城跡公園へは阪急電鉄宝塚線の池田駅から徒歩で15分ほど。高台にあるため、途中から上り坂が続きます。池田は阪急東宝グループの創始者である小林一三氏の自邸がある場所としても知られており、公園までの道中には「逸翁美術館」や「池田文庫」など阪急グループの文化施設が立ち並んでいます。
かつて池田城が存在した城跡地を歴史公園として再整備し、2000年にオープンしたのがこちらの城跡公園。写真にうつる東門は、立派な大手門(薬医門)と木造橋が設えられた城郭の雰囲気が漂う素晴らしいアプローチです。大手門の奥には2003年に放映されたNHK連続テレビ小説 "てるてる家族" の放送を記念した文学碑が置かれています。
池田城は池田市・箕面市など、大阪府北西部一帯を支配していた豪族・池田氏の居城として築城されました。南北朝時代の始まりの時期に築城した池田城ですが、初めは本丸と小規模の曲輪(くるわ)が整備されだけの簡素なものでした。その後は応仁の乱・永正の錯乱などの戦いを経て、防衛機能を拡大させていきます。
この池田城最大の出来事が1578年に勃発した "有岡城の戦い" です。当時の摂津国の実質的な支配者であった荒木村重が有岡城(伊丹城)を拠点に、織田信長に対し謀反を起こします。信長は、村重が居城を移したことで廃城となったこの池田城(古池田)に布陣を敷いて戦いに挑みました。わずか一年間ですが、この池田城は織田軍の重要拠点として利用されたのです。
有岡城の落城によって戦いが終結した翌年の1580年に、池田城は信長の命により廃城。池田城は、歴史を辿ると戦乱の世に翻弄された城といっても過言ではありません。
広い芝生が生い茂るのが一般的な公園のイメージですが、この城郭公園にはそれ以外に櫓(やぐら)を模した休憩所、鯉の泳ぐ池が設えられた日本庭園、小さな露地付きの茶室など和のスポットが満載。芝生に腰掛けながら城郭の雰囲気を楽しむことができます。加えてこれらは無料で観賞できるというのも素晴らしいです。
休憩所からは池に向かって縁台が設えられており、池の中にいる巨大な鯉を間近で観賞することが可能。休憩所内にある鯉の餌を購入すれば、鯉の餌やりを体験することもできます。芝生で遊び、庭園を眺め、鯉とも触れ合える、一般的な公園にはない様々なアクティビティを楽しめるのがこの城跡公園なのです。
園内には櫓や池だけでなく、平成初期の発掘調査によって復元された礎石・井戸・枯山水・虎門等が整備されており、公園内を散策しながら池田城の遺構巡りを楽しめるのもポイント。
模擬天守の1階には、池田城に関する歴史や当時の構造を記したパネルが設置されており。平成の発掘調査で得た遺構を基に、池田城の変遷が詳しく解説されています。池田城の歴史を詳しく知りたい方には是非とも見てほしい、読み応えのあるものとなっています。
見ているだけでも楽しい櫓風の休憩所ですが、上の展望台は池田氏屈指の展望スポットとしても人気の場所。北を向けば五月山をはじめとする北摂山系の山々を、南を向けば高台から池田の市街地を一望できます。「五月山公園」がサクラ・モミジの名所として知られることから、季節ごとに表情の変わる五月山の風景を一望できるのも、この展望台ならではです。
城跡の歴史的遺構の数々、和の雰囲気に設えられた園内、展望台からは池田市街地や五月山を一望できる。池田観光で押さえておきたい注目スポットである「池田城跡公園」に、ぜひ一度お越しください。
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(2024/4/20更新)
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