写真:SHIZUKO
地図を見る双石山に登るには、県道27号線側と加江田渓谷川に登山口がいくつかあります。お勧めは県道側の塩鶴登山口。ここから入山し、およそ30分ゆったりと登ると、小さなお堂に出会います。第一展望台を兼ねている磐窟(いわや)神社です。展望台とはいえ、展望はありません。ここを過ぎると、何やら木々の向こうに、白っぽい穴がいっぱいの壁のようなものが…。
緩い坂をエイっ!と登ると、目の前に広がる異様な風景。「なんだコレ…」。
ボコボコと穴が開いて、ただれたように成長したというか崩れたというか何とも言えない巨大な岸壁。ここが天狗岩です。その足元に赤い屋根の針の耳神社がひっそりとあります。無事の登山を願い、神社に参るため岩を登ると、上からのしかかるように迫る岩々。そのスケールと不思議さ。ぜひぜひ、体験していただきたい光景です。
写真:SHIZUKO
地図を見るお参りを済ませたら、天狗岩の右側にある岩場をロープ頼りに登ります。すると、光景は一変し、辺りは苔むした大岩の世界。針の耳と呼ばれる岩のすき間をくぐり、岩を滑り降りるように下ると空池(そらいけ)です。
20メートル以上あろうかという大岩に四方を囲まれた、とても落ち着く空間。水がないから空池=「からいけ」なのかと思われがちですが、この空間に来れば「そらいけ」なのだと実感できるはず。見上げれば、岩に切り取られた空だけがくっきりと見えるのです。ここは天地が逆転し、水ではなく空がいっぱい詰まった池なんです。
岩に囲まれているので音の響きが美しい。という特徴を生かし、ここでコンサートなどのイベントも開催されています。自然の岩に響く歌声を楽しみに来るのもいいですね。空池の出口は、今にも落下しそうな岩が重なったゲートになってます。
写真:SHIZUKO
地図を見る空池を抜けた後も岩場が続き、梯子や鎖場が現れます。登り始めはちょっとおっかなびっくりでしょう。でも、丁寧に登れば決して危険ではありません。折り重なる大きな丸っこい岩を登り切った場所が大岩展望台。雨でも降ろうものなら、つるつるに滑りそうな黒々とした大岩。ロープが一本たれていますから、岩の上に立ってみましょう。
岩を登った経験がない人は、ちょっと躊躇するかもしれませんが、登ってみれば意外と大丈夫だったりするので、勇気をもって一歩踏み出してみては? 展望所の名に恥じない宮崎市内の展望が広がっています。
ゆっくりと眺望を楽しんだ後は、またまた、岩と木の根の歩きにくい道を進みます。30分も登ると第二展望所。アップダウンをクリアすると、目の前に山小屋が現れます。
写真:SHIZUKO
地図を見る手入れの行き届いた山小屋はとても快適。夏の登山には向かない双石山は、冬に登られることも多く、避難小屋があるのはとてもありがたい。ここでゆっくり、風をさけてお昼休憩を取ることが出来ます。
2階建ての避難小屋には、囲炉裏があるので、暖を取ることも可能です。囲炉裏でたき火をすることも可能です。とは言っても山の中では、火の扱いは細心の注意を払いましょう。暖かな空気がある素晴らしさは何ものにも代えがたいものですから。
山小屋から山頂まではおよそ20分。ここまでの厳しい道に比べると、えっ!という感じで到着のはず。
写真:SHIZUKO
地図を見る山頂を極めたら、九平登山口を目指して下山開始。
下りの道も木の根や岩がゴロゴロなので注意して下りましょう。沢沿いを下っていくと「ご神水」と書かれた沢水に出会います。足を止め、急坂を見上げれば、上の方に姥が嶽神社が。なるほど、この神社の大切なご神水なんですね。有難くいただき、神社へ向かい、手を合わせましょう。
こんな山の中にも神社があるってすごい。ここから下る下山道は、姥が嶽神社への参詣道です。登山道の多くは、山の神様に会うために作られたもの。日本の山の多くは、ご神体として地元の方に崇められ、大切に守られてきました。日本人の精神性のルーツがここにあります。連綿と受け継がれている山への畏怖の心に思いを馳せつつ、謙虚な心で山に足を踏み入れてみましょう。
穏やかな登山道をゆったりと登るのもいいのですが、はしごや鎖場など、ちょっと刺激がある山は冒険心がくすぐられて楽しいもの。双石山は、そんな思いを満たしてくれる山です。
夏は、蚊や蜂も多く、湿度も高いので登山には向かないのですが、涼しくなったらぜひ、「なんだコレ!」な風景を見にいってみませんか?
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(2024/4/19更新)
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