写真:いしい ひい
地図を見る2016年ガーディアン紙(The Guardian)が選ぶ「米国で最も美しい図書館」に、ワシントン大学のスザロ図書館(Suzzallo Library)の読書室(Reading Room)が選ばれました。
スザロ図書館はこれまでにも「全米で最もクールな大学図書館16」に選ばれたことがある、全米でも有名な図書館。キャンパスの中でひときわ目立つゴシック建築の建物は、貫禄たっぷりです。
この壮麗な図書館の構想は、1915年ワシントン大学の学長に就任したヘンリー・スザロ氏によって推し進められました。スザロ氏は「1000年後にも残る大学」を目指し、新しい図書館の建設を最優先に考えました。ただ単に本が詰め込まれた場所ではなく、「大学の魂」となるべく図書館を創設しようとしたのです。
1926年の開館後、スザロ図書館は多くの学生にとって大切な学びの場となっています。
写真:いしい ひい
地図を見るスザロ図書館は、キャンパスの中心にあるレッド・スクエアという広場に面しています。
正面の外壁にずらりと並んだ18体のテラコッタ製の彫像は、ダンテ、シェークスピア、レオナルド・ダ・ビンチ、アダム・スミス、ベートーベンなど、思想や芸術や法律を代表する偉人たちです。
その正面の入口から図書館に入ってみましょう。中心に案内デスクや書庫、そして左右両側に石造りの優雅な大階段があります。
美しい館内で、記念撮影する観光客たちの姿も。スザロ図書館そのものが芸術作品であり、学生のみならず一般の人々にも開かれているのです。あくまで図書館なので、くれぐれもお静かに!
写真:いしい ひい
地図を見るさてその優雅な大階段を登ると、米国で最も美しいと評価されたスザロ図書館の読書室の前に到着します。
読書室に足を踏み入れ、古めかしくも荘厳な空間が広がっているのを目にすると、誰もが「ハリー・ポッター」の映画に登場するホグワーツ魔法魔術学校のシーンを思い浮かべるのではないでしょうか。
天井まで21メートル、約7階建ての高さのアーチ天井の下には、オーク材で作られた机が整然と何列も並び、窓とステンドグラスからは柔らかな外光が注いでいます。暗くなると、学生たちが学ぶ机を照らすのは、天井から下げられた真ちゅうのランプ。まるでホグワーツみたいにキャンドルの灯りすらも似合いそうな、重厚な雰囲気です
写真:いしい ひい
地図を見る先述のガーディアン紙は、同じくシアトルにある公立中央図書館のMixing Chamberという多目的ルームも、最も美しい図書館のひとつに選んでいます。
Mixing Chamberがコンピューターがずらりと並ぶ近代的な空間であるのと対照的に、スザロ図書館の読書室にコンピューターは設置されておらず、まさに本を読むための空間。静寂な部屋にいると、誰かが席に着く音だけが響き、ペンを走らせる音すらも聞こえてきそうです。
しかし机の下にちゃんとコンセントがあり、自分のパソコンを持込んで作業している人も。さすがに現在の大学生活とテクノロジーは切り離せないようですね。
写真:いしい ひい
地図を見るスザロ図書館の重厚な読書室から出たら、その外に広がる風景にも目を向けてみましょう。
レッド・スクエアのすぐ南に、水鳥たちが戯れる美しい噴水が!2016年「米国の大学キャンパス内の最も絵になる噴水」第一位に選ばれた、ドラムへラー・ファウンテンです。ローズ・ガーデンに囲まれ、天気が良い日には遠くマウント・レーニアを見晴らし、ワシントン大学キャンパスの撮影スポットとしても人気の場所です。
アメリカの大学は広く社会に開かれているものが多く、スザロ図書館も誰でも自由に見学できます。その豊かな公共性もまた、「大学の魂」なのかもしれません。
週末は午後のみ開館など、曜日によって開館時間が違うので、予めウェブサイトで確認してくださいね。
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この記事を書いたナビゲーター
いしい ひい
2008年、夫の転職にともなって始まった、アメリカ生活。最初はニューヨーク、続いてヒューストン、サンノゼ、シアトルと、西へ西へと移動して、2017年からニュージャージー州に住んでいます。転勤族はけっこ…
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(2025/2/17更新)
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