晩秋を飾る黄葉の名所・正法寺と高山不動〜御神木は埼玉県で最大のイチョウの2トップ

| 埼玉県

| 旅の専門家がお届けするオリジナル旅行ガイドメディア

晩秋を飾る黄葉の名所・正法寺と高山不動〜御神木は埼玉県で最大のイチョウの2トップ

晩秋を飾る黄葉の名所・正法寺と高山不動〜御神木は埼玉県で最大のイチョウの2トップ

更新日:2016/10/18 13:04

大木 幹郎のプロフィール写真 大木 幹郎 巨木マニア、低山登山家、ブロガー

山間での紅葉が散る11月以降の晩秋。埼玉県には、見事なイチョウの黄葉が楽しめる2つのスポットがあることをご存知でしょうか?その2つとは東松山市の「正法寺」、飯能市の「高山不動」です。2つとも由緒ある古刹にして、御神木が県内で最大となるイチョウの巨木の2トップ! 鮮やかな黄葉に染まった大イチョウは、まさに絢爛たる姿。埼玉県の古刹へ、晩秋の風情を満喫する参詣は如何ですか。

正法寺の大イチョウ〜埼玉県で最大のイチョウ

正法寺の大イチョウ〜埼玉県で最大のイチョウ

写真:大木 幹郎

地図を見る

2つのお寺の御神木はイチョウの巨木で、その大きさは県内で2トップ。幹周りは10m以上、迫力ある大イチョウの黄葉は絢爛たる姿で、落葉に輝く境内も風情に満ちた見事なものです。

最初のご紹介は、埼玉県の中央に位置する東松山市の古刹、正法寺の大イチョウ。幹周り約11mもの太さは県内で最大。推定樹齢700年の古木ながら樹勢は旺盛。広い枝張りで葉の量が多く、黄葉の見応えも十分。見頃は11月下旬から12月初旬です。

正法寺の由緒について簡単にご説明します。正法寺は、坂東三十三観音霊場の第十番札所。岩殿観音とも呼ばれ、岩殿丘陵の端を切り開いた場所に鎮座。岩壁に囲まれた観音堂と、門前町であった集落を見下ろす境内は、山寺の雰囲気があります。開山は養老2年(718)とされる古刹で、鎌倉時代の初期に源頼朝によって再興。その後、何度も戦火や失火で焼失するも、天正年間(1573〜1592)に中興され、徳川家康からは寺領を与えられました。

正法寺の大イチョウ〜迫力の根元と境内の見所

正法寺の大イチョウ〜迫力の根元と境内の見所

写真:大木 幹郎

地図を見る

正法寺の大イチョウの特徴は、複数の幹が合体したような株立ちの樹形と、大きく隆起した根元。株立ちでも根元は中心に固まっているので、1本の巨木とも見える迫力ある姿。地面から高く隆起した根の、無数の蛇が絡み合っているような、その凄味のある姿には目が釘付け。

正法寺の見所について3つ簡単にご紹介します。まずは風格ある観音堂で、これは明治期に再建されたもの。大イチョウと岩壁に囲まれて建つ姿は威厳があります。本尊の千手観音像は、室町時代の作とされ、御開帳は干支で牛の年。2つ目に、観音堂の向って右側にある岩壁に安置された石仏群。多くの石仏は、多様な意匠と個性ある表情をしたもので、長々と見入ってしまいます。3つ目に、観音堂から北東の、見晴らしの良い場所に建つ鐘楼。元禄15年(1702年)の建立とされる境内で最も古い建物。銅鐘は更に古く、元亨2年(1322)の鋳造とされます。

正法寺へのアクセス

正法寺へのアクセス

写真:大木 幹郎

地図を見る

大イチョウの特徴的な根元、無数の蛇が絡み合うように大きく隆起した根は、岩の上に乗った巨体を支えるために発達したもの。その姿は、まさに岩殿山の御神木に相応しい、神秘に満ちた大イチョウです。

正法寺の大イチョウのご紹介、最後にアクセスについてご説明します。境内への入口は、表参道と裏参道の2つ。裏参道の入口は境内の南側、県道212号線に面しています。駐車場の広さと交通の便から、表参道よりも裏参道からのアクセスが便利ですが、仁王門と石段に門前町の景観は、表参道側にあります。

車と路線バス利用の移動時間について。
関越自動車道の東松山ICまたは坂戸西スマートICからは約15分。路線バスは、東武東上線・高坂駅の西口から約10分。鳩山ニュータウン行きの路線で、最寄バス停は裏参道の入口に近い大東文化大学です。

正法寺の近くには、丘陵の展望地「物見山公園」に、県内で最大級の動物園「埼玉県こども動物自然公園」があります。お子様連れの方は、この2つも合せて巡られるのがお勧めです。

高山不動の大イチョウ〜翼のように連なる迫力の気根

高山不動の大イチョウ〜翼のように連なる迫力の気根

写真:大木 幹郎

地図を見る

高山不動は、埼玉県の南西に位置する飯能市の、標高約600mの山中にあります。御神木の大イチョウは、幹周り約10m、樹高は約37mもの巨体。幹全体の体積では、県内最大のイチョウといえるでしょう。推定樹齢800年の古木ながら樹勢は旺盛。巨体に見合った大量の葉を付けるので黄葉の見応えも十分。見頃の時期は11月下旬から12月初旬です。

大イチョウは境内正面の急斜面に屹立。根元を迂回する参道からは、この巨木の最も特徴的な姿を見ることができます。それは真横に伸びた大枝に連なった、鍾乳石のような形の気根の群れで、大きなものは人の背丈ほどの長さ。その姿は、まるで大イチョウが翼を広げているかのよう。気根は乳房に例えられ、古くから子育てに霊験ありと信仰されてきた御神木です。

高山不動(常楽院・高山不動尊)ついて簡単にご説明します。白雉5年(654)開山とされる修験道場として栄えた古刹で、関東三大不動(東京・高幡不動、千葉・成田不動)の1つです。本尊は国指定重要文化財の軍刀利明王の像で、御開帳は毎年の冬至の日。幕末に再建された不動堂は、質実剛健な雰囲気で、堂内では立派な太い梁を見ることができます。奥の院は、標高約760mの関八州見晴台と呼ばれる展望地。不動堂から徒歩30分、車では5分です。

高山不動へのアクセス

高山不動へのアクセス

写真:大木 幹郎

地図を見る

山里の集落を前に、山寺を背に立つ大イチョウ。大イチョウと不動堂の間には広場があり、ここには見事な黄葉の絨毯ができあがります。その美しさと開放感は、思わず寝転んでしまいたくなるほど。

最後に高山不動へのアクセスについてご説明します。正法寺からは車で約1時間、車があれば1日で十分に巡れる距離です。国道299号線や県道61号線を経由したアクセスとなりますが、高山不動の周辺の林道は道幅が狭く、路肩が崩れやすい場所が多いので、ご注意ください。

車を利用しない場合は、最寄駅からの徒歩となります。最短ルートの1つが、ハイキングコースである「高山不動と関八州見晴台コース」。西武秩父線・西吾野駅から始まり、片道は約1時間30分。駅から北川に沿った道を北上し、分岐を右折して林道・空竜線へ。林道はやがて登山道となり、高山不動へ至ります。ハイキングコースの詳細は、文末の関連MEMOのリンクをご参照ください。

1本でも黄葉の名所となりうる素晴らしき大イチョウ

以上、埼玉県の黄葉の名所として正法寺と高山不動のご紹介でした。2つのお寺の御神木は、県内で最大のイチョウの2トップで、その巨体が黄葉する姿は絢爛たるもの。そして落葉で輝く、由緒ある古刹の境内は、秋の風情に満ちています。2本の大イチョウは、ただ大きなだけでなく、個性的な姿をしたもの。大きく隆起した凄味のある根元に、気根が連なり翼のようになった大枝。全シーズンを通して見応えのある巨木ともいえるでしょう。

正法寺と高山不動との間は、車で約1時間ほどの距離。遠いようですが、県内で最大にして、関東最大級の大イチョウが、1時間の距離にあると考えれば、逆に近いとも思えませんか。車を利用できない場合は、1日で2つを巡るのは難しいでしょう。でも大丈夫、11月下旬と12月初旬、2回に分けて訪れれば、黄葉の見頃を逃さないチャンスは十分です。

山間部での紅葉が散りゆく晩秋、古刹で暖かな輝きを放つ御神木。関東地方の黄葉の名所として、正法寺と高山不動をお勧めいたします。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/11/30 訪問

- PR -

条件を指定して検索

トラベルjp<たびねす>

トップページへ戻る

トラベルjpで一緒に働きませんか? 旅行ガイド編集部では運用サポートスタッフを募集中です!

- PR -

旅行ナビゲーター(在宅ライター)募集中!
この記事に関するお問い合わせ