日本一の城下町 大分「杵築城下町」で江戸時代にタイムスリップ

日本一の城下町 大分「杵築城下町」で江戸時代にタイムスリップ

更新日:2017/07/11 15:02

肥後 球磨門のプロフィール写真 肥後 球磨門 一人旅ブロガー
大分県杵築市は南北の二つの高台に武家屋敷が立ち並び、その谷間に商人の町が細長く続く城下町です。江戸時代の風情そのままの武家屋敷通りは、大原邸を代表とする武家文化を物語る立派な屋敷が建ち並び、日本一の城下町といわれています。海に面した場所に建つ杵築城からの眺めは雄大でありながらどこかのんびりしていて、晴れた日には遠く四国まで見える絶好の展望所です。
江戸時代の風情が色濃く残る杵築城下町を紹介します。

江戸時代の雰囲気を今に残す杵築武家屋敷通り

江戸時代の雰囲気を今に残す杵築武家屋敷通り

写真:肥後 球磨門

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杵築の武家屋敷群は杵築市の中心部にあり、大分空港から空港道路(無料)杵築ICを利用しておよそ20分で到着します。

武家屋敷群は北台および南台と呼ばれる二つの高台にあり、高台に挟まれた谷間が商人の町となっていて“サンドイッチの町”とも呼ばれています。北台の武家屋敷通りは、昔ながらの白壁が残る静かな佇まいで城下町の面影を色濃く残し、ここを歩くと江戸時代にタイムスリップしたような錯覚を覚えます。

江戸時代の雰囲気を今に残す杵築武家屋敷通り

写真:肥後 球磨門

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北台の武家屋敷通りに、現在は杵築小学校の裏門になっている「藩校の門」が残っていて、朝に夕に子供たちがこの門をくぐるのを見守っています。武家屋敷周辺では無料の駐車場が整備されているので、車を停めてのんびりゆっくり城下町を散策してみてはいかがでしょうか。

杵築城下町を代表する武家屋敷「大原邸」

杵築城下町を代表する武家屋敷「大原邸」

写真:肥後 球磨門

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上級武士の屋敷が建ち並ぶ北台武家屋敷通りの中程に、ひときわ目を引く立派な屋敷があります。杵築藩の家老が住んでいた大原邸です。656坪の広い敷地に建つ見事な茅葺屋根の屋敷は、広い間口の玄関やその奥に次の間を持ち、畳の縁にまで紋を入れるなどの格式をうかがわせる凝った造作が随所に見られ、身分の高い人物の屋敷だったことが分かります。

杵築城下町を代表する武家屋敷「大原邸」

写真:肥後 球磨門

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屋敷を囲むように作られた回遊式庭園は見応えある立派な造りで、日本庭園の持つ独特の美しさは格別です。

杵築城下町を代表する武家屋敷「大原邸」

写真:肥後 球磨門

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大原邸には、「弓天井」と呼ばれる、室内でも弓の練習ができるようにと天井をくりぬいて高さを出す工夫があったり、高台にある屋敷なので水が貴重だったため湯船が無い風呂場があったりと、興味深い特色があります。また玄関の障子の取っ手に松葉を埋め、“主人の帰りを待つ(松)”というような「江戸しぐさ」も見ることができます。

なかなか気づけないような細かいところまでスタッフの方が丁寧に教えてくれるので、案内をお願いすることをおススメします。

ユニークな名前の坂が多い杵築城下町

ユニークな名前の坂が多い杵築城下町

写真:肥後 球磨門

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南北の高台のお屋敷町と谷間の商人の町を結ぶのに多くの坂が存在する杵築城下町。坂にはそれぞれ「酢屋の坂」や「飴屋の坂」、「志保屋(塩屋)の坂」などユニークな名前が付けられています。

写真は、北台から見下ろした杵築城下町を代表する酢屋の坂(手前)と塩屋の坂で、なるほど武家屋敷が商人の町を両側から挟んだ「サンドイッチの城下町」だと納得できる景色です。坂の上り口に「酢屋」があったので酢屋の坂と呼ばれ、同様に志保屋は「塩屋」、飴屋の坂は「飴屋」があったからと伝わっています。

ユニークな名前の坂が多い杵築城下町

写真:肥後 球磨門

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その他にも「番所の坂」や「勘定場の坂」があり、特に勘定場の坂の石段には24段目に「富士山」が描かれています。これは江戸職人の遊び心で、24段目だから「西(24)の富士」とは粋な細工ではないでしょうか。

三方に絶景が広がる杵築城

三方に絶景が広がる杵築城

写真:肥後 球磨門

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写真は、南台の展望台から観た杵築城です。川の河口にある小高い山の上に築かれた城は、三方を海と川の自然の要塞に囲まれた堅牢な造りで、小さいながら戦国時代に島津氏の猛攻撃に2か月も耐えた理由がよく分かります。

三方に絶景が広がる杵築城

写真:肥後 球磨門

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お城の天守閣の内部は資料館になっていて、刀剣類や甲冑類が展示されています。実際に甲冑を着ける事もできるので、江戸時代の武士になった気分で記念写真に収まってみてはいかがでしょうか。

三方に絶景が広がる杵築城

写真:肥後 球磨門

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晴れた日には 天守閣の展望所から遠く四国を望むこともできます。武家屋敷から杵築城までは歩いて行ける距離ですが、天守閣の近くに無料駐車場が整備されているので車で行っても大丈夫です。

武家屋敷でちょっと休憩しませんか?喫茶室がある「能見邸」

武家屋敷でちょっと休憩しませんか?喫茶室がある「能見邸」

写真:肥後 球磨門

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大原邸の近くにある能見邸は、建築様式などから幕末期に建築されたものとされ、2008年(平成20年)から2年の歳月をかけての大規模改修で往時の姿に蘇りました。

武家屋敷でちょっと休憩しませんか?喫茶室がある「能見邸」

写真:肥後 球磨門

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敷地面積約440坪、延べ床面積約75坪の建物は玄関の間、上段の間などを持つ格式ある屋敷で、大原邸同様、室内の設えは見応えのあるものになっています。

武家屋敷でちょっと休憩しませんか?喫茶室がある「能見邸」

写真:肥後 球磨門

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そんな格式のある屋敷の一角に喫茶室が作られていて、美味しい杵築茶やお菓子をいただくことができます。城下町散策の休憩に立ち寄って、美しい庭を眺めながら一休みしてはいかがでしょうか。

無料で屋敷だけの見学もでき、ここでもスタッフの方が屋敷の見所などについて丁寧に教えてくれます。

江戸時代の面影を色濃く残す杵築城下町

杵築城下町は多くの歴史研究家が「日本一の城下町」と評するほど江戸時代の面影を色濃く残しています。武家屋敷のある南北の高台に挟まれた商人の町にはお茶屋や味噌屋など古くから続く商家が今も営業しているので立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

城下町では好きな着物をレンタルする事ができます。着物姿で町を散策すると、公共観光文化施設に無料で入館できたり、市内飲食店で割引サービスが受けられるなど嬉しいおもてなしがあるので、着物を着て情緒あふれる杵築城下町を散策し江戸時代にタイムスリップしてみませんか。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/02/17 訪問

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