日本一の秘境駅、北海道・小幌駅への行き方&過ごし方

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日本一の秘境駅、北海道・小幌駅への行き方&過ごし方

日本一の秘境駅、北海道・小幌駅への行き方&過ごし方

更新日:2017/05/27 18:57

風祭 哲哉のプロフィール写真 風祭 哲哉 B級スポットライター、東海道完歩ブロガー、青春18きっぷ伝道師

JR北海道の室蘭本線小幌駅といえば、「日本一の秘境駅」という誉れ高き称号を持つ駅。ここは以前から秘境駅マニアの間では聖地として語られるほど寂しい駅でしたが、2015年、この小幌駅の廃止が伝えられると別れを惜しむ人々がこの小さな駅に殺到し、一転存続が決まった、という大変珍しい駅。
現在、休日には大人気の観光スポットとなっているこの小幌駅への行き方や過ごし方、そして何より重要な帰り方!を紹介します。

これぞ日本一の秘境駅!家なし、道なし、なぜ駅がある?

これぞ日本一の秘境駅!家なし、道なし、なぜ駅がある?

提供元:写真AC

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小幌駅は北海道豊浦町にある室蘭本線の駅。かにめしで有名な長万部駅から札幌方面に2つ目の駅となります。この駅が日本一の秘境駅と言われるのは、かつて蝦夷の3大難所のひとつと言われた険しい海岸の断崖を貫くトンネルとトンネルの間のわずか80mあまりの間にあり、周りに家もなく、外へとつながる道もないからなのです。

なぜそんなところに駅ができたのかをひも解いてみると、小幌はもともと列車と列車がすれ違うための信号所として開設され、人の乗り降りはできなかったのですが、やがてそれが仮乗降場となり、JR発足時に駅に昇格したからなのです。

これぞ日本一の秘境駅!家なし、道なし、なぜ駅がある?

写真:風祭 哲哉

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かつては海岸沿いに7、8戸の民家があったのですが現在はすべて廃屋となり、その後は「小幌仙人」と呼ばれる男性が自力で建てた住居に住んでいたそうです。しかし現在は仙人もこの世を去ってしまったため、正真正銘、住居なし、定住人口なしの駅となったのです。
またこの駅とほかの集落を結ぶ道ですが、国道と駅の間の山中に獣道のようなものがあるのですが、普通の格好で歩くような道ではなく、登山用具が必要なレベル(?)ということですので、陸の孤島と言っても過言ではありません。

そうしたこともあって小幌駅は長らく一日あたりの平均乗降客数が0人であったため、JR北海道は2016年3月をもってこの駅を廃止する方針を表明しました。しかしその発表後、この日本一の秘境駅の廃止を惜しむたくさんの人がここを訪れたため、その様子を見た地元豊浦町が観光振興の切り札としてJRに働きかけ、1年ごとに存続の是非を判断することになっていますが、現在、継続2年目に入り、2018年3月まで存続されることが決まっています。

小幌駅への行き方!列車は1日6本。行き当たりばったりNG!

小幌駅への行き方!列車は1日6本。行き当たりばったりNG!

写真:風祭 哲哉

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小幌駅に停車する列車は普通列車のみで一日あたり上り4本下り2本の計6本(2017年5月現在)。そのため訪問する列車の組み合わせをしっかり練って訪れることが重要です。間違っても行き当たりばったりでぶらりと降りたりしないように。運が悪いと何もないところで次の列車まで7時間以上待たされたり、最悪は翌朝まで野宿する羽目になります。

一番いいのはここで1時間程度時間を過ごして次の列車に乗るパターンなのですが、なにせ1日6本しかありませんので、そううまくはいきません。同じ方向に進む列車は最短でも2時間半の間隔がありますので、上りと下り列車をうまく組み合わせる必要があります。

小幌駅への行き方!列車は1日6本。行き当たりばったりNG!

写真:風祭 哲哉

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2017年5月現在列車で小幌駅を訪れるもっともおすすめのパターンは下記のコースです。

行き:東室蘭発長万部行き普通列車に乗り、小幌駅に15時13分に到着
帰り:長万部発東室蘭行き普通列車で小幌駅を15時44分に出発

小幌駅に滞在できるのは約30分ですが、記念撮影やちょっとした散策をすることができます。
これ以外の組み合わせは小幌駅での滞在が約2時間半もあったり、夜間だったりであまりおすすめではありません。

小幌駅での過ごし方!唯一の道は断崖下の海岸へと続く道

小幌駅での過ごし方!唯一の道は断崖下の海岸へと続く道

写真:風祭 哲哉

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小幌駅から鉄道以外で唯一外へと開かれている道は、断崖を下った先にある海岸への道。駅から海の方へと進んでいくと、やがて「岩屋観音・小幌洞窟」という案内看板が出てきます。距離にして800mほど、人がすれ違うのがやっとなくらいの山中の細い道を上ったり下ったりしながら進むと崖と崖に挟まれた海岸に到着します。そこには17世紀の美濃国の僧、円空が作ったと言われる6体の岩屋観音がある小幌洞窟があります。

小幌駅での過ごし方!唯一の道は断崖下の海岸へと続く道

写真:風祭 哲哉

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ただし小幌駅からこの海岸を往復するだけでも30分は必要なため、前述のおすすめのパターンでは訪れることは難しく、山道の途中の高台から海岸を眺めて戻ってくるのが無難です。またこの道にはマムシが現れることがあるということですので、歩く場合は十分ご注意ください。

小幌駅での過ごし方!列車通過の迫力も小幌ならでは

小幌駅での過ごし方!列車通過の迫力も小幌ならでは

写真:風祭 哲哉

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小幌駅がある室蘭本線は札幌と函館を結ぶ北海道でも有数の大動脈。そのためここは両都市を結ぶ特急列車や貨物列車がたびたび通過します。切り立った崖を貫く長いトンネルとトンネルの間に挟まれた80mほどの狭い区間を列車が全速力で通過する様子は迫力満点。
ただしそれは危険とも隣り合わせのため、無人の小幌駅には安全対策のためのシステムが設置されています。

駅の前後はトンネルですから列車が近づいても駅にいる人々にはわかりません。そのため列車が接近すると自動のアナウンスと共に大きな警報音が鳴り響きます。やがてホームの脇の踏切が閉まり、上り線と下り線を結ぶ線路上の通路が進入禁止となるとまもなく列車がやってきます。ホームが狭く短いため、トンネルから押し出されてくる風圧とともに大轟音を立てて目の前を猛スピードで通過していく列車の姿は大迫力です。

ただしホーム上で三脚を使っての撮影や、身を乗り出しての撮影は大変危険なため禁止となっています。

小幌駅での過ごし方!列車通過の迫力も小幌ならでは

写真:風祭 哲哉

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また、ホームには記念撮影用に大きな小幌駅入場券パネルも用意されています。ここは開業当初から無人駅でしたので、小幌駅で入場券が発売されたことはないのですが、ここでは訪問記念用に自由に撮影できるようになっています。

休日は今や一大観光地。小幌駅への意外な行き方も。

休日は今や一大観光地。小幌駅への意外な行き方も。

写真:風祭 哲哉

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ご紹介したおすすめパターンの組み合わせは、手軽に日本一の秘境駅を体験できるとあって休日にはこの時間に合わせてたくさんの人がやってきます。そう、今や小幌駅は休日やシーズン中に限っては日本一の秘境駅どころか大変人気の観光地となっているのです。
鉄道ファンや一人旅の男女はもちろん、若者のグループから家族連れやカップル、マダムの団体まで、老若男女たくさんの人々で賑わいます。

休日は今や一大観光地。小幌駅への意外な行き方も。

写真:風祭 哲哉

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もちろん札幌や函館から列車を使ってここまでやって来る方もいるのですが、意外に多いのは小幌駅の二つ隣、豊浦町の大岸駅まで車でやってきてそこから列車に乗り換えて往復する、というパターン。もしかするとこうした方法で小幌へとやってくるバスツアーなどもあるのかもしれません。

また小幌駅を活用した観光振興を進めている豊浦町は、不定期ですが小幌駅を訪れるモニターツアーなども行っていますので、こうしたツアーに参加してみるのもいいかもしれません。

廃止危機から一転大人気の小幌駅。でも帰り方は間違えないで!

日本一の秘境駅として廃止の危機に瀕していたはずの小幌駅ですが、今や人気スポットに変わりつつあります。もちろん平日や列車の組み合わせが悪い時間帯は以前と同様、ここで降りる人はめったにいませんが、休日の混雑を見ると、もはや秘境駅という雰囲気はありません。
そのため、こんなに人がいる小幌はつまらない、というファンも少なくありません。なぜならば「何もない」「誰もいない」ことがこの駅の最大の魅力だったのですから。ただこの貴重な秘境駅が廃止を逃れたのも、こうした観光客がたくさん訪れたからでもあるのです。

気軽に楽しみたい方はおススメの30分コースで、もっと本格的に秘境駅の雰囲気を楽しみたい方は、唯一の朝の列車で到着して午後の列車まで7時間たっぷり滞在するとか、午後に到着して夜の列車まで夕陽や星空を眺めるとか、ハードな楽しみ方も可能です。
ただしハードコースの場合、緊急用の食料と飲物の常備は忘れずに、そして乗り遅れには十分注意すること。
万一、何も持たずに最終列車に取り残されると、最高の星空とともに湧水を飲んだり魚を捕まえたり、火おこしをしたりする、本物の秘境体験になってしまいますので。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/10/16 訪問

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