てみましょう。眼下にハイデルベルクの街が一望できるビュースポットです。とても素晴らしい眺めですが、この素晴らしい眺望が見られるテラスにかつてこの地を支配していた選帝侯(神聖ローマ皇帝を選ぶ権利を持つ諸侯)のお妃様の間男の足跡が残されているのです!床の上には深く、くっきりとしたかかとの跡が見られます。
この足跡は、こっそり選帝侯妃の部屋を訪ねた騎士が、誰かが来る気配に驚き、あわてて窓から飛び降り、その靴跡がこのように残ったのだと言われています。この靴跡に関しては諸説あるようです。
ハイデルベルク城はハイデルベルクの象徴とも言うべき存在ですが、プファルツ選帝侯領の継承権をめぐって、フランスのルイ14世の時代にフランス軍が侵攻し、建物は破壊されました。広い敷地の中には修復された建物もありますが、廃墟と化し、修復されずに今に至る建物もあります。戦争だけでなく、落雷の為に壊れたものもあり、廃墟マニアも興味をひかれるような建物がいくつもあります。フランス軍の破壊によって壊された建物から出た石材の一部は、市民の家を作るための資材として使用されました。
城内にある火薬塔も1693年にフランス軍によって爆破された建物です。建物が真ん中から見事にまっぷたつに割れ、破壊された壁が建物に寄りかかり、中がはっきり見えています。
一刀両断にされたかのような建物が、壊れたまま残っているその様子は、廃墟であるにもかかわらず、独特の美しささえ感じさせてくれます。
ハイデルベルク城はハイデルベルクの顔ともいうべき城です。今回ご紹介したところ以外にも、ハイデルベルク城館内部もガイドツアー(別料金)で見学することができますし、城内にあるドイツ薬事博物館の中では昔の医療の一端を垣間見ることができます。
旧市街にある見どころも別途、紹介していますので、よろしければ関連MEMOの方も併せてご覧下さい。
フランクフルトからは鉄道で約1時間。フランクフルト空港からの直行バスもあります。ハイデルベルク城は中央駅前からSバーンでHeidelberg Alstadtで下車するのがわかりやすく、ケーブルカー乗り場まで徒歩10分です。ケーブルカーに乗ってStation Schloss下車。
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(2024/3/18更新)
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