写真:古都の U助
地図を見る京都・南座の北側には明治25年まで北座がありましたが、四条通拡張の為惜しくも閉鎖されました。現在その跡地に建つのがもともと文化2年(1805年)、祇園の地で創業したという井筒八ッ橋本舗の祇園本店がある北座ビルです。
北座ビル一階には井筒八ッ橋本舗・祇園本店があり各種お土産品が販売され、2階の井筒茶店では珍しい歌舞伎銘菓「夕霧」やパフェなどの甘味がいただけます。
また5階には江戸時代や明治・大正の祇園界わいについて興味深い展示をしている「北座ぎをん思いで博物館」もあり、南座とほぼ向かい合って建つこのビルに上り眺める鴨川や南座の光景はひときわ美しい風景です。
写真:古都の U助
地図を見る写真中央の生八ッ橋が、一部では幻の仙菓とも言われている「益壽糖(えきじゅとう)」。蜂蜜、和三盆糖に高麗人参、霊芝などの和漢成分が豊富に使用され通常の生八ツ橋と比べると高価なものになりますが、その味はまさに仙菓の美味しさ。
ほとんどの生八ツ橋は日持ちが一週間〜十日程度なのに対し、益壽糖は日持ちが製造から20日間ほどとやや長め。本店では現在バラ売りもされているので、味を確かめてから箱買いをすることもできます。
写真右のお菓子は京都・水尾の柚子を使用した夕霧・柚子味。ほのかに柚子の香りが楽しめこちらも本店ではバラ売りもされています。銘菓「夕霧」は実在した夕霧太夫にちなみ考案されたお菓子。歌舞伎の演目「廓文章」にもちなんでおり、夕霧太夫の恋人・藤屋伊左衛門の被った編笠を模した美しい傘の網目が特徴の生八ッ橋です。
写真左は八ッ橋とともに、京都土産の定番の1つ「蕎麦ぼうろ」。小さな可愛い箱に入った35g入りは1個162円とお手頃でお土産にもピッタリです。
お買い物をするといただける焼き八ッ橋の1包も何気ない心配りで嬉しいです。
写真:古都の U助
地図を見る三笠というのはいわゆる「どら焼き」のことです。某アニメキャラの大好物として関西でもすっかりその名が定着しているどら焼きですが、もともと奈良を中心に関西ではどら焼きは「三笠」の名称もよく使用されています。
三笠山は奈良公園の春日大社東側にそびえる標高297メートルの春日山の別名です。なだらかな美しい姿は、周囲や時には頂上付近でも鹿の姿が見られ、奈良のシンボルの1つです。
井筒八ッ橋本舗の「三笠」には生八ッ橋が1枚とあんこが皮に挟まれ、祇園祭りや五山の送り火の時期には特製の焼印入り期間限定の商品が登場する人気商品の1つです。
写真:古都の U助
地図を見る井筒八ッ橋本舗本店の2階にある井筒茶屋では、コーヒーやグリーンティーなどの飲み物やパフェ、ぜんざいの他、生八ッ橋を炭火で軽く炙り、 季節の三種の餡と合わせていただくセットなども用意されています。
パフェ類には焼いた八ッ橋が添えられており、生クリームやアイスクリームと一緒に食べるのが美味しくておすすめ。京都のパフェにはみんな八ッ橋を添えて欲しい!と思ってしまうほどです。
また、こちらでは先に紹介した銘菓夕霧のニッキ味と煎茶のセットもいただくことができます。
北座跡地、南座前にあるだけあって内装や装飾品は歌舞伎に関するものが多く、貴重な書籍も置かれ、一部販売されているものもあります。上層階ほどではないものの、こちらの窓から垣間見える祇園の町の風景や鴨川の景色もなかなかのものです。
写真:古都の U助
地図を見る北座ビルでぜひとも足を運んでいただきたいのは5階にある「北座ぎをん思いで博物館」です。こちらでは祇園にゆかりのある文学者の紹介や祇園の舞妓さんの髪型の紹介や、なかなか普段見ることが出来ない花街の年中行事のパネル紹介もあり、とても興味深いです。
また、古い写真や江戸時代の墨絵などで四条大橋周辺の祇園界わいの風景も紹介されており、明治25年まで建っていた北座の写真や江戸時代7つの芝居小屋があったという当時の名所絵、市電の写真や三条大橋の下に設置された川床の写真パネルなどもあります。
また、5階まで上がるとほぼ同じ高さから南座を見ることができ、鴨川や川沿いの風景(春は桜、秋は紅葉)も地上で見る景色とは一味ちがって素晴らしいです。夕方などは鴨川沿いに等間隔にならぶカップルの姿も見え、これも京都名物の1つ。北座ビルは川端四条交差点の北西の角に立つため、南側と西側の町の景色が素晴らしく、天気が良い日は絶景となります。
(大人200円)
井筒八ッ橋本舗の祇園本店では、1階店舗でお蕎麦や丼物などのお食事、そして、4階京料理・井筒では四季の京料理の他すき焼きなどをいただく事ができます。
井筒八ッ橋本舗には祇園本店以外にも京極一番街や三条店、追分店などそれぞれ魅力溢れる店舗がありますので、ぜひ訪ねてみていただきたいと思います。
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(2024/10/11更新)
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